2002年12月の不定期日記 
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不定期日記



■ 2002.12.28   年末

 24日、終日仕事。プログラムの連結テスト。冷蔵庫のなかのシャンパンが気になって仕方がないものの、結局終電。

 25日、部内サーバのメンテナンスが入り、仕事できなくなって早々に切り上げ、職場の人とふて酒。うっかりシャンパンとワイン、計2本を空ける。

 26日、前日のワインがボディーブローのように効くなか、朝から打ち合わせ。ラッシュの東海道線に痛めつけられ、会場に到着するまでにすでに疲労困憊。さらにお客さんからちゃぶ台がひっくり返るような意見が飛び出してきて、その鎮火にひと苦労。いっしょに行った上司は掛け持ちした別プロジェクトが火を噴いていて、これまた初手から疲労困憊状態。ほぼ丸一日の打ち合わせが終った後、帰りの東海道線では二人して虚脱して無言だった。

 27日、年内厳守の仕事が終らない。連結テストの最終部分。自分の分担は終って、待ち状態になっているときほどの苛立ちはない。どうして終らないのか私にはわからない。そんなボリュームのある作業でも、難しいプログラムでもないのに。……と思っていたら、前提条件から違った解釈をしていたためだったと分かった。日本語って難しい。そんなこんなで、納会は乾杯と締めだけの参加。といっても杯は乾さない。あちこちから大騒ぎしている声が聞こえてくるけど、羨ましいとも五月蝿いとも何とも思えないくらい、乾燥した心境に至る。電気の消えた給湯室で、ごみ箱から花を拾う。フロアに飾っていた花。大掃除で捨てたらしい。妙にもののあはれを感じて、濡れティッシュで根元を包み、持って帰ることにする。ちょっと潤う。机の周辺の片付けは、もう昼くらいの段階で「やらない」という決断をしていて、だって30日出勤するもんね、ということで足元に散乱したファイルだけキャビネに戻して、21時ごろ終了。有志で、忘年会@本気でもうここ数ヶ月の軌跡なんて思い出したくもないぜ会に参加。けど全員して、注文を間違える、タクシーのおつりを貰い忘れる等、素面で酔っ払いな言動。そのくせ、疲れのせいか酔えない。仕切りなおしが入って、電車で帰る。また今度、みんな体調万全のときに大騒ぎしようぜということ。家に帰って、花を水に生けて寝る。

 28日、というわけで、休みだというのに不本意にも午前中から目がさめてしまい、昨日の花を眺めながら、なんかワケわからないことになっていた今週の出来事を、反省を込めて反芻。大掃除、どうしようかな……<本当に反省しているのか。

 ※今見たらあちこち変換が間違ってました。陳謝修正。私もパソコンも疲労してますな……

■ 2002.12.23   大根一本は無謀だった…

 昨日のおでんは、一晩置いたおかげで味がしみて、涙が出るほどおいしかったです。
 く、くやしくなんかないやい。

 ああ、明日は仕事。

■ 2002.12.22   空回り

 シャンパンとチーズを買いました。クラッカーとチョコレートも買いました。
 確かシチューの素が半分余っていたはずだから、近くのスーパーで足りないものだけ調達しようと、冷蔵庫の中を見てみました。

 ・大根 まる一本
 ・賞味期限が微妙な厚揚げ 一丁
 ・貰い物の山菜入りかまぼこ まる一本
 ・昨日の蕪の煮物
 ・昨日の昆布巻き

 ……ビールでおでん以外にあり得ない在庫状況です。
 くそう、意地でも食い尽くして、明日は思う存分シャンパン空けてやる!(涙)

■ 2002.12.20   生還

 今週は本当に死ぬかと思いました。もうこんな崖っぷちなスケジュールは嫌です。これが自業自得ならまだ諦めもつくけど、天から降ってきた星回りだというのが精神衛生上いけませんな。まあ三連休は休めることになったので、人生の意義についてでもゆっくり考えようと思います。<嘘。絶対、日がな寝て終わる。(笑)

 先週の日曜日(もう日記であることを諦めた(笑))、出張から帰ってきたその足で東京国立博物館に行って来ました。何だか無性に浮世離れしたものが見たくなったんです。(今思えばこの無茶が、週の初めから微妙に疲れが取れないまま、アイガー北壁を登るようなスケジュールに突入する羽目になった原因のような気もするが…) いつも平成館の特別展しか見ないのですが、今回は本館、東洋館をじっくり回りました。地味だけど、いい展示をやっている。特に本館。ホームページを見ると、展示物は何ヶ月かごとに入れ替えているらしいので、こまめに行けば結構いろいろ見られるのかもしれない。

 今回の地味なトピックスは、曹源寺の十二神将像、一斉展示。十二神将像って面白くて好きです。仏像ってどうしても決まったパターンがあるけど、十二神将像にはいろんな表情、いろんなポーズがある。作った人も、そこらへんを楽しんで作ったんじゃないかな。今にも動き出しそうな像っていうのは、日本美術では十二神将像くらいでしか遭遇しない。サイズが比較的小さいのもあいまって、夜になってちょこまか動き出してる様子なんかを想像すると楽しくなります。
 あと見てて楽しいのは着物、装身具。最高級の織りや染めを間近に見られる機会って、こういうところでしかないと思う。いやほんと私、大店の若旦那に生まれてたらこういう道楽に走ってそう。即、身代潰しそう。賢い番頭が必要だな。それか尻に敷いてくれるしっかり者の嫁さんか。あ、いやだから旦那じゃないって。
 変り種で、江戸時代の火事羽織の展示があって、何の変哲もない半被かと思っていたら、リバーシブルになっていたりしてびっくり。鎮火作業のときは裏返して地味な汚れが目立たないほうを外に着て、終ったらひっくり返して派手な柄を披露するらしい。火事って、一種のイベントだったのね。

 ミュージアムショップで河鍋暁斎の画集を買いました。名前だけは知っていたんだけど、ぱらぱら画集を捲っていたらもろに好みな画風だったので。どうも私は偏った刷り込みがあるようで、暁斎といえば幽霊画というイメージがあったんだけど(幽霊も確かにあるんだけど)、この人、美人画がとてもいいです。女性が美しい。嘘くさくなく美しい。こういう描き方してくれる画家がいると手放しで嬉しい。
 にしても、私が幽霊画描きとして覚えている人って、大体普通の作品を見ると好きな画風のようです。円山応挙しかり。北斎しかり。

ああ、延々何書き垂らしてるんだか。

■ 2002.12.9   雪

 豪奢な初雪が、師走に走り回る人間たちを冷やかすよう。
 何走り回ってんの。何焦ってんの。
 世界は白く染まって、吐く息も飛び回る思惟も、雪の中に溶暗する。






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