2002年4月の不定期日記 
戻る 
不定期日記



■ 2002.4.30  春眠

 とも言っていられない季節になってきましたが、眠いものは眠い!
 会議室なんか、寒いのに眠いので、息を引き取りそうになります。
 ふう、連休中日。「とーぜん10連休でしょ」と言い放ったのはメーカー勤めの友人ですが、こっちじゃ休日も営業日に数えかねない。
 休むときは休む、じゃダメなのかしら。「365日24時間営業」なんて書いてあるATMが、ある日行ったら突然「メンテナンスのため本日は停止します」ってなことになってるより、「週1、日曜はお休みです」てなほうがいいと私は思うんですけど。
 そういうわけで、今日の私の所持金は、467円です。

■ 2002.4.28  ゆやーん

 酒屋さん行って友人宅に行って、本屋行ってスーパー行って。
 風邪を引いたくさいのに妙にハイテンションで動き回っていて、夜頃になってちょっとぐったりしています。まるっきり自業自得なんですが。でも気だけは元気なので。こういうパターンって珍しいです。
 熱のせいか、ちょっと意識がふわふわ宙に浮いていて、音なんかも薄皮一枚かぶった向こうから聞こえるような感じで、決して気分は悪くないのが不思議な感じ。まあでもひどくなったら嫌なので、しばらく大人しくしてます。
 それより今、プリングルスが止まりません。これって絶対、何か習慣性の良からぬ成分が入っているような気がしてならない。

■ 2002.4.26  眠

 強いられて読む本は、詰まらないことが圧倒的に多いんですが、まれにそれがどんなに面白い本だったとしても、読後になんだか妙な疲れと白けが残ります。
 あの「課題図書」という言い方には、小学校以来、反発心の塊です。
 でもまあ、内容自体は期待よりもかなり面白かったので、ここにご紹介。『キャノン特許部隊』丸山儀一(光文社新書) 企業の特許戦略って、具体的にどういうことなのかよくわかります。文章もとても読みやすいし、体験談がベースなので面白いです。薄いのですぐに読み終われます。ので、入門の書としてはとてもいいんですが、ちょっと食い足りない感じ。質の良い序文だけ読んだってような気になります。新書って、こんな感じですよね。その割に高いんだから、納得いかない。

 反動で、買って以来机の上に飾りっぱなしだった『日本文学盛衰史』を読もうかと思ったけど、今日はあまりにも眠すぎるので、涎をつけないためにも布団のなかには持ち込まないでおく。

■ 2002.4.23  自由の牢獄

 自由電子は自由であるがゆえに孤独でもあり、常に自らを縛りつける桎梏を求めて動き回る。

 ミヒャエル・エンデの『自由の牢獄』を手に入れたいのだけれど、出版元で絶版の上、どこのネット書店を探しても在庫がないという。昨今、そんなに本は売れないのかしら。本屋はいつ見ても人でいっぱいなんだけど。こういうことがあるから、つい本は見つけたそのときに後先考えずに衝動買いしてしまう。なんて、屁理屈で欲望を焚きつけてしまう。

■ 2002.4.21  迷子

 東京に出るたびに、迷子になります。
 今まで、道を歩きながらいちいち地図を見なくても、例えば駅で案内図を見て目的地に辿り着けていたもので、地理感覚には根拠のない自信があったのですが、ここ数年の東京迷子体験で、自信が砂の城のごとく崩れてきています。地下鉄であれほど必死で出口の案内板を見て、よし、出てこっちに行けばいいはずだ、と頭に焼き付けているはずなのに、地上に出た途端に方向感覚が吹っ飛びます。
 なんか、妙な磁場でも出しているのか東京。人も物も電波も究極に密集しているはずだから、あながちありえない話ではなさそうだ。

 そういえば、少し前に流行った『話を聞かない男、地図が読めない女』の男脳・女脳判定テストでは、異様に男脳側に突き抜けた判定が出て、本人周囲ともども驚愕したもんですが、でも私は地図を回します。空間能力弱めです。これって、絵描いてると、結構自分でわかります。ちょっとヘコむ。

■ 2002.4.20  嵐の後

 復活の呪文、詠唱中。

 ようやく年度切り替え前後のどたばたが収束に向かいつつあります。
 なんともわかりやすい行動パターンのようで、身辺慌しくなると、それに連動して部屋のなかもひっくり返ります。身辺が穏やかになってくると、気持ちだけは先走ってそれまで手を出したかったものなど大量に買い込んできます。そして、はたと部屋の中を見回して、置く場所がないということに気づくわけです。
 お掃除ロボットがほしい。いや、お掃除というより、私が出したものを出したところに戻してくれるだけでいいんですが。

 今回の気持ちだけは先走りお買い物。水彩絵の具と新しい筆、です。
 いやーやっと絵の具を手に入れました。え、これまでですか。ええと、あの、白状します。固形水彩と水彩色鉛筆だったんです。筆はともかく、絵の具は学生時代に使っていた奴がもう乾いちゃってて使い物にならなくて、仕方なくもらいものの固形水彩で描き始めて、なんとなくそれに慣れちゃったのです。
 でもやっぱり絵の具の濃い色が出したくて前から買おう買おうと思っていて、やっとこさ手に入れたという次第。

 早速うきうきとパレットに乗せて使ってみました。が……身体が絵の具の使い方を忘れている! 何と何を混ぜたらどんな感じになるかとか、水の量による色の濃さとか、もう全然勝手が掴めず、半泣き状態。長いこと固形水彩で不精し続けたツケは大きかったです。こっちも復活の呪文、詠唱中。

 でも、筆はやはりいいの使うと違いますね。銘柄がよくわからないので、現在使っているやつよりワンランク高いやつを選んだんですが、水の含みが素晴らしい〜♪ 上手くなった気になれます。(気だけ)

■ 2002.4.16  学習機能非搭載

 あれだけ連絡が取れなくて困ると文句を言い倒して私を携帯持ちに追い込んだ母が、一転して全然連絡を寄越さなくなりました。これが、安心効果ってやつ? こんなもんで身辺安らかになるなら、私はいいんですが。

 母屋の更新が甚だしく滞っている状況ですが、読了本リストだけはちょこちょこ更新してます。
 自分が読んだ本を事細かに記録して公開するなんて悪趣味そのものなんですが、とにかく読んだ本を綺麗さっぱり忘れていることが多くて、すでに持っている本を間違って新たに衝動買いするというボケをしょっちゅうかますからという、自分にとっては結構切実な問題もあるのです。実は今日、またやってしまいました。でも杉浦日向子師匠の本だからいいや。新しい一冊は永久保存版にするのさ。(とかいって、存在自体を忘れそう……でまたループのはじめに戻るわけですな…)

「人生、もう一度やり直せたらやり直したいですか」

 やり直してもきっとまた同じシチュエーションで同じ失敗をしでかすであろうから、もういいです(涙)


■ 2002.4.12  レモン抜きの

 ZIMAってスプライトと同じ味だと思うのは私だけでしょうか。私、スプライトでも酔えるかもしれません。

 携帯が。ついに携帯が私の人生に入り込んできました。パソコンを買ったときも、自発的にというより、周りの圧力と必要性に迫られてだったのですが、きっかけがどうであろうと、もうなかった頃には戻れないのが、この種のツールです。
 しかし、使い方がよくわからないなー。

 ええと、人はどうして連絡を取り合いたいんでしょう。
 私の場合、ポケベルの段階でモバイルのストリームからは今の今まで転げ落ちていたわけですが、移動通信の効用って、常に連絡が取れる安心感につきるわけですよね。連絡を取るということで、人は自分の存在確認をするのかしら。あるいはここでこんなダベリを書くのも一種の連絡を取る行動で、自分の存在確認かもしれない。一方行だろうが双方向だろうが、相手を想定しない連絡はありえない。それでも、一方行の連絡にもまして、双方向の連絡は相対基準だ。相手が存在するから、自分も存在する。大体が携帯の第一声って、

 今どこにいるの。

 ときたまどこにもいなくなりたくなる私には、厳しい質問だな。
 本当のことを言うと、GPSにだって検知されたくないのに。

 そして、相手が本当に存在するなんて、どうしてわかるだろう。
 でも、そんなもので存在を再確認せずにはいられない、この自我というもの。

■ 2002.4.7  ハレの日

 久々にあっちこっち行ってきました。最近激しく出不精になっていたので、もう出かけるだけで刺激がいっぱいです。いや、美術館行ってから映画に行ったというだけなんですが、気分はお寺を抜け出す小坊主ヨーヘイくん@『ファインシィ・ダンス』

 根津美術館は、一日中ここで日向ぼっこしていたいような、良い雰囲気の美術館でした。サイズも手頃。展示も美しい。収蔵品も相当すごいっぽい。でも、別館でどうもお茶会なんかがあるようで、着物のおばちゃま方が大挙していらしてて、私はちょっと苦手。感想は日を改めてUPしようと思います。何せ、今日はメインが。うふふ……

 ところで、根津美術館の近くに、能の銕仙会の研修所があったのを、今日、ほんとにたまたま見つけました。神様のお導きでしょうか。野村萬斎さまが、狂言の演目に載っています。入り口でパンフレットをもらってほくほくです。行くぜ人生初の能狂言体験! 公演が平日ばかりだなんて、二人の前には障害にもなりません。萬斎さま、待っててください。きっと休みをもぎ取ります。
 ちなみに、萬斎ファンは詣でてみましょう→http://www.mansaku.co.jp/

 で、前振りが長かったですが……観てきました『The Lord of the Rings』!!!
 はい、叫ぶ場所も作りました。こちらです。例によって微妙にネタバレです。
 はー、今日ははしゃぎ疲れ気味。

■ 2002.4.6  浮沈

 この日記ページ、母屋から入るとすごい違和感があることに今更気づいたけど、結構気に入っているのでこのままにしたいと思います。悪しからず。

 ここのところハイはハイなんですが、浮き沈みも激しくて、自覚があるだけにいささか消耗します。どうも機能別にハイになったりローになったりしているようで、話すほうはハイそのものらしいんですが(不幸にも今日電話をかけてきた友人談)、書くほうはロー気味で妙に爺むさい表現になっているようです(不幸にも今日メールを送りつけられた友人談)。
 有吉先生も、助けて。

■ 2002.4.5  酔

 見た瞬間に、こいつは酒飲みだな、と思う文章があって、それが前に書いた津原泰水であり、中島らもであり、杉浦日向子であり、高村薫であり、内田百閧ナある。川上弘美もそうかもしれない。だいたい外れていないと思う。このあたり、類は友を嗅ぎ分けるんでしょうか。
 逆に全然飲めなさそうなのが、森博嗣とか。
 村上春樹はちょっとよくわからないけど、ひょっとしたらそんなに飲まない人かもと思う。<これはちょっと自信なし。

 それにしても、これまで素面で酔えるなんて安上がりで素晴らしいなんてほざいてましたが、最近のナチュラル・ハイにギア入りっぱなし状態には自分でもちょっと引くものがあります。エネルギーの無駄遣いです。
 北先生、助けて。

#というわけで、日記もナチュラル・ハイにしてみました。そのうち目が痛くなったら、また変えます。<考えなし


■ 2002.4.4  息継ぎ

 結局のところ、三月四月はもう捨ててかかったほうが精神衛生上いいんじゃないかと毎年思うんですが、それでも毎年やっぱり花見だ何だと叫んだ挙句、ぐったりしてしまいます。
 かくなる上は黄金週間に期待じゃと仕切りなおしたものの………なんなんですか今年のこのそそられないラインナップは。うああー黄金の名は返上じゃ返上ー!

 頭の中も身の回りもひっくり返っていますが、忘れないうちに書いておこう。むっちゃ好みなお話書く作家に出会いました。津原泰水『蘆屋家の崩壊』(集英社文庫) 連作短編集です。
 そうだそうだ、私ってこういう話、こういう語り口が好きなんだと思い出しました。こういうお話をホラーと括ってしまうのはどうかなあ。ホラーって一口でいうと、ついつい第一印象でスティーブン・キングとかと同じ括りかあ…と思ってしまって、キングが嫌いなわけじゃないんですが、同じ括りはちょっと乱暴だなあと。
 表題作は、全然違う地点から出発したのに、最後まで読むとほんとに『アッシャー家の崩壊』の引っ掛けになっていて口あんぐり。『水牛群』だけ、まだ読んでません。解説を読む限りでは、このひっ散らかった状態でばたばたと読むには勿体なすぎる。
 とにかく、抑制の効いた、緻密に張り巡らされた糸のような、でもちょっととぼけた味のある、でも、凄まじい文章です。一目惚れです。公式サイトaquapolisも一目惚れです。弟さんが運営しているそうです。

#今年も今日の節句はファンタスティックだったようで(涙)宴の跡に顔を出してヘコんでおりましたが、トリのガラドリエル様だけは拝むことができました。もう、私はこれだけで幸せです。明日も、生きていけます(切実)


■ 2002.4.1  とざいとーざい

 エイプリルフールでしたな。誰も騙してくれませんでした。ちぇっ、つまんないの。

 あとは野となれ山となれー! と叫んだところ、関東出身の友人には、
「お前の通った後じゃぺんぺん草も生えねー」
 と突っ込まれました。関西出身の友人は、
「川にも海にもなれー!」
 とボケていました。
 これは東西の違いなのか、キャラクターの違いなのか。うーん……






戻る