2004年3月の不定期日記 戻る 
不定期日記

■ 2004.3.30    所用あって

 金沢に行っておりました。実は今日この日まで小松空港がどこにあるかわかっていませんでした。なんとなく金沢より東のイメージだったんだけど。(どんなイメージ) そして、お土産にほたるいかの沖漬けを買ったら、富山産でした。まったく何をやっているのか。天気が悪くて飛行機めちゃ揺れました。まあ揺れはいいんですが、着陸ができずに旋回状態で待たされたのと、帰りのバスが事故による渋滞に遭って、大変な帰宅遅延。離陸は好きだけど着陸が怖い私は、寿命が縮む思いでした。

  <本日の指輪物語>
 『指輪物語 二つの塔・上2』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫)
 『指輪物語 二つの塔・下』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫)
 飛行機の中で読了。アラゴルン、二つ名が多すぎて、頭悪い私は大混乱です。いきなり登場人物が増えたのかとびくびくします。地名も山のように出てきて何がなんだか。もうキャパシティいっぱいなんじゃ。カタカナ名は弱いのよ。エオウィンは原作のほうが断然いいです! 映画の繊細で優しそうなエオウィンとは別人です。硬派体育会系のクールビューティー。原作エオウィンは全然繊細じゃないと思います。骨がらみの軍隊育ち。とてつもなく従順に躾られた猟犬のような感じ。相変わらす爺がいかした物語です。蛇の舌をオルサンクに追いやる木の髭ってば人が悪い。さらにガンダルフ、口が悪い。「トゥックの阿呆息子!」(笑) ピピンの呼び名はこれに決定です。下巻のサムとフロドの逃避行(?)は苦痛そのものでした。なにがってゴクリ/スメアゴルの存在が。サムとフロドが味わった疲労とうんざり感をそのまんま追体験。もう勘弁してえぇ…ってところで、颯爽とファラミア登場。上手いよ。しかし映画を見たあとで、下巻のファラミアの挿絵は衝撃的ですね。なんかめちゃくちゃ悪人に見えるんですが。ところでシルマリルとか出てきてそわそわしてるんですが、そっちも読めということですか。お、終わらないぞ。ほんとに。

 なんか、どんどん壊れた感想になってますね。すみません……


■ 2004.3.29    ありうべからざるもの

 今日買った苺が信じ難く不味くて驚愕。不味い苺なんてものの存在が許されていいのか?!

 ……あまりに衝撃的でつい。


■ 2004.3.28    絶好の

 花見日和。おかげで上野はすごい人出でした。ほぼ満開でしたね。早いなあ。

 最終日駆け込みでマルモッタン美術館展に行ってきましたが、実は私は印象派がそれほど熱烈に好きじゃないってことがわかりました。なんて感想だ。でも、例えば睡蓮シリーズなどの青や緑系の淡い色しか使ってない絵ばかり展示室内に並んでいると、なんだか締まりがなくて、ぽやーんとした印象なのです。あ、でも印象派だから、昼下がりのぽやーんとした感じを表現してるってことで、それでいいのか。でも私にはどうも締まらない感じで、好きは好きなんだけど、そう何枚も連続で見たいと思う絵ではないです。反動でゴヤとかルーベンスとかのくらーい絵を見たくなります。

 というわけで、芋洗いの都美術館を速攻逃げ出して、国立博物館の夢違観音公開展へ。法隆寺宝物殿はがらがらで、大変気持ち良く過ごせました。あの極端に照明を落とした館内の状態は嫌いじゃないですが、ずっといると目がおかしくなりますね。実ははじめて入ったんですが、伎楽面がたくさんあって楽しかったです。お面を見るのって、肖像画を見るのに近い面白さがあります。強面の酔胡王よりも、アルカイックスマイルの太孤児が怖かったりします。あと、小さな麻耶夫人像が、端正で美しかったです。夢違観音は思ったより小さな像でした。等身大より大きな仏像より、あれくらいの小さな像のほうが、なんだか親しみ湧きます。なんだか、可愛かったです。あ、いかんな。このままでは見仏記の境地に入ってしまう。

 『指輪物語 二つの塔・上1』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫)読了。
 途中まで読んでしばらく放っていたら、それまでの話をすっかり忘れていて、結局最初から読み直しました(阿呆)。エントの決起に心震えました! ガンダルフがバージョンアップして帰ってきました! 第一部より加速度的に面白くなってきています。次はいよいよ血沸き肉躍るローハンだ!


■ 2004.3.27    金の海

 映画『ぼくは怖くない』を観てきました。
 あの金色の麦の海とターコイズブルーの空の映像だけでも価値のある映画だと思います。音楽もすごく良い。弦楽器主体のちょっとノスタルジックで乾いた音色が、さらさらと麦の穂が風になびく風景と良く合います。イタリア版スタンド・バイ・ミーとのふれこみですが、展開はまさにそのとおり。違うのは、貧しい南イタリアの社会背景が生々しく垣間見えること。美しい麦畑と、村人全員が犯罪に荷担しているような南イタリアの農村。カラビニエーリ(憲兵隊)のヘリに歓声をあげて手を振る子供たちも、それをうすうす肌で感じ取っている。穴のなかに隠された子供のことを知っている主人公のミケーレや、それを告げ口したサルバトーレは勿論、大人たちがいなくなった村で「このときを待っていた」と言う、見るからに大人不信のガキ大将格テスキオも、実は知っていたんじゃないかと思う。知らず知らずのうちにミケーレと一緒になって、ショックも困惑も、自分ひとりではどうにもできない無力感をも味わったのは、徹底的に子供の視点で写した映像のためだと思います。穴蔵から引っ張り出した金髪の少年を背負って麦畑の中を歩くミケーレが、「きみには見えないかもしれないけど、目の前には海が広がっている」と言うワンシーン。素晴らしいのひとことです。

 ところで、まったくどうでもいい話ですが、この映画のなかのテスキオは、ドラコ・マルフォイとかぶって見えて仕方ありませんでした。そして、音楽のエツィオ・ボッソはコントラバス奏者らしい! 素敵! ……せっかくの感動のあとで、どーしてこういうしょうもない感想書くかな私。


■ 2004.3.25    波は波でも

 ハワイじゃなくて逗子あたり。という印象。

 『波の上の魔術師』石田衣良(文春文庫) 読了。
 面白かったし、大学以来ご無沙汰だった証券取引の用語やら何やらが思いもよらず引きずり出されて、それも新鮮でした。でも言わせてもらえば、風説の流布による株価操作で利益を上げることにあるのは犯罪としてのスリルであって、相場を張るスリルそのものは半減以下じゃないですか。それで冷めちゃった部分が大。あ、これネタバレになるかしらん。つーか、そもそも話の起爆剤になる、融資つき変額保険とやらにハマる人が理解できないし、共感もできないから、こんなに冷めた感想になるんだろうな。濡れ手に粟な取引なんて、取引である限り、存在するわけがないと思うんですよ。期待したより小粒な感じ。


■ 2004.3.21    マグだらけ

 タンブラーグラスを買わなきゃいけないのに、またマグを買ってしまいました。Tully's Coffeeのアイスブルーのマグ。あの色合いが好きで、そんな色の食器ばかり揃ってしまう。薄めの青磁を思わせる、ちょっとくすんだブルーです。青、というと何だかイメージ違うんだな。服には滅多に買わない色ですが。膨張するから。

 水出しできる烏龍茶パックを買ってきました。冷茶にバリエーションが欲しくなったので。水出しなら2袋、煮出しなら1袋。急須で普通にホットにもできる。便利。

 『ハードボイルド・エッグ』荻原浩(双葉文庫) 読了。
 タイトルからして、ハードボイルド小説を洒落のめしたパロディミステリ。チャンドラーはじめ、著名なハードボイルドネタ満載らしいですが、私は『深夜プラス1』くらいしかわかりませんでした。でも、わからなくても全くノー・プロブレムです。コミカルでシニカル。


■ 2004.3.20    雨の寒い日

 は実は映画や美術館日和です。空いているから。

 『女王フアナ』を観てきました。ストーリーがどうとか内容がどうとか言う以前に、私はどうもコスプレ映画が好きなんですな。それにしても、スペインの女優さんてほんとに可憐ですね。ペネロペ・クルスといい、このピラール・ロペス・デ・アジャラといい。まあ私が、ラテン系黒髪美人が好きだってだけの話ですが。最終の上映に行ったら、映画館で氷結バレンシアオレンジを貰いました。軽いお酒をちびちび飲みながら映画って、いいですね。

 ついでにチェックしてきた映画備忘録。
 『ぼくは怖くない』>テアトルタイムズスクエア。3月。アイタナ・サンチェス=ギヨン!
 『列車に乗った男』>Bunkamura。4月。
 『真珠の耳飾の少女』>シネスイッチ銀座。4月。コリン・ファース!
 『ベジャール、バレエ、リュミエール』>恵比寿ガーデンシネマ。今夏。

 #今知ったんですが、長さんが! 長さんが……! 合掌。
 #もうあのババンババンバンバンは聞けないのですね。さみしい。


■ 2004.3.18    史上最悪の

 ちゃんぽん。ビールとワインと日本酒と泡盛のカクテル。これだから大勢の飲み会は。次々違う種類の酒が回ってくるのがいけないです。本当に飲兵衛ばかりの飲み会に行くとこういうことはまずないんですが。というのも、飲兵衛は人に無闇に酒を回したりしないから。人に回すくらいなら、自分が飲むから。翌日まで残ったのは、やはり一杯しか飲んでいない赤ワインでした。赤ワインは鬼門です。


■ 2004.3.17    いろいろ崩壊

 家のPC(ノート)のMのキーが外れました。ひょえー! 適当に嵌め込んだら嵌りましたけど。OのキーやCtrlキーなども反応悪いし、CDドライブはまた認識できなくなったし、そろそろ買い替え時でしょうか。丸四年は使ってるのかな。Vaioのくせに頑丈なヤツだった。机やベッドからは数知れず落としたし、水やらお茶やらよく浴びせているのに。次はどうしよう。Macにしてみたい気もするけど、Linuxも軽そうでいいな。


■ 2004.3.16    油断

 してたら、Netscape4.7でえらい面白いことになってました。サイトのあちこちが。というわけで、ちょこちょこ修正。CSSは使いようですね。そんなに使ってないはずなんだが。私の場合、メイン環境がWinのIE6なもんで、それ以外の環境でどう見えているか正直不安。Macなんて大丈夫だろうか。画像があるだけに、情報が落ちてやしないかしら。(画像がジャマして見えないとか) 会社にはWin環境とは言え、NN6に7にOperaまで入ってるんですが、家のPCにここまでの環境は揃えられんです。Netscape4はもっともCSSを解釈してくれないブラウザだと思うので、これで落ちてなきゃ大丈夫だと思いますが、変なところがあったらマジでご連絡ください。どんな面白いことになっているか、画面のハードコピー取って欲しいくらいです。


■ 2004.3.14    微妙な

 体調。先週後半からの風邪が治ったようなそうでないような感じなので、大人しくしておりました。

 妹からマルモッタン美術館展のチケットゲット。来週行ってこよう。関係ないですが、今日は間違い電話が多かったです。鳴った電話は大方無視こいてたんですが、あまりにうるさいので出たら、間違いだった。そういうのが3件。

 冷蔵庫の整理をして、いろいろ捨てました。しばらくメンテナンスしないと、これだから。使えそうな材料から自動的に、肉じゃがじゃなくてベーコンじゃが。じゃがいも三つ使って、その日のうちに食い切るってのは、どうしたもんでしょうね。でも御飯炊くのが面倒でお芋が主食だから、これでいいのさと自分に言いきかせ。貰い物のCoorsプレミアムビールを消費しつつ、ふと成分表示を見ると、麦芽・ホップ・米、とある。米? ビールって米使うの? なんか変わった味だとは思ってたけど。

 マキアヴェリの『君主論』をごろごろと読み読み、日本の政治家に読ませてやりたいと思います。こういうのを読んで育ってきた人間を相手にするってのに、日本の外交はぬるいよね。でも日本は官僚国家で、官僚が外交するから、仕方ないのか。官僚個人にとって、『国益』なんてどうにも跳ね返ってこないわけだし。官僚も出来高制の年棒制とかにすればいいのかな。でも出来高って、何で評価すればいいんだろう。難しいですね。

 そんなこんなで読み終わりました。『君主論』マキァヴェリ/池田廉 訳(中公文庫)


■ 2004.3.12    死と再生

 『赤目四十八瀧心中未遂』を観てきました。
 これは凄い映画です。声も出ないくらい、心の底から震えがくるような映画を観たのは、はじめてかもしれません。圧倒的。


■ 2004.3.11    溜まりに溜まった

 代休消化月間です。月・火と出張で水曜出勤して木・金休み。こんなに会社行かなくていいんでしょうか。でも代休だけでもあと1週間は余裕で休めるんだけど。

 円山応挙展に行ってきました。江戸東京博物館。いつ来てもでかい建物です。そして、遠い。両国ってどうしてこうアクセス悪いんだろうか。しかも、平日なのにどうしてこんなに人が多いの? どうもツアーのコースに組まれているようです。平日に来て芋洗いを見るなんて! うきぃ!

 応挙はやっぱり画よりも襖絵が冴えてると思いました。入ってすぐの『群鶴図』は金泥に顔料使って、羽毛の筋一本一本まで描き込んだ、偏執的なほどの細密さ。かと思えば『雨竹風竹図』や『雪梅図』のように刷毛で大胆に墨一色で描いたものまで、この人ってば凄いとしか言いようがないです。構図が冴えているのは、大体シンプルな墨絵のほう。雨の粒なんかひとつも描いてないのに、竹は雨に濡れてたわんでいるのがわかる。襖から襖に枝を捻りながら延ばす梅は白く巧妙に抜いたところが積もった雪に見えるようになっている。枝の上から積もった雪を白く塗るんじゃないあたりが凄すぎる。そして、左から右へ伸びる枝の最後には、見逃しそうに小さく、ちょこんと鶯(だよね?)がとまってたりする。このワザ師。どうやったらこんな凄い構図が描けるんだ。特に墨絵なんてやり直しの効かない一発描きなのに。あと、スケッチ集が楽しいです。北斎もそうだけど、上手い人のスケッチ集って、見ててほんと飽きないし面白いです。

 『子供より古書が大事と思いたい』鹿島茂(文春文庫) 読了。(3/8)
 鹿島さんを北杜夫に次ぐ借金王として認定します。(巽堂的ランキング) 所有している本自体より、所有するまでの過程に情熱を燃やすというのは、他人事じゃないですね。でも私の場合、ケタが6桁に突入…いや多分、一ヶ月の家賃を超えた時点で、我に返ると思います。貧乏性……

 『神様がくれた指』佐藤多佳子(新潮社) 読了。(3/11)
 ジェットコースター級に面白かったです! ストーリーテリングの上手い日本の作家は貴重です。プロットだけとか、語り口だけという人は結構いるけど(別に必ずしもそれが悪いわけじゃないと思いますが)、両方ってなかなかいないと思う。


■ 2004.3.7    咽喉が痛い

 先週ずっと職場のイベントで喋りっぱなしだったし、シメにその金曜に飲み過ぎて咽喉が痛いのかと思っていたら、どうやら風邪みたいです……と、土曜一日治らなかったもので気づきました。この期におよんで! なんでだよ自分! 気づくの遅いし! 自分で自分につっこみどころ満載。

 あと、金曜にイベントの撤収作業をしていたら妙に眼が痛くて、ついに花粉症発症か! と焦っていたら、これもただの埃アレルギーでした。だって会場の外に出たらすぐに治った。いろいろ紛らわしい症状が出ていて、いまいち自分の体調がつかめていません。来週月・火と出張なので、今日は薬飲んで大人しくしてます。ああ、円山応挙展も『赤目四十八瀧心中未遂』もマルモッタン美術館展も行きたいのに。そう言えば『月曜日に乾杯』は観に行けなかった。気づいたら先月とっくに終わってた。ががーん。

 ブランチに、昨日デパ地下で買った水餃子。美味しかった。海鮮とほうれん草。海老がぷりぷりです。売ってた中国人のおいちゃんのトークに釣られて買ってしまったのですが、うん、これはリピーターになるよ。でも一個50円からなので、やっぱり高いのよね。前に中国人の友達に教えてもらった、中国からの直輸入食材のお店で買ったときには、冷凍の大袋で300円くらいだったし。

 昨日はひさびさに本以外の買い物をしました。でも、いきなり靴二足はやりすぎだろうよ。いや、ほんとに今履いてるのがぼろぼろでやばかったのは確かなんですが。私の場合、一足買うと徹底的に履き潰すので、新しいのを買いに行くと、自分が履いてるののボロさ加減に愕然とします。甲高幅広なもんで、なかなか合う靴がないから、いいのを見つけるとまとめ買いする傾向があります。今はingとClarksとBarclayを行ったり来たりしてます。

 すでに何箇所かで叫んでますが、昨日、指輪映画『王の帰還』を観てきました。素晴らしかった! 3.5時間、かぶりつき。夕方からの回に行ったら、もう比較的空いてて、ゆったり観られました。原作予習は今回も間に合わず。でも十分楽しめました。原作読んでから行ったら、もっと楽しめたんでしょうけど。以下、少々ネタバレ気味の感想。

 サム! まずはサムに尽きます。最高に格好よいです。いい男です。男前です。ああいう、最後まで普通の感覚で動ける人が、結局一番強いんですね。ガンダルフ、ひょっとして結構大雑把ですか? デネソールの最期はあれ、どうかと思いましたが。結構行き当たりばったりですか。いや、そういうとこも好きです。つーか最前線に出すぎです。戦いすぎ! 強すぎ! じーちゃん最高だ! 私はガンダルフファンだと再認識しました。ミナス・ティリスの城砦はラピュタ風でした。最上層なんか、ヘリとか発着しそうな。あの中を移動するには原チャリが必要です。あ、だから皆馬に乗るんですね。白い白い城壁が悲愴感と絶望感をよく現してます。群集の映し方が巧い。微動だにせず目を伏せたカップルとか、赤ん坊を抱きしめる女性とかの一瞬のショットがもう堪らないです。出陣する兵に花を投げる習慣って、本当にあるんでしょうか? 普通、帰ってきたときならありそうですよね。ああもうこの悲愴感。デネソールとファラミアの確執は、たったあれだけの描写で根深いところまで想像(妄想?)できるのがすごいです。病み疲れたゴンドール。内からも外からも破滅の足音をひしひしと感じながらも、どうすることもできない絶望感。ファラミアの役者さんは、そういえば『ダスト』に出ていた人ですね。一言も発しなくても、もの問いたげな孤独感の漂う、雰囲気ある役者さんです。素敵だ。これからもっと活躍するといいな。狼煙リレーのロングショットが素晴らしい。呼応する、ということが、それが遠ければ遠いほど感動的なのは、たとえすぐ側にいる人とでも疎通するのは本当に難しいことを知っているからだ。ピピンの歌とそれに重なる出陣のシーンが物悲しい。エオウィンの白い肌が痛々しい。アラゴルン、最後にしてちょっと影薄くなってしまいましたね。そういえば亡霊って西洋ではどうして半透明緑色で表現するんだろう。ホーンテットマンションとかパイレーツ・オブ・カリビアンとか連想したの、私だけじゃないよね。そして、ガラドリエル様(何故突然「様」づけ)が全編通じて一番怖かったのも私だけじゃないですよね。歳経りたモノは怖いのです。あの三日月の目の笑顔で手を差し出されたら。モルドールに行くより怖いって。フロドが正気にも返ろうってものです。とにかく皆お疲れ! 良かった! また会いたいね! 私はこれからまたせっせと原作読みます。(あちこち浮気しすぎで『二つの塔』からぜーんぜん進んでないのです) 読み終わったら、また観に行きたいな。

 長……。また今度別ページにまとめよう。

 そう言えば、予告編でヴィゴさん主演の新作(題名忘れてしまいました。横文字の題名は覚えられん)をやってましたが、あれも面白そうだなあ。ルブアルハリ踏破? そんなことより、馬が最高に格好良くて可愛かった! 指輪映画でも戦闘シーンでは人物より馬ばかり観てた感がありましたが。『シービスケット』も観に行きたいな。身体3つくらい欲しいです。

 『小川未明童話集』 小川未明(新潮文庫) 読了。(3/6)


■ 2004.3.3    雛祭り

 ではありませんか。皆さんお雛様飾りましたか? ちゃんと片付けないと駄目ですよ。我が家では、よく4月過ぎまで放置されてましたが。(あまりに立派な雛段すぎて、一度組み立てると片付けるのが面倒になるんです)

 今日は一日立ちっぱなしで疲れました。名刺もらってパンフ配ってアンケートもらいまくってました。なんだか最近、何の職種だかわからなくなってきたな……

 ポーの『詩と詩論』(創元推理文庫)は、7割がた読んで、座礁の気配。前半の詩は飛ばし読み。メインの『構成の原理』と『詩の原理』はむちゃくちゃ面白かった。

 ぼくはときどき思うのだが、どんな作家でもいい、自分の作品のうちどれか一つが完成するまでに辿った過程を逐一詳述する気になれば(というのは、それができれば)、大変に興味深い雑誌論文が書かれるはずである。(『構成の原理』)

 それをまさにやっちゃったのが『構成の原理』でした。しかも『大鴉』で。この詩を発表して人々の感涙を搾り取った翌年に。いけずな男ですね。で、『ユリイカ――散文詩』で座礁。こりゃーたまらん。科学ネタの詩はヘンにSFちっくでちょっと萎えます。






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