2002年7月の不定期日記 
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不定期日記



■ 2002.7.28   冷蔵庫を開けたら

 マーガリンと野菜ジュースと調味料類しか入っていなくて愕然としました。
 むう、これはいかん、と、このところの外道な仕事のスケジュールのおかげで無茶苦茶なことになっている生活サイクルを立て直そう計画。
 まずは自炊、食料調達からということで、スーパーにGO! ああ、久々に見る野菜の山が神々しい。嬉しくなって、あれもこれも買いたくなりますが、ぐっと我慢で今夜の献立をイメージしながら物色物色。

 ところで、突然ですが、私家版・独り者(不規則勤務従事者)の自炊指南。

鉄則 その1 食料は食いきれるだけ、作る元気があるときに調達すべし

 こと生鮮食品に関して、長期的視野を持ってはいけません。たとえ牛乳2パック300円とか、豆腐2丁100円とかを見つけても、手にとってはいけません。必ず、その隣にある半丁108円を購入すべし。野菜も、割高であっても、できるだけ一二回の料理で使いきれるだけの、小さいロットで買いましょう。そのときは納得がいかなくても、使い切れずに腐らせてしまうことを考えれば、こちらのほうが低コストです。ストックしておいて明日使おうなんて、甘い。明日は残業で午前様になるやもしれません。ちなみに、わたしはこれができるようになるまで、約1年かかりました。それまで実家で一家5人のおさんどんをしていたもので、卵10個パック130円とか見ると、もう血が騒いでしまって……ただし、保存のきく食品に関してはこの限りではありません。逆に、保存食としてまとめて備蓄しておくべきです。風邪を引いて出かける元気のないときや、給料日前の命綱です。

 結局、空菜とエリンギが安かったので青菜炒めに決定。ついでにニンニクも。他にも簡単に食べられる野菜や、夏唯一のタンパク源になる豆腐などなどを仕入れて帰宅。

 空菜は、以前に中華料理屋さんで炒め物を食べてはまりました。炒めても茎のところはしゃきしゃきしていて気持ちよいのです。エリンギさんは適当に割いて、空菜もざくざく切って、ニンニクと一緒に強火で炒めるのみ。味付けも塩コショウのみ……なんだが……

鉄則 その2 作った料理はどんなできあがりであろうと、完食すべし

 継続的な自炊を怠ることで、覿面に低下するのが味付けのセンスです。また、たまに勇み足で新レパートリーに挑戦して、想像を絶するブツが出来上がることもありましょう。ここで、自分が作ったものは自分で責任を取るという姿勢が、技術の向上に繋がります。次にはこの二の舞はよもや踏むまいという強固な決意が、上達の極意です。この金言は、学生時代の後輩(男)から伝授されました。奴はもともと香川出身のぼんぼんで、実家では男子厨房に入らずのしきたりで、包丁すら持ったことがないまま下宿生活に突入したのですが、2年後には下宿に押し掛けた有象無象に親子丼なんかほいほい作って振舞ってしまうような腕前にまでなりました。その節はご馳走様でした。美味しかったです、マジで。

 うーん、大体私の敗因は、味付けを怖がって薄味にしてしまうところなんですよねえ……でもまあ、素材の味に助けられて、まあ食べられない代物ではなかったのが幸い。どうも中華料理屋さんで食べた味を覚えているので、しっくりこないのですが。
 主食は蕎麦。夏は蕎麦やらそうめんやらひやむぎやらで食い繋ぎます。ううむ、立て直っているのか、生活サイクル……蕎麦湯で締めて一心地。

 ふう、明日は冬瓜買って煮物にしたいな。早く帰れればだけど。

■ 2002.7.27   夏の風物詩

 我が家に恒例のサントリー烏龍茶1Lペットボトルが登場しました。
 500MLではなく、1.5Lでもなく、1Lなのがちょうどよいのです。500MLだと足りない。1.5Lや2Lだと飲みきれない。
 窓を開けながら、ペットボトルをラッパ飲み……してたら、通りを行く人と目が合いました。
 恥ずかしい以前に、なんとなく面目ない気持ちになったのは、なぜだろう……


■ 2002.7.26   王様の耳はロバの耳心理

 夏の本屋には魔物が潜んでいます。
 暑いしちょっと涼しげな読み物でも仕入れるかと安直な気持ちで本屋を物色してたら、とんでもないものを掴んでしまいました。
 岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』(角川ホラー文庫)。今までホラーとか怪談の類を読んで、心底怖かったことって、ほとんどない私なんですが。坂東眞砂子だって比較的冷静に読んだ、霊感ナシナシな私なんですが。

 怖い怖い怖い怖い怖い!
 
 もうここで叫ばずにはいられない怖さ。
 なんで夜なのにページ開いちゃったんだよう、私……(涙)

■ 2002.7.21   蕎麦猪口

 で冷茶を飲んでいます。このところ、立て続けにコップを割ってしまったからです。そそっかしいのは昔からですが、なんだか最近、人間としての生活能力が減退してきている気がするな……
 平日の無彩色な勤め人生活の反動がきたかのように、週末はこれでもかというくらい力いっぱい詰め込んでしまって、完全にキャパシティフロー、何からどう書けばいいんだ状態です。
 そういうときは、これに限る。困ったときの箇条書き。

◆BOSTON POPS ORCHESTRA コンサート
 これは金曜日でした。行ってきました、東京国際フォーラム。すっごい広いホール。前半どうもオケに元気がないなと思ってたら、後半のジョン・ウィリアムズ特集にパワーセーブしてたんですね。曲目は『キャンディード序曲』とか、『パリのアメリカ人』とか、ジョン・ウィリアムズのオリンピック・ファンファーレに『E.T』のテーマ、『スターウォーズ』のテーマ、とブラスあがりの人間には堪らない選曲(そもそもブラスの人間は、ジョン・ウィリアムズと聞いただけで目眩がするほど嬉しい)。うあー、ブラスセクションの音の厚みが懐かしい! トランペットとトロンボーンがこれでもかと鳴っていて、さすがはジョンお膝元のポップスオケ。久々の生音、風呂上りのビールのように、っくう〜…と言いたくなるくらい、身体にしみわたりましたです。

◆秋山庄太郎の写真美学展
◆世界報道写真展2002
 東京都写真美術館の特集展示。書いているうちに長く(しかもマジに)なってきたので、こちらに。

◆『ダスト』
 映画。恵比寿に行ったついでにガーデンシネマでやっていたのでふらりと入ってみたら、気づいたら椅子の手すり力いっぱい握り締めてたくらい引きずり込まれてしまった。ミルチョ・マンチェフスキー監督。舞台は現代ニューヨークと19世紀末マケドニアの間を交錯します。独立戦争時のマケドニアの描写がもの凄くリアリティがあると思っていたら、監督がマケドニア人だったのでした。ストーリーは、説明しづらいです。というか、説明してしまったらお終いな気がするので、興味ありましたら、是非映画観に行ってください。でも、それほどメジャーな作品じゃないようで、かける映画館少ないみたいですが。テーマはずばり、『物語り』です。"Where does your voice go when you're no more?" この一言に尽きます。それにしても、『バナールな現象』読んでいる間に、この映画に出会うなんて。こういうことがあると、見えざる手はあるかもしれないという気になるなあ…


はあ……こうやって週末にエネルギー集中しすぎて、月曜はゾンビな私。
お気づきかと思いますが、更新ペースがかなり落ちてます。各方面にまたしても相当な不義理を働いてます。申し訳ありません、今しばらくこの状態、改善しない見込みです。仕事がラッシュ期に入る模様です。せめて平均的に21時くらいに帰れると、もうちょっとまともな人間生活送れるんだけど……その前に休日遊びすぎだという声も重々認識しておりますが、こればっかりは、遊ばなくなったらかなり末期的なので……


■ 2002.7.16   大掃除

 太平洋岸に住む人間にとっては、海沿いをかすめるように通過する台風が一番怖い。
 上陸した台風は覿面に勢いが衰えるけれども、沿岸地域を舐めるように北上していく奴は、海から水気を吸い取って補給をしつつ、陸地の抵抗に勢力を削がれることもなく、一番風速の強い左顔をこちらに向けて走り抜けていくのだ。それを首を竦めてやりすごした後には、ブルドーザーであたりを薙ぎ払ったかのような晴天が残るというわけだ。

 朝、あれほどの大荒れ天気を前にして、昼から降水確率0%予報とは、気象予報官もなかなか気風が良いですな。

■ 2002.7.14   最初、逆から読んで

 「……『不夜城』の人?」と思ってしまった周星馳。めんぼくない……

 いつもいつも遅まきですが、『少林サッカー』観てきました。カッ飛んでて面白かったです〜! 久々のどんぴしゃストライクなおバカ映画でした。
 出演者は主役から端役に至るまで、爪先まで神経の行き届いたエンタメっぷり。ヒロインにも情け容赦なし、ここまでやるかのヨゴレっぷり。これぞB級の醍醐味。骨がらみのギャグセンス、スポ根漫画に一度でも萌えたことのある人間には、もう堪りませんです。行って損なし! ロングランしてくれるといいなあ。もう一回くらい観に行きたい。すかっとします。
 行った映画館では上映中も爆笑の連続、終わるやスタンディングオベーションという、ここは日本か?!と思うような、でも反応する場所は紛れもなく漫画で育った日本人だ!(拳握りしめ)と思うような盛り上がりでした。あの映画には確かに、そういうフラットでオープンな雰囲気があります。

 しかし周星馳、あれで40男だとは……おそるべし童顔。私のお気に入りは陳国坤(いいね、チンピラ@ブルース・リー風(笑)!)、あとヒゲつきでひょっこり顔を出したカレン・モク。ヒロインのヴィッキー・チャオは、昔の後藤久美子を彷彿とさせるキレイ可愛さ。

 あー、こんな映画観ちゃうと、しばらく壮絶に足癖悪くなりそう(笑)<普段でも相当悪い。

■ 2002.7.11   "Nevermore."

 好きだとか嫌いだとか、面白いとか面白くないとか、そういうものを超えて、ただ衝撃受ける作品に出会うことがある。それも、最初の一行か二行を読んだだけで。
 天啓という言葉の意味の実感は私にはないれど、もしかしたらこういう感覚が近いのかもと思う。

 奥泉光『バナールな現象』(集英社文庫)
 鋼というより、研磨用のダイヤのように強靭な文章。刃物の凄みを感じる文章。


■ 2002.7.10   台風到来

 関東直撃だそうです。
 戦々恐々って、こういう気持ちを言うんでしょうね。

 それにしても、幼少時代を吹雪でもバスの止まらない雪国で、その後のこれまでの人生のほとんどを、台風上陸が年中行事の東海地方と関西地方で過ごした人間として、関東の人々は災害に対する普段の身構えが薄いように見えます。普段あまり意識していないというか。『首都圏厳戒』とか何とか。いや、行われている対策が大袈裟だとは思わないし『厳戒』もその通りだと思うけど、いちいちそんなこと口に出さなくても、災害に備えるのは当たり前だと思うんですが。

■ 2002.7.9   しとしと

 何が暑いのかわかりました。ここの壁紙。
 てなことで、替えてみました。

 季節外れですが、ここはしばらく湿潤気候です。

■ 2002.7.8   暑い暑い暑い!

 ちょっと普段と違うと不安になるくせに、普段どおりになるとやっぱりうんざりするという手前勝手。
 とりあえず暑いですー堪んないですー口に出したって涼しくはならないが、口に出さないという堪え性はないのですー。

 そんなに忙しいわけでもないのに、妙にいっぱいいっぱいで時間が取れない今日この頃。早く帰れた今日はとっとと寝ます……って、こんな内容なら書かないほうがマシなんだけど、そんな堪え性は(以下略)


■ 2002.7.3   持ち物

 週の半分は携帯を家に忘れて出かけるという、携帯持ちにあるまじき行状です。そういえば、「携帯持ち」って、なんだか「妻子持ち」と似たような語感ですね。

 手に持って歩く種類のものはよくなくします。ハンカチとか、時計とか、ペンとか手帳とか。ハンカチを持って出るのを忘れて、仕方ないから出先で買って、そのままどこかに忘れてくるなんてことをしでかします。机の上のペンは必ずいつのまにかなくなる。から、首から下げてるIDカードにぶら下げておく。時計は腕から外したが最後なので、家に帰るまで極力外さないようにする。手帳はスケジューリングにはほとんど使わなくなって、鞄の肥やし状態。各種の緊急連絡先くらいは載っているので、まあパスポートがわり。

 なんて、一応、注意力散漫ぶりをカバーしようとはするんですが、ぶっちゃけどれもこれも、なくしたってどうってことないものばかりなんですな。持ち物なんて、そんなもんなんでしょう。持ち主だって、ほんとは要らなかったりして。

■ 2002.7.1   堆積物

 7月なのにこんなに寒いってどういうことですか。それに、台風のたの字も聞こえないってどういうことですか。何か間違ってます。外気温26℃なのに、クーラーガンガン入れてるウチの会社も。
 お米は大丈夫かな。水も大丈夫かな。

 職場は今、オフィスクリーン週間だそうで、今月の標語は、「机の上を綺麗に保ちましょう、整理整頓を心掛けましょう」

 なんちゅうか、中学校の廊下の掲示板かと思うような標語ですが、私も大きなことは言えません。忙しくなると机の表面が見えなくなるほど色んなものを積み上げまくります。でも、私の場合、同時進行のものは目に見えるところに置いておかないと忘れるんですよ。まあ、これも限度を超えると堆積していくわけですけど。

 それはそうと、本棚はワンダーランドです。先日に引き続き、思わぬものが発掘されます。
 澁澤龍彦。
 こんなものまで。や、確かに本をぱらぱら捲っただけで、いかにも私好みないかがわしさ。中野美代子を洋風にした感じだなあ…(って、年代は澁澤氏のほうが上でしょうが)
 ただいま地層にして新生代前期くらいかな。中生代くらいまでさかのぼると、もっとかなりイタそうなコレクションが発掘されそうだ。新井素子とか、眉村卓とか……(くっ、差し込みが…)……藤本ひとみとか……(再起不能)






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