イゼルローンのタコ部屋。

OVA4巻の感想垂れ流し。

いよいよアムリッツァですね、十三話。焦土作戦の巻。

帝国陣営を見ていていつも気になるのがあの立ちっぱなしの会議。貧血で倒れる人……はいるわけないか。でもなんだか「廊下に立ってなさい」みたいで気になるんですよねえ。私だけ?

ケスラー登場。素朴な男前で素敵だ。通信士官のヘッドギアが気になります。前から気になってたんだけど、この全体に古めかしいメカデザインは一体どうしたんだろう。ガンダムとかもうすでにあっただろうに。

それにしてもこの焦土作戦は酷いなあ。ロシア軍の焦土作戦だって領民は避難させたんじゃなかったっけ? それに焦土作戦って策としては最後の手段なのでは。最初から積極的に取る策じゃないと思うし、何よりも最初っから国境線を全く守らないってなんか国家として間違っている気がする。例えばですよ? 例えばの話、「これからアメリカ軍が自由の名の下に侵攻してくるが我々自衛隊は戦わずに撤退する。その際、物資はすべて徴用させてもらう。甘んじて占領されるように」って言われたら、普通暴れません? よしんばこの通りの展開になったとして勝った帝国軍が戻ってきたとしても、不信感は拭えないに違いない。まさに食い物の恨みほど深いものはないんだから。一面で人間の真理を突いた策ですけど、長期的領土経営の視点からはマイナス面しかない。みすみす瓦解の種を撒くようなもんです。だからどうも私はラインハルト死後の帝国は連邦制を余儀なくされて、それも旧ソ連や旧ユーゴのように早いうちに崩壊するんじゃないかって気がするんですが、まあそんな心配はミッちゃんとヒルダに任せておこう。

可哀相なのはケスラーです。上からは無茶言われ、下からは突き上げられ。雨がやんだとか暢気にほざいてるラインハルトを見たら蹴飛ばしてやりたくなるんじゃないかしらん。この回はケスラー中間管理職の悲哀の巻と題するべきでしょう。ところで最後のほう、ちょろっとアッテンがカメオ出演してます?

十四話。帝国の作戦も酷いがそんなもんに乗せられた同盟はもっと酷い。物資、あるだけばら撒いたんかい。占領政策の計算がなってないのでは。キャゼルヌさん司令部に「ねじこむ」のもいいけど、どっちかと言うと阿呆な大盤振る舞いしでかしてる前線指揮官を締め上げたほうがいい。それともそういう命令を司令部が出してたのかな。

「そろそろ帰ろうと思うんだけど」というノリで「撤退しようかと思うんですが」って言うヤン素敵。うわーしかもこの回のヤンの顔男前! 大好き!

「ナポレオンの二の舞」とか言っているあたりからも、この戦いはどうもナポレオンのモスクワ遠征を下敷きにしているような感じがします。広大で荒涼たる大地に底知れず横たわる謎めいた悪の帝国というのが古来からのロシア(近代以降はソヴィエト)のイメージだと思うんだけど、でも銀英の場合、どちらかというと同盟のほうがソヴィエトっぽいんだよなあ。建物でも何でもやたら広々しているのに殺風景なところとか、「最高評議会」とか、何より巨大なハイネセン像とか、すごく社会主義国っぽくないですか?

それはともかく、ハイネセンからの輸送船情報をラインハルトが即座に掴んでいるっていうのはどういうことなんだろう。一体どういう諜報体制になってるのかなあ。長距離通信はすぐに撹乱されるしすぐに途絶するっていうのがお約束だったんじゃ。現地調達のシーンはかなり三流な展開で意気消沈。不謹慎だけど早く艦隊戦になってくれとか思ってしまう。

ドミニクの声がむっちゃ好きです。ひょっとして不二子ちゃんの人? 原作よりかっこいいよ! よもやこんなところで姐さん萌えするとは思いもよらなんだ。そして、出たロボス先生の「昼寝」。一度でいいからこんな理由で会社を休んでみたいよ。

待ってました十五話、アムリッツァ星域会戦。そして「新世界」! ポプランのお調子者な声いいですね。でもあの機体とヘルメット、ちょっと悪趣味では……。提督方も勢ぞろい。ウランフ、ヤン、ビュコック、帝国のお歴々。

ここらへんで対戦カードを整理しないと展開についていけません。原作未読の方はこの回の展開、ついていくの難しかったんではないでしょうか。この回ほど原作本が手元にないのがもどかしかったことはないです。あの原作の情報量を流れを殺さずに映像にするのはむちゃくちゃ難しかったに違いない。ということで緒戦はまず、

ヤン=ケンプ
ウランフ=ビッテンフェルト

最初にビッテンフェルトにあたるとは、ウランフ提督、シード運が悪かったとしか言いようがない。や、でも
ビ「打てば当たるぞ!」
ウ「打って打って打ちまくれ!」
……猛将勝負だったか。でもウランフの最期は立派でした。ぐすん……

その間に、ビュコック=ロイエンタール
「逃げの一手」、いいですね。さすがはご老公。一方でヤンも「全艦、逃げろ」でかっ飛ばしてます。

そうこうしている間にヤン、キルヒアイスに遭遇。二戦目。
アルサレム=ミッタマイヤー
ビュコック=ワーレン
ボロディン=ルッツ
ビュコックも二戦目。しかしワーレンのキャラデザに軽い眩暈が。この人ワルキューレ乗りじゃなかったっけ? 最大積載重量はどうなってるんだろうか……
※訂正。ワルキューレ乗りはケンプでしたね。どうもここらへん、原作読んでた頃からよくごっちゃになってます(汗)

ロボス先生、アムリッツァに集結させるのはいいですが、その情報がまたラインハルトに筒抜けなようですよ。いやーマジでフェザーンの凄腕諜報チームが暗躍していたりして。そんなサイドストーリー、どなたか書いてくれないかしらん。

そして、出た! 出ました、ビッテンフェルトの「下着」発言!(笑)

イエローカード
このときヒルダはまだいなかったけど、もしいたらきっとお怒りだったでしょう(笑) 大将を筆頭に野蛮人の群れですからねえ……

しかしこの回はビッテンが異様にでばってますね。原作でもこんなに目立ってたっけ? せっかく一生懸命存在感を主張してたのに、ヤンにはあっさり「黒い艦隊」呼ばわりされて蹴散らかされるあたり、間抜けで可愛い。さらにすぐ援軍を呼ぶあたり、考えなしで可愛い。んで怒られるんだよね。可愛い。

そういうわけでビッテンが怒られる十六話。ああまたしてもこの音楽、知ってるんだけどなんだっけ。アホ……もとい、可愛い暴走上司をなだめるオイゲンがけなげで素敵。なんかミッターとロイだけ通信風景が違う気がしたんだけどどうしてなんでしょう。何故にあんな高層ビルから夜景を眺めるようなムーディーな。

それにしてもキルヒアイスは本当に出来た人だ。怒り狂う猛獣使いハルトがビッテンに踵落とし(精神的にはそれに匹敵する打撃でしょう)くれてやったのをすかさずフォローするんですが、実に上手い。要するに「やつあたりなんじゃん」というだけなんですがね。なんだかこの回のキルヒアイスは精悍になっていて格好良い。転びそうになります。

大山鳴動して、3000万人動員した同盟は2000万人戦死。まあ愚行以外の何物でもなかったわけですが、そんなことをしている間に皇帝陛下が! お亡くなりに!

そして最後の最後。アッテン、待ってたよ〜! 格好いい〜! ちょっと顔長い〜! 服ダサい〜! でももう出てきてくれただけでいいよ〜! もうこのあたりはサービスショットの波状攻撃でハートばくばく。シトレさん(養蜂なんて渋い〜!)とか、キャゼルヌ先輩の「仕事しているのが似合う柄じゃないんだからな」(毒舌家の真骨頂!)とか、お嬢さんたちの「お兄ちゃんバイバーイ」(可愛い〜!)とか、ヤンの「イゼルローンに来てもらうぞ」(なんて強引かつ熱烈な求愛宣言!)とか、アッテンの「アイアイサー!」(この際「合点承知!」とかゆってくれても萌える!)とか!  最後約5分間くらいの間にわめき倒していた私でした。ああ爽やかなラストスパート。ここしばらくの殺伐とした展開に干からびていた心が潤いました。

さらに最後のおまけにボリス・コーネフ登場とは嬉しい。でも金髪だったのね。なんとなくダークヘアというイメージがあったんだけど。さあでも、次はヤン艦隊のどきどきわくわくイゼルローン生活ですね!

というわけで、4巻まとめ。
・あらゆる意味でビッテンオンステージだった。(馬鹿な子ほど可愛い)
・最後の5分でHP回復!(リポD並みの補給力)

(2005.6.6)




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