2004年7月の不定期日記 戻る 
不定期日記

■ 2004.7.30    ぼけぼけ

 ひさびさに職場でぼんやり過ごしました。ってだめじゃん。期限がないとエンジンがかからないこの体質、なんとかならんのかいな。<どこまでも他力本願

 『魯迅評論集』 竹内好 編訳(岩波文庫)読了。
 またしても長くなったので、こっちに退避。


■ 2004.7.28    涼しい音楽

 思えば真夏にチャイコフスキーなんか聞くもんじゃないです。暑苦しいったら。というわけで、涼しい音楽。『Vivaldi Concerti per archi』Rinaldo Alessandrini(cembalo)/Concert Italiano(OPUS111) ヴィヴァルディの弦楽コンチェルト集、でいいのかな。Concerti per archiの訳語がざっと探した限りでは見つからなかったので。ジャケ買いなので中身には期待してなかったんですけど、涼しげでなかなか良いです。イタリアの弦って線が細い感じがして、フルオケをバックにしたヴァイオリンコンチェルトなんかは物足りないと思ってしまうけど、小編成でチェンバロに合わせるにはすごく良いです。まあもともと、弦楽器は1つでオケに対抗するような種類の楽器じゃないってことですよね。現代のヴァイオリンは昔に比べて音が大きくなったとは言っても、それでもオケがちょっと鳴らし始めたら簡単に埋もれてしまう。なので、弦楽器のコンチェルトやるときは、オケのほうはめちゃめちゃ気を使います。普段より大分音量を落とさないといけない。その点、ピアノは気にしないで済みますね。音質がオケと違うから音が浮き出てくるし、音量的にもオケがフルパワー出してもピアノなら勝てます。あ、そういえばうちのオケ、次はグリーグのコンチェルトやるらしいです。

 中島らもが亡くなったそうです。文字通り命削って生きてた人でした。合掌。


■ 2004.7.27    カルヴィーノ週間

 ようやく締め切り地獄を脱しました。死ぬかと思った。<仕事

 『柔かい月』 イタロ・カルヴィーノ/脇功 訳(河出文庫)読了。
 ダーウィンと二重螺旋と兎と亀のパラドクスとアインシュタインの相対性理論が寓話になり得るということ。和訳では『柔かい月』がタイトルになっているけど、原題の"Ti con zero"のほうがいいと思うな。訳すの難しいんだろうけど。英語に直訳すると"you with zero"らしい。ゼロへ、ゼロと、ゼロとともに、ゼロありき。ここにゼロありき、かな。第三部のタイトルがティ・ゼロになっているので、それに従ってconを抜くなら、ゼロなるもの、ですか。もっと仰々しくするなら、汝ゼロなるもの。イタリア語も知らん奴が好き勝手言ってますが。


■ 2004.7.26    復活

 何とか。昨日の日記をUPした後にいきなりPCが落っこちてセーフモードでしか立ち上がらなくなり、すわ再インストールかと焦りましたが、なんとかやらずに済みました。ウイルスかと思ったけど違った。最近当てたパッチを1個アンインストールしたらご機嫌が治りました。もうどうなってるんだか。でも再インストールにならなくてよかった。内臓CDドライブがいかれているので、外付けの繋いで認識させないといけなかったので、ちょっと怖かったんですよね。あーよかった。ご心配お掛けしました。

 ゲルギエフ&キーロフ管のチャイコフスキー交響曲第六番を聞いてました。五番を聴き倒した後には地味にさえ聴こえますね。冒頭早々のイヤーな感じの低音のソロにちょっと背筋がぞわぞわしつつも、今回は他人事だから安心して聴けるもんね。一緒に『ロミオとジュリエットの幻想序曲』が入ってるんですが、六番の渋いトーンに比べて、こっちはもう愛ありアクションありのスペクタクル・メロドラマって感じです。プロコフィエフのロミジュリは悲劇ですけど、チャイコフスキーのはメロドラマです。曲としてはどよーんと暗いプロコのほうが好きですけど、キーロフ管の演歌トランペットが聞けるこのチャイコフスキーも好きです。別のラフマニノフ交響曲2番のCDで聴いたあのビブラート。ここぞとばかりにやってくれてます。絶対にラフマニノフ2番のトランペット吹きと同じ人だと思う。もう大好き。さすがに交響曲じゃビブラート掛けられるような個所はないからねえ。


■ 2004.7.25    打ち水しませんか

 今年のエアコンの設定温度は30℃です。なんだそりゃ。それでも十分涼しいから恐ろしい。しかも寝るときは切るので、朝は爽やかなお目覚めは望めませんが、暑くて強制的に起床できます。おかげでだいぶ夜更かし体質が矯正されたよ。夏の暑いのは嫌いだけど、エアコンの寒暖差はもっと苦手です。覿面に体調を崩す。今年は去年に引き続き職場が寒くないのでかなり過ごしやすいです。問題は電車の中くらいで。そういえば去年は原発の点検のために節電大作戦だったんでしたっけ(しかも東電主導で)。電力会社の営利と矛盾してますけど、あれを毎年やってくれればいいのにな。需要があるだけ供給しちゃうのも良し悪しでは。

 そんなヒートアイランドに風を企画。よく花瓶の水とかエアコンの室外機に溜まった水とかベランダにぱしゃぱしゃ捨ててましたけど、そうそう無駄なことじゃなかったんですね。興味のある方は下のバナーからもどーぞー。東京だけでなく、全国どこでやってもいいと思います。せめて首都圏の人みんなで夜中は一斉にエアコン切るとかすれば、簡単に2〜3℃下がりそうなもんですけどねえ。

 『ハリー・ポッターとアズガバンの囚人』観て来ました!
 うわーなんか皆大きくなりましたねー。ハーマイオニー大活躍でした! ひょろひょろと長い双子くんコンビ大好き。最近のお気に入りは大人気ないスネイプ先生です。子供相手にカリカリ突っかかるわりには、いざというときはちゃんと身体張って生徒を守るあたり、良い人ですね。でも「良い人ですね」って面と向かって言うと、きっとめちゃめちゃ怒るに違いない。テンポ良いストーリー運びで楽しい映画でした。だいたい私、もう原作の内容ほとんど覚えてないし。でもルーピン先生とシリウスとハリーパパの関係とか、あまり説明されてなかったけど、いいのかな。後々困ったりしないのかな。個人的にはエジプトのロン兄(確か原作には出てきてましたよね)が出てこなかったのは残念。


■ 2004.7.24    大増量

 中低音大増量にてお送りしました。真夏のチャイコフスキー。エキストラとアシを合わせて、ヴィオラ4プルト、チェロ4プルト、コントラバス5本、ファゴット3本、ホルン5本。願わくばコントラバスがあと1本欲しいところですが。いやでも気持ちよかった。低音がゴーゴー鳴るところは。私はといえば鬼門だった低音のソロは何とかなったものの、三楽章冒頭のこれまで失敗したこともないような何てことないところ、それでいて2ndしか音がないクリティカルな部分で、突然楽器が鳴らなくなり(どうも変なところに水が溜まったらしい)、指揮者の「マジかよお前」という視線を浴びつつもどうしようもなく、約三小節間オチるというアクシデントをしでかしました。あああ録音聴きたくない。今日はもう酒飲んで忘れます。


■ 2004.7.23    無計画大王

 なんか数ヶ月先までみっしり仕事のスケジュールが詰まってるんですけど……。こんなときに限って観劇やら友人の結婚式やら歯医者やらといった、個人的スケジュールも詰まりまくっているからたまらんです。うひい。どれか一個くらい忘れてぶっちぎりそうだ。私、先々のスケジュールが詰まってるのって苦手なんです。土日には何も入ってなくて、前日とか当日になって何するか決めるタイプでして。根っから計画性がない。

 ところで、今日たまたま交差点で信号待ちをしていたら、後ろからすぐ横を追い抜いて少し前で止まった自転車の人がいました。長くてつやつやの髪を肩下くらいまで伸ばしてて、綺麗な髪の女の人だなあ……と感心してたら、男性でした。前の職場で一緒に仕事をしたプログラマさんにも、腰くらいまでの見事な黒髪の男性がいました。普通のスーツに腰までの長髪。いやがおうにも目立っておりました。ちなみに今の職場のスタッフにも、外国人の男性で、背中の中ほどまで髪を伸ばしている人がいます。キャラメルみたいな色の、癖のないブラウンヘアです。さらさらでめちゃめちゃ綺麗です。男の長髪は、綺麗な場合に限り、大許容です。というか、そういう人ってホントに綺麗だから、羨ましい。なんだか自信をなくすよ。髪、そろそろ切ろうと思ってたけど、このまま伸ばそうかなー。例のキャラメルブラウニー氏にお手入れの方法など聞いてみたいけど、寡黙で礼儀正しい人なのでなかなか近づき難い。でも実は不精者っぽいから(何せデスクの周りにはダンボールのバリケードが出来ていて、その上にスタバの空きカップコレクションが並んでいる)特に何もしてないような気もする。髪を伸ばしている理由でさえも、「面倒だから」という可能性が否定できない。いやそれもOKです。むしろ共感します。私もそうだし。


■ 2004.7.20    菩薩のごとき鬼

 上司。にこにこしながら容赦なしに仕事を振ってくれます。もしかしてもう新人扱いじゃないの? でもまだ全パターンやってない…っすよ……?

 『宿命の交わる城』 イタロ・カルヴィーノ/河島英昭 訳(河出文庫) 読了。
 ゴブラン織りの物語の迷宮。豪華本『タロッキ』、めちゃ欲しい!


■ 2004.7.19    海の日

 休みだったのを昨日思い出しました。ちょっと得した気分。でも一日だらだらしてたんじゃあんまり意味ない。

 『暗行御史霊遊記』 中内かなみ(角川書店) 読了。
 なんか筋書きだけのドラマの脚本を読んでいる感じというか。所謂、肉の部分がない。京極夏彦氏が帯にコメントを寄せてますが、彼ほど薀蓄垂れまくらなくていいけど、もうちょっと脱線が楽しめるエンタテイメントじゃないと読んだ気がしないです。


■ 2004.7.18    熱さをもって暑さを制す

 ってわけでもないんですけど、買出しのために炎天下を歩いていたとき、なぜか「カレー食べたい」という欲望に取り憑かれ、調度いい具合にスーパーではルウの安売りをしていて、そういうわけで夏野菜のカレーです。肉は入れずに野菜だけで。

<分量メモ(約4〜5人前)>
人参1本/玉葱1個/トマト小2個(あればもっと入れたほうがおいしいと思う)/キドニービーンズ1缶/茄子1本/ゴーヤー半分/オクラ 好きなだけ
ゴーヤーと茄子だけ別口で炒めて、出来上がりに加えてちょっとだけ煮る。オクラはさらに後で入れてちょっとだけ煮る。肉を入れないかわりに、最初に材料を炒めるときにバターを少し多めに入れる。あんまりルウの味が勝ってもなんなのでルウは少なめに(規定量の半分で十分だった)。飲み残しのワインでもあれば良かったんだけど、封切ってないのしかないし、この昼日中から飲みはじめるってのもなんだし、それ以前にこれから練習だってのに(以下略)っていうわけで入れてません。でも入れたほうがおいしいと思います。ゴーヤーはちょっとチャレンジャブルでしたけど、意外といけましたよ。

 これでしばらくカレー漬けですな。


■ 2004.7.17    砕け散った

 ゲルギー&ウィーンフィル。いったいどういう人がこういうチケット取れるのかしら。いつも不思議です。でもまあ、実を言うとあまり未練はない。何せ一番安い席でも27000円ですからね。普通のコンサートに3、4回は行けるよ。ウィーンまで行って観光のついでに見たほうがいろいろトータルしたら安いのかも。

 そういうわけで、ヨーロッパ行きたい熱が高まっております。オーストリアとかチェコにも行きたいし北欧にも行きたい! 特にデンマーク! なぜかフィンランド! ラテンは……暑いから今はパス。あちこち動き回るより、どこか一箇所の街に居座って、住む感覚で美術館とかコンサートとか通いたい。誰か同じ感覚の人、いませんかね? 旅行ってなかなか一緒に行く相手とニーズが合わないことが多くて。

 『雨の温州蜜柑姫』 橋本治(講談社) 読了。
 桃尻娘シリーズは昔、多分高校生の頃、本屋さんで最初の1、2作を立ち読みしたきりです。覚えている限りの印象では、面白いとは思ったけど、主人公の榊原玲奈のキャラクターがピンとこなくて、それで終わっていた。で、今日たまたま古本市で見つけてつい懐かしくなったんですが。シリーズ最終作にあたるコレ、読んだらすごく面白かった。この主人公、醒井涼子もかなり浮世離れした人格なんですけど、ところどころで、まるでこちらの心を読まれたみたいに自分と同じ思考回路を彼女に発見して、ぎくっとするときがある。両親との関係とか、そんなに好きでもないことを成り行きとつまんない対抗心(見栄とでも復讐心とでも言ってもいい)で、つい頑張っちゃうところとか、もう他人事とは思えない。似ている、とは思わないけど、彼女の思考回路は、わかる。これ、91年の刊行だから、もう十年以上も前に書かれたんですよね。それを言うなら、第一作の『桃尻娘』は77年刊行だというから、もう随分昔の作なわけだ。言い回しや舞台にちょっと時代を感じるにしても、キャラ自体はいまでも十分にリアリティを感じる存在感だってのがすごい。たぶん、榊原玲奈は古くなってしまう存在だけど、醒井涼子は古くならない。このキャラの突飛さはきっと時代を超越していて、でも多分どこか普遍的。読んだはずの最初のほうのエピソードもよく覚えていないし、中間部に至っては全然読んでないんだけど、この最終巻があるってだけでこのシリーズは傑作だと思います。


■ 2004.7.15    谷底の日

 谷底4連発。

 月一の苦行開始。今朝は立てなかったよ。あんまり重いのって病気の場合あるっていいますよね。やだな怖いな。

 今の職場ではじめてお客からの電話を取った。それが完全な不意打ちで、しかも厄介なことで有名な人だったらしく、もう全くのしどろもどろ。30分以上も話していて、自分でも何言ってるのかさっぱり。後から考えると向こうもあまりわかってなかったらしく、会話が噛み合っていなかった模様。電話置いて呆然として、我に返って上司様に駆け込み。「まあ、あの人いつもああ(何言ってるかわからない)だから気にしないで」と言われたけど、それにしても小学生レベルの受け答えでしたよ。あれを周りに聞かれていたというのがさらに恥ずかしい。

 動転のあまり、帰りの埼京線を逆方向に乗り間違えて、板橋まで行った。池袋で気づいたけど、混んでて降りられなかったのです。

 帰ったらまた停電があったらしく、PCは勿論、冷蔵庫まで落っこちてて、冷凍室のシャーベットがジュースになっていた。

 ああ、ビールがぬるいぜ。


■ 2004.7.14    テレビがないなら映画をご覧になれば?

 今ごろやっとペ……じゃなかったヨン様(と呼ばない怒るコアなファンの友人がいるので)の顔と名前が一致しました。いつの時代の人間なんだとさんざん馬鹿にされましたが、何を隠そうテレビのない時代の人間ですわ。ほほほ。それが何か? 感想? そうですね、わりと好きな顔ですよ。映画版ハリー・ポッターを大人にして東洋人にした感じですね。……いまだにハリポタ観られずにフラストレーションが溜まっている模様。

 『氷の国のノイ』観てきました。アイスランドってキレイなところですね。人にも独特なムードがありますね。なにせBjorkなぞを生んだ国。自由というのは、何かを失ってはじめてやってくるもんなんですね。失うことは同時に解放されることである。あるいは、作中で本屋のオヤジが「クソだ」と言ってゴミ箱に突っ込んだキルケゴールの一節。やっても後悔する。やらなくても後悔する。どちらに進んでも、進まなかった方を捨てるわけだ。選ぶことは捨てることである。………部屋、片付けなきゃな。(どうしてそういう飛躍になるかな)

 あああ『キューティー・ハニー』が! 『ドラムライン』が! 『下妻物語』も終わってしまううぅ。。何か締め切りに追われている気分になるのは何故。


■ 2004.7.13    最後の一人になったとき

 もう大丈夫です。今日、施錠の仕方を教えてもらいました。

 ……ええ。職場の話ですよ。配属されて二ヶ月も経たんうちに、こんなディープなことまで教わるとは。疲れた。明日は絶対に早く帰ろう。絶対に。てか『氷の国のノイ』観に行かなきゃ! 確か今週までだったはず。

 その代わりと言ってはどうかと思うけど、『キャバレー』と『ポーギーとベス』のチケットが取れました。わーいわーい! いっぺんに二つもかよ! でももう予定が入っているだけで毎日が楽しいよ! しかし実のところ本命はゲルギエフ&ウィーンフィルだったり。17日10時受付開始……こっちは限りなく敗北しそうだ。


■ 2004.7.12    隣のお皿は美味しそうに見える

 最近の自炊熱は、完全にこちらのサイトの影響です。徒然日記が毎日のように美味そうで! テレビの話題にはまったくついていけないのですが。(何せ見てないので) いろいろレシピをいただいてます。ありがとうございます。でも全般的にカロリー高めですね。あとお酒の話題がないのが残念。殊能さんは紅茶党のようです。

 なぜか家にあった、『映像の詩学』蓮實重彦(ちくま学芸文庫) を通勤時に読んでるんですが、うーん、座礁しそうでしない。話題になっているのが昔の映画ばかりなもんで、私はモトネタをほとんど見てないのです。(ならなんでそんな本買ったんだ私) せいぜい『ラストタンゴ・イン・パリ』くらいですか。この人の仰々しい文体と感性は、本気なのかネタなのかよくわからない。ブニュエル論なんかはまったく作品を見たことない私でも面白かったけど、フリッツ・ラング論で大上段に、ラングの映画の本質はジーン・ロックハートのじゃがいも顔だ、とか言われても冗談としか思えない。あと一文がむちゃくちゃ長い。平気で文庫1ページ分くらいが一文だったりする。あと語り口がやたらと断定的で大袈裟で、声に出して読んだらおそらく恐ろしく読みにくい、どこか翻訳文ちっくな文体。ひょっとしてフランスかぶれか?!(偏見) と思ったら、ほんとに東大仏文科卒だった。

 『不思議のひと触れ』 シオドア・スタージョン/大森望 編(河出書房新社) 読了。
 ずっと枕元に置いてたけど、やっと読了。読み終わるのがとてつもなく惜しかった。『影よ、影よ、影の国』、『雷と薔薇』、『孤独の円盤』が好きです。ストーリー自体はどれもありふれているけど、それを覆い尽くす言葉のイメージが素敵だ。そして世界は光り輝くところになった!(『雷と薔薇』) というフレーズの二面性。ある種の生き物の魂は/言葉に尽くせぬ孤独を秘めている(『孤独の円盤』) の一節は、『二十億光年の孤独』に直結。


■ 2004.7.11    雹

 が降ってましたよ今日! びっくりしました。午前中カンカン照りだったと思ったら、昼ぐらいから急に空が暗くなりだして、至近距離で雷は鳴るしバケツひっくり返したような雨は降るしで。ちょうどそのとき電車に乗ってたんですけど、何かかこんかこん電車に当たっている音がするなと思ってたら、雹でした。あんなでかいのは初めて見たよ。車内には携帯のカメラで撮っている人もいましたね。こういう雨の通例で、一時間くらいでもう上がってました。午前中に選挙行っといてよかった。

 夏バテ対策&自炊キャンペーン。今日はゴーヤーチャンプル。ゴーヤー、最近安くなりましたね。しかしゴーヤー半分、豆腐半丁でも二人前くらい出来る。この調子でいくと、夏バテはしないかもしれないけど、この時期が絶好のチャンスのダイエットはできないかも……


■ 2004.7.10    似非筑前煮

 筑前煮から鶏とごぼうと蓮根とこんにゃくとしいたけを抜いて、豚肉を入れる。早い話が人参と筍と豚肉の煮物です。このとりあわせ、なかなか美味かったのでメモっとこう。いつも適当にやるもんだから味付けの仕方を忘れてしまう。
<2〜3人前>
人参1本/筍(下煮して灰汁抜きしたもの)1本/豚肉適量/出汁(なければ水でも)適量(鍋で材料がひたひたにかぶるくらい)/みりん適量(量らなかった)/醤油大さじ3杯
基本レシピは筑前煮と一緒。材料は最初に全部炒めること。豚肉から出る灰汁はこまめに取ること。みりんは、ちょっと甘いかなってくらい入れること。注意点はそんなとこですか。

 焼酎めっちゃすすむ!


■ 2004.7.9    いよいよ

 夏バテ中。

 水出し用の烏龍茶が切れました。仕方ないので、蕎麦茶をお湯から入れて冷ましてます。暑い。

 炊飯器を撤去しました。これからしばらくは麺類で食い繋ぎます。今欲しいのは、ミキサー。しかし炊飯器を撤去したはずのスペースがすでに埋まっているのはどういうことだ。

 立て続けにワインとシャンパンを貰ってしまい、冷蔵庫がいっぱいです。自分ちのなかに誘惑が多過ぎる。

 バーゲンに敗北しまくってます。かばんを買ってしまいました。それにファンデーション。私は化粧品の減らない女なんですが、今年ばかりは日焼け止めを使い切りそう。買ったのは色のつかないクリームタイプなので、まさに日焼け止め代わり。

 あまりにヤバイので、これから練習します。その前にゲルギエフのチャイ5を聴いてマインドコントロール入れとこう。


■ 2004.7.8    2Lの水

 一日2L、水分を摂るにはどうしたらよいかと相談され、まず一日1本、1Lのペットボトルを買って必ずそれを飲み干し、かつ三食には必ずコップ一杯相当の飲み物を飲み、最後にビールの500ml缶でシメれば難なく達成できるのでは、と提案したところ、速攻却下を食らいました。確かに達成率高そうだけど、最後のビールがすべてを台無しにしてますね。(去年の経験者は語る…)

 そういう私は、2Lは何となくクリアしてそうです。職場では500mlペット1本の他にもコーヒーを数杯飲んでて、三食には何か飲んでいるし(それでなくてもお店で出てくる水はいつもほぼ飲み干している)、家の約1.2L入る容器の麦茶はほぼ1日でコンスタントになくなります。前の職場にいたときは、このうちの半分くらいがコーヒーだったに違いない。飲みに行った日には、さらに3分の1くらいがアルコールだったに違いない。半分……はさすがにいってないだろう。多分…ね……。そう考えると、なんと身体に悪い生活をしていたのだ……。

 最近の日記がアホさ炸裂なのは、相変わらず逃避行動中だからです。ああ期限……。


■ 2004.7.7    ジジイの友情

 『キッチン・ストーリー』観てきました。
 出てくるおっさんもじーさんも皆しみじみ可愛い映画なんですが、何が良いかって音楽! あまりサントラを多用してなくて、要所要所にだけジャズを使ってるんですが、これがもう渋可愛い。オープニングで、てんとう虫みたいなトレーラー車が鈴なりになって走っていくとこでかかる曲、これのベースがまずむちゃくちゃ良い。ぼーん、ぼーんっていう長い響きが心地良い〜。渋くくすんだ、ちょっとざらついた感じの音色が最高。ベースとピアノだけなんですが、すごい素敵。他にかかる曲もみんな、ベースとピアノ主体であと何か楽器1本くらいが加わったシンプルな音なんですが、良い〜。良いです〜。もう最高に私好み。ああしかし、あの雪景色を見てたら、やっぱり北国に住みたくなってきた。いいなーいいなー。もう暑いところはやだよう。雪が降るところに住んで、バカンスだけ南国に行くという生活がしたいです。

 今日の日記は、良い〜と、いいなーしか言ってないな……。


■ 2004.7.5    爆弾処理

 今回のメインは、豆腐。賞味期限の切れたやつを、しかもこの時期に生で食べるのは、さすがに鉄の胃袋の称号をいただいたわたくしでも論外。勇気と無謀とには天と地ほどの違いがあるのである。というわけで、勇者は水炊きを決意した!(ピロピロ〜ン! ※ひと昔前のRPG風に) もっとも簡単、手間がかからず失敗のしようもないという、安易極まりないセレクト。お湯が沸騰した土鍋に鶏肉と一緒に放り込むだけですな。しかし、そこにこれまたそろそろ完食すべきチンゲン菜を一株突っ込んだのは明らかにやりすぎだった。食べても食べてもチンゲン菜で、何の鍋だかさっぱりわからん。それ以上に文章が壊れているのは、鍋が炊き上がる前に堪え性なく空きっ腹に黒ラベルを飲んだから。


■ 2004.7.4    逃避気味

 昨日の練習は惨憺たるものだった。低音のソロが今の時点になってもうまくいかない。これまでの練習のなかで勝率約3割ってヤバくないか。打率じゃないんだから。本番は一回だぜ? あああ……。リードとか指使いとかの問題じゃなくて、単に集中力というか、精神力の問題だと思うんだよなあ。

 くよくよ考えても仕方ない、と都合よく言い訳して、職場の方のお誘いでフルートアンサンブルを聞きに。アルトフルートをひさびさに近くで見たよ。でかい。太い。肩凝りそう。フルートって演奏者人口が多くて羨ましいですね。アンサンブルの曲も沢山あるし。八重奏とか楽しそうだなー。ファゴットはまず八人集めるのが大仕事だけど。

 その後、渋谷で『群盗、第七章』を観る。イオセリアーニ特集。グルジア出身の監督。
 なんというか、説明が全くない映画なので展開を追うのが大変。でも筋らしい筋はないような。会話が極端に少なくてパントマイムを見ているよう。端々に歌が挿入されて、それが染み入るように響く。舞台は現代になったり、昔の王国時代になったり、グルジアの内戦時代になったりで、ぽんぽん時空が吹っ飛ばされる。それぞれの時代で演じている役者が同じなものだから、今のシーンがいつの時代なのか、ふっとわからなくなる瞬間がある。とにかく矢鱈と喚声と悲鳴と銃声が響いて、市街戦をしているらしいシーンでも、まるででたらめのように大砲がぶっ放される。ついさっき自分が歩いていたところに砲弾が落ちてきても、「なんだ?」くらいの顔でわざわざ戻って来て陥没した地面を眺める人がいて、道を走ってきた戦車に「そこの角を右に行ってくれ」とか言って乗せてもらう人がいる。秘密警察の拷問部屋の裏で道具を用意する人々は、壁の向こうから響く悲鳴を聞きながらワインとパンで食事する。高級アパートに住んでいた人が突然連れ去られ、その後に前の住人が作りかけた料理までもそのままに政府高官が入居する。その高官もまた連れ去られ、さらに別の政府高官がやってくる。酒と言えばグラスに注ぐシーンよりラッパ飲みしているシーンのほうが多い。常識が麻痺したような状態のまま、悲惨とも言える光景が淡々と最低限の音と台詞でパッチワークのように連なっていくのはユーモラスでさえある。結局いつの時代もやっていることは一緒で、それは悲惨であると同時に滑稽なんだと。そういう映画だと思いました。

 『月曜日に乾杯』のイメージがあったから、この強烈にブラックなテイストは意外。『月曜日に乾杯』もまだやっているみたいだから、今度観に行こう。


■ 2004.7.2    日曜大工

 がいるなら、日曜料理人がいてもいいよね。いや、料理人というほど技術もこだわりもないので、日曜自炊人てとこか。今日は早く帰れたので、ブロッコリーと玉子のサラダを作り溜め。つーかマヨネーズで和えただけで威張りなさんな。昨日のチョコドーナツと一緒に食す。どちらも味は満足なんだが、食い合わせ的にありえない。野菜は中途半端に余らせると結局腐らせるので、極力一回で使い切ります。そうすると軽く2〜3食分できるんだよなー。でも懲りずに明日はしらたきと舞茸のふくめ煮します。冷やしてもおいしいやつ。あ、チンゲン菜と茗荷もどうにかしなきゃ。おひたしかね。しかし、家にあるものだけでどうにかしようとすると、いつもトンデモな組み合わせになるな。


■ 2004.7.1    靴擦れが

 痛いよう……。私、サンダル負けするんですよ。冷房負けもするし。とことん夏向きじゃないですね。

 7月第1週期限の案件が3件もあって、アホ新人テンパり放題。ふた言めが「何でしたっけ?」になってます。ヤバイ。

 バーゲンがはじまってて、ついつい仕事帰りに散財しちゃうよ。最近のお店って、かなり遅くまでやってますよね。誘惑の多い世の中になったもんだ。懲りずにサンダルを買おうとする自分を止めました。かなり必死で。

 何故か家にドーナツが四つも買ってあると思ったら、昨日、前の職場の派遣さんのお別れ会でしこたま日本酒飲んで酔っ払った帰りにミスドで買い倒したのを思い出しました。これだから酔っ払いは。

 すみません。メールのお返事週末になります。日記のこのスカスカさ加減を見ていただければおわかりかと思いますが、今だと阿呆さ加減倍増しなお返事しか書けそうにありません。






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