2004年1月の不定期日記 
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不定期日記



■ 2004.1.30    例によって

 例のごとく、潜水の季節がやってきました。待ってたぜ年度末。毎度のごとく年度末。でも今年は万全の布陣だぜ年度末。去年と同じ轍はよもや踏むまい。とはいえ業務倍増のため、さらに人生の転機が重なるため、しばらく更新滞ります。いや今までも十分滞ってましたが。息抜きにここは更新すると思いますが。看板どおり、不定期で。ちなみに転機といっても、浮いた話ではございません。残念ながら。

 ここのところ職場に風邪が蔓延していて、しかも次から次へと誰かが新種を仕入れて来て不調続き。私もすでに3巡目です。最初は熱、その次は咽喉、今は胃腸。次は鼻かな! 頭痛かな!(自棄)

 里芋と豚肉の煮物を作りました。栗甘露煮のシロップ(正月のがまだ残っていた!)をみりんの代わりに入れたら、ちょっと甘めになってしまった。でも里芋がふっくら柔らかく煮上がって満足。鍋を使う料理をしたのは久し振りだよ。ここのところ、お湯を入れればなんとかとか、お湯であたためればなんとかとか、焼けばOKとか、水で洗えばOKとか、パック開ければそのままでOKとか、そんな感じのもので生きてましたので…… そーゆーことをしてると、必要以上にエンゲル係数が上がることが、よくわかりました。というか、わりとコンスタントに自炊していた時期の食費が驚くほど安かったことに、最近気づいた。(今さら) ま、うちの場合、生活水準の指標は食費でなく、本やCDに散財する金額で測るのが正しいでしょうな。


■ 2004.1.24    誘惑

 映画『サロメ』を観てきました。エロかった! 美しかった! アイーダ・ゴメスがほんとに美しかった。オスカー・ワイルドの『サロメ』にかなり忠実だったと思いますが、1点だけ。ヨハネ、ちょっとよろめいてませんでした?(笑)

 ひさびさに映画館に行ったので、いろいろチェック。忘れないようにここに書いとこう。

 映画
 ・『アドルフの画集』
 ・『女王フアナ』
 ・『carmen.』
 コスプレものに面白いのが多そうだ。しかもスペインものが多いぞ。スペイン強化年間なのか。

 舞台
 ・『オイディプス王』 演出:蜷川幸雄/主演:野村萬斎・麻実れい(5〜6月)
 ・『blast!』 今夏再来日(7〜8月) 去年行き損ねた! 今年は行くぞ〜
 ・『ポーギーとベス』 ニューヨーク・ハーレムシアター初来日(9月)


■ 2004.1.23    さて堕落とは

 いつもお邪魔しているサイトさんで紹介されていたのでチェックしてみました。ファンタジー・ブックガイド掲載書籍リスト

以下、結果。

総項目数:134

チェックした項目数:20

001 『指輪物語』 J・R・R・トールキン (p.8)
010 『山尾悠子作品集成』 山尾悠子 (p.26)
027 『ラーマーヤナ』 ヴァールミーキ (p.63)
036 『オズの魔女記』 グレゴリー・マグワイア (p.80)
040 『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ (p.88)
042 《十二国記》 小野不由美 (p.91)
049 『クルミわりとネズミの王さま』 E・T・A・ホフマン (p.101)
051 『リリス』 ジョージ・マクドナルド (p.106)
054 《アリス》 ルイス・キャロル (p.114)
065 《メアリー・ポピンズ》 P・L・トラヴァース (p.136)
067 『野ばら』 長野まゆみ (p.140)
073 『夜叉ケ池・天守物語』 泉鏡花 (p.152)
093 《ハリー・ポッター》 J・K・ローリング (p.185)
094 《はれぶた》 矢玉四郎 (p.186)
098 《ムーミン》 トーヴェ・ヤンソン (p.194)
112 『アラビアの夜の種族』 古川日出男 (p.212)
114 『陋巷に在り』 酒見賢一 (p.215)
115 『アンデルセン童話集』 ハンス・クリスチャン・アンデルセン (p.218)
118 『幸福な王子』 オスカー・ワイルド (p.222)
122 『注文の多い料理店』 宮沢賢治 (p.228)

未チェックの項目数:114

 予想通り、ぜーんぜん読んでないんでした。以前にもミステリ系なんとかとか、ファンタジー系なんとかとか、似たようなチェックリストがWEB公開されるたびに面白がってやってはみるんですが、大体結果は惨憺たるもんです。そもそも私、名作と呼ばれているものを実はほとんど読んでいないのです。

 これは自分自身に原因があることがはっきりしています。昔(おもに中学、高校生のときですね)は、名作を名作だというだけの理由で読むなんて、堕落の極みだと頑なに思っていました。だから、一番本を読んでいた(一番逃避していたとも言う)浪人時代は、人文系の論文ばかり読んでいました。大学ではクラブにうつつを抜かしてましたので本なんか読むわけがなく。や、要するに天邪鬼だっただけですが。

 今は堕落しきってますので、読む本選ぶのに理屈なんてつけません。理屈っぽい本は頭がついていかないのでもう読めません。テイストが合えば何でも良しという無節操ぶり。

 それにしても『はれときどきぶた』は懐かしいな。あれ、ファンタジーだったのか……


■ 2004.1.22    グロ…

 中国の細工茶を貰ったので、会社に持っていって飲んでみたんですが……

 細工茶
 細工茶または工芸茶と呼ばれる中国茶葉を縛ったりまたその中に花を入れたり・・・と工夫されたお茶です。見た目にも美しく長く楽しめるお茶です。こちらのサイトより)

 とは言うが。………いそぎんちゃくっぽい。
 紅茶や日本茶のように茶葉を切らないで長いまま束ねて固めてあって、お湯を注ぐ前は大体ボール状になっています。でお湯を注ぐと葉が広がるんですが。どう見ても海洋性生物。これ見た目がダメな人、結構いるんじゃないだろうか。現に会社の同僚(男)に見せたら思いっきりひいていた。そして飲み終わった茶殻は給湯室の三角コーナーに捨ててきたんですが、知らない人が見たら何かと思うでしょうね。

 まあ私は平気なのでオールオッケーです。何種類か貰ったんですが、味はどれもジャスミン茶系。フレーバーティーなんでしょうな。茉莉茘枝が一番好きでした。一個で3〜4杯飲めるし、茶漉しが要らないのも楽でいいです。

 『地下室の手記』ドストエフスキー/江川卓 訳(新潮文庫) 読了。(1/21)
 違う意味でグロ。これはヘコんでるときに読んだら再起不能になりそうだ。それでなくても、ここまで自意識の怪物を目の当たりに突きつけられるのはキツいものがある。

 いったい自意識をもった人間が、いくらかでも自分を尊敬するなんて、できることだろうか?(本文より)

 『地下室の手記』一編のモノローグには、おそらく他者を、さらには他者の意識に映る自己を意識していないような文章は、一つとしてないだろう。かくして意識は、二枚の合せ鏡に映る無限の虚像の列のように不毛な永遠の自己運動をくり返し、ついにはなんらの行動にも踏み出すことができない。ただ、その無限の像の彼方に、これまでだれものぞき見たことがないような実存の深淵を見いだすだけである。(訳者解説より)

 初ドストエフスキーがコレっていうのは、どうなんだろうか。あ、違った。初は『賭博者』だった。(それもどうですか)


■ 2004.1.20    能天気

 自分の楽器の音を思い出すために、久し振りにモーツァルトのファゴット協奏曲を聴いたら、なんちゅうかすごいアッパーさ加減に呆気に取られてしまいました。このごろシューマンとかチャイコフスキーとか根暗な曲ばかり聴いてたので尚更落差が。精神状態が安定しているときならいいけど、深刻な悩みがあるときにうっかり聴いたらCDプレーヤーを叩き壊したくなるかもしれない。能天気なのが良いのも場合によりけりです。

 楽器についていえば、私は大学から(しかもブラスで)はじめて、ほぼ独学なので、身近にお手本になるような音をあまり聴いて育っていないのです。だから、たまにまともな音を聴かないと方向性があやしくなるので。

 持っているCDはオルフェウス室内管弦楽団ので、ファゴットとオーボエとフルートの協奏曲が入った大変お得な盤です。ひそかにフルートのソリストが好きなんですが、どんな演奏者かは例によってよく知らないのでした。スーザン・パルマという女性。ご存知の方おられましたら是非教えてくださいまし。


■ 2004.1.19    真冬日

 書くのを忘れてましたが、17日は横浜、初雪でした。すごい大粒の牡丹雪。積もらなかったのでつまらなかったけど。

 最近の寒さのせいか、部屋のエアコンが時折、鯨の鼻息のような不吉な音を立てます。そして、冷蔵庫の苺が凍った。ショック。


■ 2004.1.18    ビール瓶

 で倍音を三つ鳴らして周囲の尊敬を勝ち取りました。演奏会の打ち上げ宴会でですけど。でもコップを鳴らすのはできなかった! 沸々と闘志が湧いてきます(どうでもいいところで)。

 何はともあれ、終わったよ。大事故もなくて良かった良かった。


■ 2004.1.15    朝起きて寝惚けたままドアの角に足をぶつけ出社した途端しようもないバグが原因のトラブルの火消しに追われ昼抜きで対応が終わって一息つこうと思ったら財布を忘れていたことに気づきそのまま時間切れで不毛な会議3時間に拘束された挙句今週日曜の出勤が決まるという散々な痛めつけられように傷心を抱えて帰宅

 したら、静かに浮上されているのをこちらで知りました。とても嬉しいです。


■ 2004.1.14    奈落を縫う糸

 『見えない都市』イタロ・カルヴィーノ/米川良夫 訳(河出文庫)読了。
 これは、千一夜物語です。マルコ・ポーロとフビライ汗の、薄氷を踏むような、真剣勝負の対話。アラベスクのように精緻な都市の配置と、世界そのもののような地図帖(アトラス)。訳者あとがきと解説が、あまりにも自分の感想とかぶっていてびびりました。それにしても、この本は長いこと持ち歩いていた(約1ヶ月かばんに入りっぱなし)。通勤時に1章だけ読んでもいいし、適当にぱらぱらと捲って気に入ったところだけ拾い読みもできる。なんとなく、ボルヘスの『砂の本』にイメージが直結します。

 「陰鬱なライッサにおいても、やはり目に見えぬ一本の糸が走っており、それは生ある者の一から他へと一瞬のうちに結び合わせては解け、さらになお動いている点と点のあいだに張り渡されて新しい刹那の図形を描きだし、こうして一瞬ごとに不幸な都市はそのなかに、みずからの存在することさえ知らぬ幸福な都市を包含するものとなるのだ。」

 最終章のマルコの言葉は、結局このことを言っているのでは。その糸を見るのだと。


■ 2004.1.12    ライムの

 ペリエを買ってみたらハマりそうで困った。そうそうセール以外で買う気はしないのだが。

 今日も出勤だったのですが、行き帰りと猫によく会う日でした。寒いのにどうしてこんなに外をうろついておるのだ君たちは。たまたま目があった野良に「よっ」と声をかけたら大欠伸をしやがりました。可愛くないやつ。

 知人からサイト作りを頼まれて、何となく断れずに作っていたのですが、これもまた意外にハマりそう。自分のサイトは、もうある程度カラーが固まっているし、大きな路線変更はあまりしようとも思わないので(するときは完全に別のサイトにするだろうし)、まったく別のコンセプトに沿ってデザインできるっていうのはとても新鮮で面白いのです。サイト作るのって、絵を描くのと部屋の模様替えをするのに似ている。2つの楽しいところを足して、そして面倒なところも倍増しで足した感じ。いい道具があると楽っていうとこも似ている。Dreamweaver欲しいな。

 あーそして自分のサイトはかなり放置しているし。メールくださった方々、お返事も対応も遅くなっててすみません。鋭意。鋭意対応中です。もう少々お待ちを。


■ 2004.1.10    ひと足早く

 誕生プレゼントを貰いました。ありがとうありがとう。でもなんで中国茶用のガラスの茶器と紅茶の葉のセットなんだろうか。いやいや、ほんとにありがとう。お茶はひそかに私的ブームが到来しているので、ジャストタイミングなプレゼントでした。

 なにせ最近の私のお茶の消費量はすごいですよ。普通にあったかいのも浴びるように飲んでますが、我が家にはこの季節にも麦茶が常備されてます。一時期、風呂上りにビールにハマった時期がありましたが、そんなことをしてたら秋頃の冬眠前の熊行動と相乗効果で覿面に太ったので止めたのでした。その代わりに麦茶。家にあったビールは一掃!(…って、飲んだわけですけれども) これだけでも結構身体が軽くなったけど、加えて女三人断食TDL効果(あそこ食べ物が美味しくないので、ほんとに一日ほとんど飲まず食わずだった)で、体重バロメータになっているジーパンがそこそこ普通のフィット感に戻りました。完全に戻ったかといえばあやしいけど、とりあえずはめでたしめでたし。どんなことでも、効果があるっていいもんですね。

 しかし何より太る原因は、絶対に炬燵だ。入ったら最後、出られなくなるし。


■ 2004.1.8    楽

 勉強ができることと、頭が良いことと、仕事ができることと、要領が良いことは、全部まったく違う素養なんだと改めて思いました。どの素養があるのが楽かと言えば、私は要領だと思いますが、どうですか? 要領と言うより、身のこなしと言ったほうが近いかもしれません。これが一番努力しても手に入れ難い素質だと思う。そして、多少鈍いほうが人生楽だと思います。誤解されると嫌なんですが、否定的な意味ではないです。

 私? 私は楽することしか考えてません。それなのに、どうして今の時期、冬眠していられないのか理不尽でなりません。ああ寒いから外に出たくない。<それか。

 ※私信。
 離脱が決定しました。嬉しいけど不安で、不安だけどとてつもなく嬉しくてわくわくする。


■ 2004.1.5    深大寺蕎麦

 自分で茹でた蕎麦が美味しかったためしはまずないんですが、今日茹でた年越しの残りの蕎麦はめちゃくちゃ美味しかった。

 それだけ。


■ 2004.1.4    寝正月

 するはずだったのに、おかしいな。

 2日に妹その2が東京にやってきた。新幹線のホームで拾ってそのまま東京観光。浜離宮とか東京タワーとか、私でさえ行ったことないよ。その1も途中から合流して丸ビルにも行く(実は丸ビルも行ったことなかった)。「丸ビルなのに丸くない!」とか文句を言う関西かぶれ約2名。(意味が違います) 東京タワーはチープでいい感じ。しかし北海道出身者はついあれを「テレビ塔」とか言ってしまって馬鹿にされるんですよね。

 3日は朝からTDL。飲まず食わずで遊び回る。行くまでは腰が重いくせに、行ったら徹底的に遊ぶのが流儀。だがしかし、スペース・マウンテンは終日停止しているし、ビッグ・サンダー・マウンテンも途中で止まった。そして取るのに30分待ちなファストパス。げっそりです。他にもアトラクションの内容や全体の雰囲気が微妙に変わっていたりして、その変わっている路線がイマイチな気がして、何だか気が削がれました。やっぱり社長が代わったせい?

 4日は会社に呼び出しを食らう。映画に行くというその1・その2と別れ、楽器を持って会社に。行ってみればしょうもない用事だったりするのはよくある話だが、今日という今日は頭にくる。だって今日は昼からオケの練習で、しかもソリスト合わせだったのだ! 今日で2回目だったんだけど、前の合わせも仕事で行けなかった。次も行けないことが確定しているので、今日が最後のチャンスだったのに! しかもこの曲トップなのに! 1回も合わせてないって、真剣にまずいです。ゲネプロ一発だなんて怖すぎる。結局1.5時間ほど遅刻して交響曲の通し合奏には出られたのが不幸中の幸い。

 練習の帰りにその2からメールが入って無事に新幹線に乗れたらしい。「結局ニモりませんでした」という阿呆なメッセージつき。「ニモる」って、『ファインディング・ニモ』を見に行くかどうかで談合した際に我々姉妹間で局所的に流行った造語です。その1は『ファイティング・ニモ』とか言ってたし。それ『MATRIX』の観すぎだから。嗚呼、アホ姉妹。

 ギター版のJ.S.バッハ『フーガの技法』を聴いてます。前から持っていたCDなのですが、"The art of fugue"っていうのの和訳が『フーガの技法』って検索で調べてはじめて知りました。ギタリストは Jozsef Eotvos (ジョゼフ・エトベシュ)、ハンガリーの人らしいです。これも検索したら、ハンガリー人でエトベシュって山ほど出てきて、結局どんな人かわからない。エトベシュってハンガリーの国民的名字なのか? ブダペスト大学も別名エトベシュ大学って言うらしい。なんだか音質や響き方が違うと思っていたら、8弦ギターを使った演奏でした。ギターって良く知らないんですが、普通6弦ですよね? 何かの音に似ていると思ってたんですが、チェンバロだって今日思いつきました。特に高音のほうの弦を弾いたときのきらきらした音が。発音原理が似ているからかな。

 明日からは全開で通常稼動です(日本語変)。年賀式? 新年会? なんですかそれ。


■ 2004.1.1    初詣

 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしく。

 関西に居た頃は初詣の行き先に困るようなことはなかったんですが、こちらに来てからは選り取りみどりというわけにはいかず。何せ、どこに行ってもとにかく混んでいる! これ、ほんとに関西の比じゃないと思います。関西は神社仏閣が多いから人出がうまく分散されていると思う。ひるがえってここら辺は、めぼしいところが少ないんでしょうね。ちなみに我が家から行けるメジャーどころと言えば、寒川神社、鶴岡八幡宮、川崎大師といったところでしょうか。寒川さんと大師はおととし行った。その前の年にリタイヤした鶴岡八幡宮にリベンジしようかと思って今日行ってはみたものの、やっぱり境内入り口のところで恐ろしい人だかりに「無理!」と撤退しました(前と同じパターン)。

 で、最近…というかこのパターンのとき行くのが、鎌倉の銭洗弁財天です。今回で3回目なんですが、なんかあの雰囲気が好きなんですよね。何より、銭洗弁天に行くと、達成感のある初詣になります。どう達成感があるかというと、まず鎌倉駅から結構遠いので、新年早々かなりしっかりしたウォーキングができます。途中、急勾配もあってハイキング気分も味わえます。辿り着くまでも、要所要所にある標識を頼りに、入り組んだ住宅地を抜けて、ちょっとどきどきしながら歩きます。駅からまっすぐ行く道はわりとわかりやすいんですが、私の場合、いつも小町通り方面から転進するので、うねうねルートになります。年に1回程度しか行かない人間になかなか覚えられるルートじゃありません。細い、ほんとにこの道でいいのかと思うルートなんですが、誰かしらは目的地が同じっぽい人が歩いているので、さりげなくそういう人について行ったりします。山肌を刳り貫いたトンネルが出てきたら、ほぼ中間地点。そうそう、鎌倉と言えばトンネルの町ですね。私の勝手なイメージですけど。鎌倉幕府の切り通しの昔から、山にガツンガツン穴開けて、通行の便をはかってきた土地なんでしょうね。

 それはともかく、さらに歩いていくと、向かいから焼き芋をかじりながら歩いてくる参拝帰りらしい人に遭遇しはじめます。弁天さんへの道筋に必ず店をだしている焼芋屋さんがあるのです。これが見えてきたら、あとちょっと。ちなみにここの焼き芋、大きいのを1本単位でしか売ってくれないから、一人の場合、誰か一緒に食べる人を捕まえないといけない。何人かで行ったなら、1本買って、人数分に切り分けて貰うといいです。

 いかん、話逸れまくり。最後の心臓破りの坂を登っていくと、坂道の途中に山肌を削った隧道があって、燈篭が灯っていて宇賀福神社と銭洗弁財天の碑が立ってます。到着なり。狭くて暗い隧道を通り抜けると境内。この境内が何と言うか……むわっとしています。人いきれと線香の煙と。ただ混んでいるというだけじゃないオーラを感じます。

 見よう見真似で学習したここのお参りの仕方は、まず線香と蝋燭と笊の1セットをゲットします。鈴を鳴らして神社にお参りした後、お金を笊に入れて境内奥の洞窟のようなところに向かいます。この中に池というか泉というかがあるんですが、ここで笊のお金を洗います。これが銭洗弁天の由来ですね。洗うお金ですが、私は当然コインだと思ってましたが、皆お札とか平気で洗ってます。その後、蝋燭を点して線香をお供えして、その煙でお金を乾かします。ほんとは煙を浴びせるだけだと思うんですが、実際は皆お札をひらひら振ったりして、乾かしているようにしか見えない。いやこの光景、はじめて行ったときはカルチャーショックでした。新年早々、老若男女が線香の煙でお札を乾かしている光景を見るのはなかなかインパクトあります。でもこの現世利益っぷりが大好きだ。ここで洗って乾かしたお金を一年間財布に入れておくとご利益あるそうです。お作法おわり。…って、間違ってたらごめんなさい。というか、その場合、是非正しい方法を教えてください。

 御神籤引いて、厄除けお守りを買って帰りました。さらに坂を登ったところにある佐助稲荷も詣でていく人が結構いますが、そろそろ夕方になりかけだったのでパス。焼き芋はあまりお腹が空いてなかったのでこれも今年はパスしました。鎌倉駅のほうに出るまっすぐルートで帰還。以上、達成感のある初詣のススメでした。

 ……新年早々、何を書いてるんだ私は。






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