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不定期日記


■ 2006.9.30   ようやく

 この歳になってというべきか、生活態度が大分改善されました。どういうことかというと、休日は一応午前中には起き出してまず洗濯を済ませ、天気が良ければ布団も干し、大雑把とは言え掃除をし、買い物に行って生鮮食品を仕入れてできるだけ下処理などし、ただ何となく家でごろごろしていたいというだけでさぼることなく練習に出席するようになりました。こう書くと超基本事項ばかりで恥。しかしこれが今まで出来なかったんだから、少しは人間らしくなったと言うべきでしょう。めでたいことなんだろうな。

 一番大きな理由は、最近外食や出来合いのお惣菜などが続くと覿面に体調を崩すようになったからです。あ、逆か。味と出来はともかく、土日などに自分で作った食事だけで済ませていると、あからさまに体調がいいことに気づいた、と言いますか。で、なるべく土日くらいは外食を絶ち、平日も毎日お弁当は無理でも、家に余っているおかずなど一品でも二品でも適当なタッパーに詰めて持っていくようにし始め、そうしていると家での作業が多くなるわけで、だんだん作業環境が気になってくる。眼科でドライアイと一緒にハウスダストのアレルギーを指摘されたり(まあ前からあったんですけど、最近ひどくなったとは思っていた)ということもあり、最初はしんどいなあと思いつつ、ぼちぼち環境改善に取り組んでいるうちに、だんだん身体が慣れてきたという感じです。

 自分で言うのもなんですが、この私が休日9時頃に自発的に起き出すようになるとは想像もつきませんでしたよ。不精と不摂生もそれなりに抵抗力と体力があってこそなんだなあ…と年寄りな感想を抱きつつ。

 それでですね、お気づきの方も多いと思いますが、ここに垂れ流していた愚レシピ関連の話題は今後は暴走列車のほうに垂れることにしました。あれは自分用のメモでしかないので(そもそも大雑把すぎて分量も何も書いてない)、検索しやすいほうが使い勝手がよいということで。まあここでも相変わらず食べ物の話は垂れ流すかとは思いますが、覚え書き的なものはあちらに。


■ 2006.9.29   現実に

 追い着けない日記って。

 週の中日にぽっかり仕事が切りのいい状態になったので、定時早々に出て懸案の靴の修理に。BARCLAYの黒のローファーなんですが、私の難しい足にとってこれまでで最も快適な履き心地のヤツです。未練がましくいろいろ他所見したけど、結局のところここかCLARKSが一番足に合うようだ。色違いで辛子色を持っていたのですが、大雨に降られたときの染みが派手についてあまりにもみっともないので泣く泣く処分。唯一残った大事な黒もいい加減踵が磨り減って皮が剥け、台地が見えている状態でした。実は靴の修理初体験。何せ足に合う靴が見つかったら最後、半端なく履き潰すので手の施しようがないのが通例なんだが、さすがはBARCLAY、皮には目立った損傷がないので、これは修理あるのみというわけです。両方の踵を綺麗に貼り替えて貰って1500円。踵周りの少々剥けていた皮も直してくれたのはサービスだった模様。これで後数年はいけそうだ。靴様&修理職人様万歳。

 靴の修理を待っている間に珍しくアポイントラッシュ。今週来週にいきなり2件飲み会が入る。うち1件が翌日の品川集合。前職の先輩と同僚に超久々に会いました。皆見事なまでに変わってない。私と先輩が少々酒量と食う量が減ったくらいですか。全く遠慮も気兼ねもない面子で心底楽しかった。芋焼酎の天使の誘惑が久々に飲めたのも嬉しかった。これ一本うちに欲しいな。そういや外でまともに飲んだのしばらく振りだ。最近外でも家でも食事のときに一杯飲む程度だったからな。

 消化試合な気分で今日仕事に行ったら、真昼間に母から珍しくメール。来週泊りがけでTDSでバイトしている妹その2を視察がてら豪勢に食事はどうかとの誘い。視察にはもう何も言うべきことはないのだが(人間やはりある年齢からは本質的には全く変わらなくなるものらしい)、これ内実は趣味と実益を兼ねた実家の内政会議に他ならないので、まあ出ざるを得ないだろうな。三連休が……(しかもよりによって中日…)


■ 2006.9.25   自分の日記が

 周回遅れになりつつある。

 土曜日の練習の日に初めてソリストがやってきた。私はコンチェルトは乗らないので思う存分聴くほうに専念できました。やっぱりプロは音が違うなあ。テンポはかなりゆっくりめにやったけど、こういうのも全部の音が綺麗に鳴って聴こえていいなあ。全般的にクラシック曲(とくにコンチェルトなどの独奏曲)のテンポは昔に比べて無茶苦茶速くなっているそうですね。チャイコンなんか、確か当初献呈しようとしていた当代一の演奏家に「演奏不能(=難しくて弾けない)」という理由で駄目出しされてるはずだし。いいなあ。私も「このパートは演奏不能」とか言って作曲家に駄目出ししてみたい。

 『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』 安部司(東洋経済新報社)(9/21)
 人に薦められて読んでみました。著者が元食品添加物会社のトップセールスマンだけに現場の話にリアリティはありますし、それでいて「だから××は危ない」式に脅かす一方で解決策のない論調ではなく、食品添加物の利害の表裏を比較的公正に書いた本で(まあ結局のところ、やっぱり食品添加物には否定的な立場から書かれてますが)、とても説得力があってわかりやすいと思います。しかし。

 正直言って私にはあまり目新しい話はない。食品業界の現場の話と、添加物の種類の割合細かい話のところくらいですか。あまり真面目に家事の手伝いをせず、小中高の家庭科はやっつけで凌いだ私でも、この本が提案する食品の選び方はどこかで聞かされた話ばかりだ。ていうか皆、食品買うときに裏のラベル見ないんですか。某大手ハンバーガーチェーンのハンバーグが牛肉以外のナントカでできているという風評が絶えない事実を考えるまでもなく、肉類の加工食品が添加物の塊で、カップラーメンの汁に天然の材料なんかほとんど使われていないことなんか周知のことだと思ってました。小中学校の家庭科の教材には打ってつけの本だと思いますが、これが図書館で予約500人待ちとは。そりゃ食品会社も添加物使って手を抜きたくなるわけですな。

 まあ著者も言うように、今の時代、添加物ゼロで生活するのは無理ですし、大体アミノ酸調味料をはじめとする白い粉が大量に食品に投入されるのが気持ち悪いって言ったって、昔ながらの製法で作った食品の旨味成分だって、成分にまで還元したら何とかグルタミン酸だとか何とかアミノ酸だとかの化学物質なわけです。食品添加物そのものの害よりもむしろ、添加物を使って原材料の質の悪さが糊塗されることのほうが問題な気がする。「騙されるな」と口を酸っぱく言う著者も、どちらかというとそちらのスタンスなように私には読めましたが。


■ 2006.9.22   女子高生に時事問題を教わる

 眠気と食い気に完敗している今日この頃。

 昨日帰りの電車に乗ってたら隣に座っていた女子高生二人の話が聞こえてきて、自民党総裁が安倍さんになったことを知りました。この二人の会話がもう傑作。

「結局安倍さんになったよね。よかった〜」
「えー、私麻生さんがよかった」(どうやら一人は安倍派でもう一人は麻生派)
「ねえねえ知ってる? 安部さんって若い頃すっごいかっこいいよ。若い頃の写真見たけど、超かっこいい」(どこでチェックしたのそんなの?!)「まー今はそうでもないけどさ」(キビしい…/笑)
「私は麻生さんがよかったよ。あの人すごいいいよ。渋谷の警察官増やしたって話でさ、『渋谷もこれで「マジヤバイ」から「かるくヤバイ」になりました』とか言ってて。「マジヤバイ」から「かるくヤバイ」だよ? よくない?」(その話本当?! 超おかしい〜)

 いやーちゃんとニュースチェックしてて偉いなあ。しかし私も今回の総裁選の結果は遺憾にたえません。あの非常に限られた候補者の中から選ぶのであれば、失礼ながらどうしてもセントバーナードか平成ぽんぽこがだぶってしまう安倍氏は私的には却下なのです。<顔で選ぶ女

 『王妃の離婚』 佐藤賢一(集英社文庫)(9/20)
 えー何故この本がうちに(以下省略) 男のドリーム小説もここまでくれば立派と言いますか。路線は全然違うはずなのに、読んでいる間に感じる猛烈な恥ずかしさといたたまれなさは「セカチュー」とまったく同じ。ナルシスティックさではこちらが遥かに上を行くので、もう最終章とエピローグなんか悶絶ものです。なんつーか島耕作系の青年誌漫画を連想してしまったよ。


■ 2006.9.19   出しっぱなし日記

 8月分をまだ片付けていない…。

 『シャンペン・スパイ』 ヴォルフガング・ロッツ/大内博 訳(ハヤカワ文庫)
 『トリストラム・シャンディ』の中巻をうろうろしながら、このようなものに脱線を。『スパイのためのハンドブック』の人です。「<モサドの星>の回想」とか副題がついちゃってますが、まあ確かにこの人、この書き振りだけでも、お見事なもんです。おそらく一般的に報道された内容に沿って、明かして支障のない部分はむしろ積極的にスリリングな語り口で明かし、関係各筋にとってやばいことには口を拭い、自分自身についても、実際のところ職業柄十分に卑劣なことをやっているわけだが決して卑屈にもならず逆に開き直りもせず、皮肉を利かせながらもうまいこと誰一人あからさまには貶さない。エピローグを、「多くのイスラエル人がそうであるように、ウォルトロードと私は、エジプトと親しい隣人としてつきあいたいと願っているものである」 で締めるなんざ、恐れ入りましたと言うしかない。(エジプトで逮捕されて、一言一句たりとも書いてはいないけどおそらく取調べで拷問されて、最も劣悪で悪名高い刑務所で三年務め上げてるにも関わらずですよ?) 唯一気になるところがあるとすれば、このキレイな締めとは裏腹に、おそらくは本人すらもがさほど意識していない、ヨーロッパ人的とも思われるようなアラブ人蔑視の感情がそこかしこに見え隠れすることくらいですか。それ以外はもう、007を地で行くようにノンストップで面白く読ませます。


■ 2006.9.16   秋到来

 あれからぴんぴんしてます。さすがに普段から危ないものを食べつけているので耐性が強いようだ。

 近所の八百屋、まじで使える。今日は酢橘を入手しました。9個パックで150円。芝安の松茸うどんを貰ったので、嬉しがってぎゅうぎゅう絞って食しました。美味い。松茸って実はそんなに好きじゃないんですけど、甘辛く煮付けた佃煮と吸い物だけは美味いと思う。殊に土瓶蒸し。大変勿体無い言い草ではありますが、あれは松茸と酢橘の香りだけが全てであって、正直言って身のほうはさしておいしくない。吸い物においてはだしがらに等しいと思う。子供の頃、頂き物の松茸で土瓶蒸しを初めて食べたときからそう思っていて、そのように感想を述べたところ(我が家はお残し厳禁な家庭だったので、述べただけで勿論残さず食べましたが)、両親に贅沢な餓鬼めと怒られました。ま、私が親でも子供がそんなこと抜かしたら怒ると思いますが、せめて違いのわかる餓鬼だと言ってくれ。

 練習に行ってきた。これまで金管や弦と音が合わなくてフラストレーションが溜まったことはあっても、フルートと合わなくて苦労したことはなかったんだが、それは普段トップを吹いている方が凄腕だったからだったんですね。高音になると上擦りやすく、低音や弱音になると音程が下がるのがフルートのパターンなんだが、私の楽器は特性はまさにこの正反対。それにしても音域によっては半音くらい違ったんじゃないだろうか。いくら音程がフレキシブルな楽器ったって、そら無理ですわ。殊にベートーベンではかなり厳密に音程が合っていないとぶち壊しになるから、えらいしんどかったですよ。


■ 2006.9.14   危ない食卓

 先々週末に買った韮と先週末に買ったなめこを今週早々に買っためかぶと和えて食べました。いやあスリリング。韮はあちこち駄目になった部分を毟り取ったけど三分の二くらいは残ったし、なめこは少々匂いがしたが湯通ししたら飛んだ。めかぶには何の問題もなさそうだが。これから賞味期限二日超の牛乳使って食後のカフェオレと洒落込もうかと思います。

 明日倒れたらそういうことだと思ってください。


■ 2006.9.9   スリリングな日々

 久々に練習行ってきた。間が空くとやはり覿面に吹けなくなる。曲が確定して、珍しいことにパートもほぼ確定しつつある。今回はそこそこ戦力が期待できる頭数が揃っているので、パートを決めやすいというのもあります。もう逸材が入ったのでパワー倍増しですよ。いやとにかく、初見強い、指回る、パワーあるの三拍子揃ってて素晴らしい。私にないものばかりだ。では何があるかというと……何だろう。困ったな。昔は音程が比較的いいのが取柄だったけど、最近むちゃくちゃになりつつあるしなあ…。こんなんが2曲もトップ吹いていいんですか。

 『スパイのためのハンドブック』 ヴォルフガング・ロッツ/朝河伸英 訳(ハヤカワ文庫)(9/8)
 しょっぱなにスパイ能力テストがあります。満点は250点、250〜235が筋金入りの卑劣漢、230〜205点がタフガイ、200〜105点は普通人、100〜55点はヘタレ、50点以下は有徳の人格者、だそうで、当然ながら点数が高いほうがスパイ適性あり。私は210点で、なんとタフガイの末席に分類されてしまう。しかし、後のほうにある贈賄能力では15点で赤点(30点以下)でした。うん、確かに、必要に応じて大きな嘘をつき続けることはできそうな気がするけど、金絡みの身の処し方はあまりスマートでないと思います。著者は本物の元イスラエル情報部員(あのモサドですね)で、スパイのノウハウ(まあ一般的な範囲まででしょうが)を淡々と解説してくれて、結構面白い。実際、構成が上手いです。最初のほうは尾行術から偽装から贈賄のテクニック、身内との待遇面での交渉の仕方など、わりとリアルに解説されて、「お、なんか結構面白そう」と思わせておきながら、後半ではしっかり捕まったときの処遇(当然のことながら尋問、平たく言えば拷問される)や、実刑を受けた後の刑務所での処世までひっじょーにクールに書き連ねてあって、「うーむ、やはり私のようなヘタレはやめておくか」と思わせる。まあ最近は普通に暮らしてても、電車に劇薬が撒かれたり爆弾が投げ込まれたりナイフ振り回す奴に遭遇したり監禁されたりリストラされたりセクハラされたり地震台風落雷ミサイルがやってきたりと、十分スリリングですからね。


■ 2006.9.6   駄目行状記

 日曜日から乾燥機兼用の洗濯機の洗濯槽に放置しっぱなしだった洗濯物を片付けた。(正確には日々の着替えをそこから直接取り出していたのでストックがほぼ底をついた)

 月曜日からシンクに積みっぱなしで洗っていなかった食器を片付けた。(深刻ななまけものの熊さん状態に陥ったため)

 昨日そんなに飲んでいなかったはずで、そのうえ途中退場というヘタレっぷりにもかかわらず、部分的に記憶が飛んでいる上に窓とカーテンを開けっ放しで寝ていた。(でも玄関の鍵はきっちり締まっていて、ちゃんとパジャマに着替えていた。そこんとこの記憶もないけど)

 いつのまにか9月になっていた。(まじで一体どういうこと。嬉しすぎる。毎日涼しくて)

 同情するなら暇をくれ。(逆ギレ)






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