2006年7月の不定期日記 戻る 
不定期日記


■ 2006.7.31   注意力散漫

 おざぶを新調しようと本日無印で買い込んで、ものの見事に電車の網棚に忘れてきました。そして家に帰ったら蛍光灯が点けっぱなしだった。あーあー。明日、遺失物係に行ってこなきゃ。ここの遺失物係には本当、お世話になってまして(何て奴だ)、定期を落としては無事確保していただくこと度々。最近定期はやってないけど、今度は座布団かよって感じですね。それにしてもよく考えたら盗られるような物を落とした試しがないな……。

 週末にかけて某様宅に遊びに参りました。手土産なしの図々しい客がもう飲みすぎ、食いすぎです。でも本当に楽しく、お酒もお料理もおいしうございました。年季の入ったお手製梅酒はまさに絶品でございました。料理の腕前は是非爪の垢を…! 本当にありがとうございました〜 お土産までいただいてしまってシーソー沈めっぱなしです。早く宿題と今回いただいた夏休みの課題を仕上げられる腕が欲しいです。(いや、どっちかというと根性の問題か……?)

 次回定演の曲目が決定。『泉』はまあ挙がっていたからわかるとして、『舞踏への招待』は一体どこから出てきたんだ? そしてやっぱり曲が思い出せない私。でもって新人さんが無事入団しました。わーいわーい。ちょうど4曲だから、一人1曲ずつトップ吹けばいいんじゃん。すっごい気が楽だ。嬉しい。

 『笑う大英帝国』 富山太佳夫(岩波新書)
 王様、政治家、御主人様と執事を扱った一章から三章が特に秀逸。あとの章はちょっと惰性気味。特に執事ネタには大爆笑。これ読んだら執事喫茶とか絶対行けないな。(ある意味マゾな楽しみ方はできるかもしれないが…) 前に挙げた王様、政治家、御主人様はいずれも英国流ユーモアの格好の餌食な人々なわけですが、個人的にはここに「英国紳士」っていう人種を加えてほしいところ。ジェローム=ジェロームの『ボートの三人男』なんかこのジャンルの傑作だと思いますよ。とりあえずウッドハウスのジーヴズ・シリーズとモンティ・パイソンは是非ともチェックしなければ!

 梅雨明けしたら涼しくなって嬉しい。昨日今日だけかな。


■ 2006.7.28   今やりたいこと

 いい加減年貢の納め時な宿題2件を片付ける。

 いい加減溜めすぎなメールを片付ける。

 延滞料金に換算するとボーナスが吹っ飛びそうな人様からの借りものを返却する。

 開店休業がデフォルトになりつつあるサイトをどうにかする。

 ついでに夜逃げするかどうかさっさと決断する。

 海賊映画を観に行く。

 若冲展を観に行く。

 ついでに三の丸尚蔵館にも行く。

 歯医者と眼科に行く。

 布団をクリーニングに出す。

 掃除機を買い換える。

 小浜に行く。

 東京たてもの園に行く。

 ……なんか自分があと4人くらいいないと無理だって気がしてきた。

 『壁の上の最後のダンス』 ロバート・ダーントン/和泉雅人・樋渡敦子・滝田佳奈子 訳(河出書房新社)
 プリンストン大学ヨーロッパ史の教授によるベルリンの壁崩壊実況レポート。いやすごいなーこの人。これだけ書くためには、あの混乱の中を相当にうろちょろしなきゃいけなかっただろう。壁崩壊後のブランデンブルグ門での年越し大騒ぎ(大群衆が壁に登って爆竹、花火、シャンパンの大盤振る舞い。これが表題にもなっている壁の上のダンス)にもきっちり参加して、レポート書いてくれてるんだから脱帽です。体験記としては面白かったけど、壁ができた歴史的経緯がいまいちわかっていないのでやや消化不良気味。

 それにしても読むのに時間がかかった。内容の問題じゃなくて読む私のほうの問題。ちょっと忙しすぎて活字が入る余地がなかった。図書館で借りたものの2週間貸出延長し、明日が返却期限というので泡食って昨日今日でスパートかけたのでした。他にエンデとナボコフも借りてたけど、これは読めずに返す羽目に。あーあ。


■ 2006.7.24   ちょこっと浮上

 月一の苦行と夏風邪と人手不足の皺寄せで本気で溺れ死にしかけましたが、ようやくちょこっと復活。

 やっとこさ光開通。(7/24)
 いやー速いね。早速Windows Updateの嵐。

 練習に行ってきた。(7/23)
 『ローマの泉』はうちのパートは割になんてことない譜面だったけど、弦と他の木管はげろげろに難しそうだ。それはいいとして、この『ピーターと狼』の譜面は何? お遊びでやる? お遊びにならんっちゅうに。(とってもイヤな低音のソロがある…) 反面吉報もあり。パートに新しい人がやってきました。大学出たての新社会人くん。若いー。しかもちょっと前まで大学オケで吹いてただけにパワーも技術もバリバリ。いやーよかった。おばさん安心して2ndに専念できるよ。もともと私、2ndのほうが好きなんだよね。

 ベルリオーズの劇的交響曲『ロメオとジュリエット』を聴いてきました。(7/21)
 東京フィル&大野和士&東京オペラシンガーズ、サントリーホール。いやはや。死ぬほど難しく、かつ高コストな曲だってことがよーくわかりました。もう感想はこれに尽きる。冒頭からヴィオラにあんな高音、あんな速いパッセージを持ってくるところからしてもうチャレンジャブル。これを演奏会でやろうっていうのはかなりアグレッシブな選曲です。さすが大野さん。編成もベルリオーズですから、採算度外視な大編成。だいたいパーカッションが8人て。ティンパニもシンバルもタンバリンも2セットずつってアホですか(笑) ファゴットも4本、ヴィオラ、コントラバスが5プルト、ヴァイオリンは7プルトかな。これにプラス混声4部合唱、プラス、アルト、テナー、バリトンのソリスト。まったくバブリーな。これだけのリソースを用意した上、聴いているほうが手に汗を握るようなスリリングなパッセージのオンパレードのわりに、前半の曲想は地味めというのがまた贅沢です。このフル編成が出力100%を出すのはやっと終曲のみ。これはもう、大通俗と言われようと何だろうと無条件に気持ちいいですね。合唱が素晴らしかったです。えーと、オケの皆様は本当にお疲れ様でした(笑)


■ 2006.7.18   半死半生

 ですが一応生きてます。

 毎年この気候が続くんじゃ本気で亡命を考えなきゃいけないな。きらきら星あたりがいいな。女王様健在のナルニアでも可。

 暑さとその他もろもろにかまけてしばらく練習をさぼっていたら、選曲に何やら不穏が動きが。『ローマの泉』て! とか言いつつ咄嗟に曲が思い出せないけど、レスピーギにはトラウマがある。大学のときブラスで『ローマの松』をやって死に掛けた美しい思い出が走馬灯のように甦ってきました。ありゃーひどかった。一曲まるまるテノール記号ってだけでも嫌なのに五線から音符の玉がほぼ全部飛び出ているような(ヴィオラの方ならこの苦しみ、わかっていただけると思う)一楽章の超高音で心身ともにボロボロにされた後、二楽章の低音のソロのピッチで痛め付けられ、三楽章が暇なのは実は罠でこの間に酷使したリードは乾き切り、そうこうするうちに四楽章には数え落ちると絶対に復活できない鬼門中の鬼門なソロが待ち受けている。まあそれさえ終わればあとは消化試合なんですけど(酷)、そこに至るまでの試練でお腹一杯です。あんなもん、初心者からはじめて2年目のへなちょこに吹かせるなよなー。

 しかし、四楽章はプチボレロと言っていいような曲で、実際ファゴットの直前に入るコールアングレのソロは私、録音以外で完璧に成功したのを聞いたことがありません。笑えるのが大学のブラスの演奏会でやったときに、ちょうど本番近くの時期にN響アワーでやるというので「皆、勉強のために聴くようにー」と指揮者からお達しが出たんですが、何とその天下のN響様のコールアングレ氏が全国放送でとちったのだ! そして実際我々の演奏会のときのアングレの先輩も本番でとちったのでした(リハはOKだったのに)。鬼門は伝染るんです。


■ 2006.7.16   薬膳

Before. After.
   

 精神的どころか肉体的にも夏バテ状態でした……。

 ということで、私が知っている唯一の薬膳。冬瓜を鶏の出汁スープで長葱と生姜と一緒に煮ただけです。冬瓜は思い切り良く丸一個投入。鶏の出汁は以前ささ身を茹でたときの茹で汁を冷凍していたのが役に立ちました。味付けは塩だけ。とりあえず出来立てを汗だくになりながら味見がてら食し、残りは冷やして食べようと思います。


■ 2006.7.13   ばてばて

 もうすっかり精神的夏バテ状態ですみません。

 ここで愚痴でも垂れて憂さを晴らしたいのは山々なんだが、どうも最近ここは広範囲に足がつきかかっているのが考えもの。夜逃げを考えたくなるのはこういうときだ。

 あー眼科と皮膚科と歯の定期検診に行きたいけど暇がなし。いつもながら行かなきゃいけないときには一気にツケが溜まってるな。


■ 2006.7.8   消耗

 他人の後始末はもううんざりー。

 根っから楽天的で社交的な人は苦手だ。無邪気で、ときに猛烈に無神経だ。自分が楽しいことは、相手も楽しいだろうと、何の疑問もなく思っている。「大丈夫、何とかなるって」と言って、最悪のシナリオなんか考えたこともない。「大丈夫、何とかなるって」と言いながら、常に最悪のシナリオを想定しておくのが私のやり方だ。こういうタイプは果てしなく疲れる。

 『百關謳カ月を踏む』 久世光彦(朝日新聞社)(7/6)
 久世光彦が書くとこれまで妙に乾燥した印象だった百閧ェぬるりと不気味なエロ親父になるんだけど、よく考えたら百閧フ作風ってぬるりと不気味なんだった。ダウナーなときにはこの妖気が堪らなくいいな。妖怪百鬼夜行の中で果林がむちゃくちゃいいキャラ。


■ 2006.7.5   夏に

 仕事なんかするのやめようぜ。

 何だか妙に立て込んできて縮退運転気味。四連荘で外出・外出・会食(この言葉には無闇に政治的な匂いがしますね。実際そうなんですけど)・練習なんていう予定にはもう耐えられん。しかも前の三つはここ一週間ほどで入ってきた横槍だ。

 『陽気な黙示録』 佐藤亜紀(四谷ラウンド)(7/3)
 これも昔読んだような感触がうっすらと甦ってきたけど、面白いからついつい最後まで通読。『戦争の法』でも思ったけど、新潟三区っていうのはそんなに異界なんだろうか。新潟は数少ない、一度も踏んだことのない土地(電車や車で通ったことさえもない)なので、いっぺん行ってみたいな。


■ 2006.7.2   暑い…

 一日中無気力にごろごろするのに、これ以上説得力のある理由はないっすね。

 『木のぼり男爵』 イタロ・カルヴィーノ/米川良夫 訳(白水Uブックス)(7/1)
 カルヴィーノの小説には、ジャグジーの泡のような笑いで身体の節々がほぐれていくような楽しさがあります。そして、『不在の騎士』のときにもそうだったけど、エンディングの一段落ほどで、それまで観ていた劇場の四方の壁が溶け落ちて、舞台美術に描かれていた風景がそのまま360度のパノラマに広がるような、胸のすく広がりを見せます。素晴らしい名文(名口上と言ったほうがしっくりくるかな)なので引用したいのは山々だけど、この感動は最初から最後まで読んでこそだし、これは最後まで読み進めてきた読者へのご褒美だと思うので、やめときます。いけずと思った人、是非実際に本書を読んでみてください。

 『検察側の論告』 佐藤亜紀(四谷ラウンド)(7/2)
 紹介されてる本は面白そうだし相変わらず佐藤亜紀のコメントはいかしてるしで楽しいんだけど、ちょっと誤字脱字が多すぎる。半分は作者、残りの半分は編集者の責任でしょうな。しかし無意識にこういう粗にセンサーが働いてしまうのはほとんど職業病。因業な商売だ。






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