2005年3月の不定期日記 戻る 
不定期日記

■ 2005.3.31   調子が

 いまひとつです。

 『フロベールの鸚鵡』 ジュリアン・バーンズ/斎藤昌三 訳(白水社)読了。
 すごく面白かったです。ジャンルはただ小説としか言いようがないしあらすじは簡単に紹介できるようなものじゃないしですごく困り果てているんですけど、本当に本とフロベールが好きな人が書いた話だってことがしみじみわかる、「読む」ということ自体がとても愉しい本です。フロベールを一文たりとも読んだことがない人でも(私のことだ)十分に楽しめます。あと、語り口がいかにもイギリス人。ドーヴァー海峡を渡るシーンには妙に実感がこもっているし(「海峡横断」)、作中のえげつないフランス語の発音の自国のフランス文学の権威の扱き下ろし方は全く素晴らしい(「エンマ・ボヴァリーの目」)。「告発に反論」の章はいかにもイギリス人らしい屁理屈が微笑ましい。えーと、結局こうとしか言いようがない。つまり、本そのものを手にとってぱらぱら捲ってみて、肌に合いそうなら是非お試しください。


■ 2005.3.30   昭和歌謡大全集

 を借りてきました。今から観ます。

 観ました。仁義なきおばさんとガキの戦い。互いに互いを敵とみなす彼らに共通するのは、全体に漂うダメさ加減。エスカレートするデスマッチには『バトル・ロワイヤル』がすぐに連想されるけど、原作はこちらのほうが先ですよね多分。それに『バトロワ』は原作を読んだことあるけど、大して感心しなかった(だから映画は観なかった)。テイストは断然こちらのほうが好きだ。普段日常生活の中でうっすらと感じている、普通にそこらへんに存在するぶっ壊れた感じがうまく出ていると思います。原作は未読なのでそのうち読もう。エンディングの『また逢う日まで』がめちゃいい。この曲大好きなんです。

 『詩人 シルヴィア・プラスの生涯』 アン・スティーブンソン/風呂本惇子 訳(晶文社)読了。
 ほんとはちょっと前に読み終わってたんだけど。なんだか読んでていたたまれなくなってきた。「キレちゃった」とか「トンデモ」とか言うレベルじゃなかった。もっともこの評伝は数ある中でもシルヴィア・プラスに一番厳しい部類らしいですが。一般に女が女を書いたものはホント容赦ない。その中でもこの本は、シルヴィア・プラスの作品を読んでみようかって気が根こそぎ萎えるくらいの容赦なさです。プラスに何の義理もない私でも、これは辛いだろうなと思ってしまう。ただし、訳者あとがきにも書かれているけど、それだけに「読ませる」本です。結構な厚さの大判の本なんだけど、ほぼ一気読みできたし。それに私は余程のことでなければ「知らなければよかった」とは思わないタチですし。


■ 2005.3.28   アメリ

 観ました。不気味で可愛い。私はこれ結構好きです。アメリ役の女優さんがオードリー・ヘプバーンをパリっ子にしたみたいに可愛いと思ったら、名前もAudreyだった。現実だったらかなり怖いシチュエーションばかりだけど、他人の空想とか妄想ってそもそもグロいものだろう。

 『イタリア民話集 上』 イタロ・カルヴィーノ/河島英昭 編訳(岩波文庫)読了。


■ 2005.3.25   昔

 嫌いだったけど今好きになったものに白アスパラがある。道後蔵酒のつまみにしようと缶詰をキコキコ開けてて思い出したんだけど、缶切りが使えない子って小学校にも中学校にも高校にも大学にもクラスに一人はいたな。子供心にお前ら今ここで石油も石炭も枯渇して電気も水道もガスも止まってサバイバルになったらどうするんだと小学生のときの私は思いました。いや別にサバイバルできなくったっていいんですけど。今ならいつでも起きそうなサバイバル状態なら真っ先に地震なんだけど、当時は地震がほとんど起きない北海道にいた(当時はほんとになかった。十勝沖とかまだ起きてないし)おかげでそこらへんは念頭になく、石油と石炭はあと30年もしないで枯渇すると本気で思っていた(そういうふうに学校で脅かされた)。でもだからって動力が突然全て止まってサバイバル状態になると思っているところが子供の短絡的なところ(しかもその状況で缶詰は手に入ると思っているあたり、考えが浅い)。それはともかく、缶切りでも特に逆手で握って前に倒すタイプじゃなくて、順手で握って上下に切るタイプは出来る出来ないがはっきり分かれそうですね。まあ順手タイプはモノとしても最早どこにも売ってなさそうだが。実家は長いこと順手タイプだったから、逆手タイプが出たときは感動的だったな。

 何の話でしたっけ。そう白アスパラ。太るとか身体に悪いとかそういうすべてをぶん投げて、マヨネーズをどっぷりかけて食すのがお薦めです。ワインとか日本酒に合います。


■ 2005.3.24   季節外れの

 風邪が治ったような治らんような感じなので、暖を取ろうとほうれん草入りキムチうどんすき。と言ってもうどんとうどん出汁とキムチを土鍋に突っ込んで火にかけただけですが。スープが激ウマなので取っておこう。

 北海道土産で買ってきたROYCEのピュアチョコレート(スイート&ミルク)を寝る前に1日1個ずつ食べてます。チョコってこんなに美味しかったんだ、と思わせる美味しさ。何せ後味が素晴らしい。口にした途端感じるのじゃなくて、ちょっとずつ食べているとじわじわわかる違いという感じ。ビターチョコなんてもう買うもんか。甘くないなんてチョコじゃない。絶対、昔より甘いもの好きになってるな……。

 食い合わせ的にどうかはさておき。


■ 2005.3.23   四谷

 図書館はなかなか良いです。夜八時までやっているし、平日は実に気持ちよく空いている。バラードの『沈んだ世界』とハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』を探すつもりが、『フロベールの鸚鵡』なぞ掴んできてしまった。

 『詩人 シルヴィア・プラスの生涯』 アン・スティーブンソン/風呂本惇子 訳(晶文社)を読み中。
 人物伝づいている。こっちはバリバリの評伝でかなり面白い。語り口や切り口もいいんだけど、それよりシルヴィア・プラス自体がかなり無茶苦茶な人なので。50年代から60年代のカリスマ的な詩人だそうですが、実は私はさっぱり作品を読んだことがなくて、映画『シルヴィア』ではじめて興味を持ったものの、結局観そこねたので代わりに読み始めた次第。作品に格別な思い入れがないせいで身も蓋もない感想でなんですが、身近にいたらちょっと堪らないタイプの女性だと思う。でも目が離せない、という。本人の言動には、裕福ではないけど厳格な家庭で育った真面目な女子校育ちの優等生がキレちゃった感が濃厚に漂うのだが、それだけで終わらないのは彼女の文章や作品に異様な力があるからだ。本文の間や章の始めに引用されている彼女の日誌や書簡、作品の言葉はどれも痛いほどの自意識にまみれて鋭利で、本人のトンデモっぷりを本書で読んでいながらも、学生の頃なんかに出会っていたらあっさり転んでいたかも、と思わせられる。彼女の剥き出しの自意識過剰、独善、自己愛、功名心、認められたい(彼女の場合、「愛されたい」とほぼ同義)という渇望などなどのどろどろした葛藤は、シルヴィア・プラスほどの強烈さと振幅を伴っていなくても、おそらく誰の中にもあるものだからなんでしょう。


■ 2005.3.22   特にマメなわけじゃなく

 単に貧乏性なだけなんですが。一昨日、鶏大根を作るときに出汁で大根を煮た煮汁にみりんと酒を加えた段階、つまり塩と醤油を入れる前の段階で出汁が多すぎた(大根が泳いでいた)ので取って置いたのですが、今日それでスープを作ったらめちゃ美味かった。冷凍の水餃子と豆腐と卵入り。味付け塩だけで十分でした。火を止めてから卵を割り入れてしばらく蓋をしておいたら、固まりきらないふわふわの白身が感動的に美味い。白い具ばかりなので勝手に白身スープと命名。やーしかし出汁って大事ですね。三年越しくらいの鶏ガラスープの素がなくなったから補充しようかと思っていたけど、しばらくこのまま頑張ってみようかな。

 『伝記 ラフマニノフ』 ニコライ・バジャーノフ/小林久枝 訳(音楽之友社)読了。
 読み物としては全然面白くなかったし(文章のノリが合わなかった)、読みづらいし(すぐ誰が誰だかわからなくなる)、系統だって史実を仕入れるって意味でも本文はあまり使えない(年代の記述がほとんどない上、大部分が思いっきりラフマニノフの主観視点で書いてある。その視点もあまり定まっていない)本だったけど、ラフマニノフがどんな人たちと親交があったかがわかったことはまあ収穫でした。あと巻末の資料は使える。年譜と作品リストと登場人物フルネームリストがついているのは素晴らしい。本文読まなくてもこっちだけで十分だったかも(酷)

 『アメリ』を借りてきた。『ベニスに死す』を見つけたもののレンタル中でまんまと糠喜びしたよ。この伝説のお耽美ものは絶対どこかで観ておかなきゃと思っていたのに。DVDって素晴らしいですね。この機会に観たかったのに見逃したのをコンプリートしよう企画。

 今日はとりあえずこんなの↓を発見。ちぇきちぇき。
 ・『博士の異常な愛情…いかにして私は心配するのをやめて水爆を愛するようになったか』
 ・『時計仕掛けのオレンジ』
 ・『惑星ソラリス』
 ・『ラン・ローラ・ラン』
 ・『パルプ・フィクション』
 ・『オール・アバウト・マイ・マザー』
 ・『マグノリア』
 ・『荒野の七人』
 ・『ラスト・エンペラー』
 ・『バグダッド・カフェ』
 ・『普通じゃない』
 ・『ヴェロニカ・ゲリン』

 今後発見が待たれるもの。
 ・『ヤマカシ』
 ・『大脱走』
 ・『キル・ビル』
 ・『キス☆キス☆バン☆バン』
 ・『青い春』
 ・『Shall we ダンス?』
 ・『昭和歌謡大全集』
 ・『戦場のメリークリスマス』
 ・『シャイン』


■ 2005.3.21   寝三連休

 体調があまりよくなくて後半はほとんど寝て過ごしました。

 昨日の鶏大根の汁を牛蒡ひじきに転用。鶏大根の段階でかなり味が薄かったので、やっと煮物っぽい味になった。体調悪いと味覚も鈍るな。


■ 2005.3.20   映画三昧

 『パッチギ!』 (3/19)
 滑り込みセーフ。月並みですけど、すごく良かったです。知人に薦められたものの、どうも恋愛モノにあまり食指が動かなかったのですが、なんかこれすごく良い。その時代を知らない人間にも説得力のある60年代の細かいディティールに、地に足のついた人物造形と背景。テーマは映画のなかにもふんだんに使われているフォークの永遠のテーマ、"LOVE & PEACE"なんだけど、まともに語ってしまうにはあまりに気恥ずかしいそのテーマを実に自然に、笑いを取りながらもあくまで直球で投げつけてくる。こういう単純で普遍的な分、陳腐にもなりうるテーマに対して、いい意味での照れがあるのが良いです。それがないと単にベタで恥ずかしいだけなんだよね。まあそういうの抜きにしても、全編に炸裂するアンソンはじめ朝高軍団のパッチギと飛び蹴りは心底痛快!

 『マゴニア』 (3/19)
 行くまで気づいてなかったんだけど19日が公開当日で、初日イベントということでグルジアワインの試飲会をやってました。ファンタジックで美しい映像と詩的で美しい台詞にくるんで、恐ろしくシビアな現実が突きつけられる。夢を追いかけたままで終われた父親が一番の幸せ者に思われたよ。全体に海や川や空の青が特に美しい映像と、一話め、塔から風に乗って響き渡るアラー・アクバルを唱える助祭の歌が一番印象的でした。

 『MATRIX』 (DVD)
 観たまんま、日本アニメオタク&カンフー映画フリークが作ったハリウッドアクション映画。なんか謎が多いようなことを聞いていたわりには、すごくわかりやすかったと思う。『ニューロマンサー』に比べれば全然単純だ。善悪の陣営がはっきり分かれているし、場面ごとに仮想世界は仮想世界だと最初に断っておいてくれるし。あ、アーミテジはどっちかと言うとエージェント・スミスじゃなくてモーフィアスですね。途中で冒頭の不思議の国のアリスのモチーフがどっか行っちゃうのはご愛嬌。こんなこと書いているとすごく白けた感想のようですが、いや面白かったですよ。これは映画館の大スクリーンで観たほうがいい種類の映画だと思う。主役は東洋系のキアヌだし、スクリーンに流れるコードはカタカナ(しかも半角!)だし、まんま格闘ゲームのシーンがあったりと、監督の和製オタクっぷりも楽しめます。しかし、なんて無駄弾の多い映画なんだ!(笑) あ、そこがハリウッドなのか。


■ 2005.3.18   本日の

 自画自賛。
 小松菜とぶなしめじのジェノベーゼ。と言ってもジェノベーゼの素があったからほとんど私の手腕は貢献してないんですが。でも大蒜たっぷり入れるだけでこんなにスパゲッティらしくなるもんなんだなあ。食後に道後蔵酒。道後温泉でいかに酒ばっかり買ってきたかって話です。すでに酔っ払いだからこの先阿呆なこと書いても見逃してください。

 図書館でラフマニノフの伝記を借りてきました。『伝記 ラフマニノフ』 ニコライ・バジャーノフ/小林久枝 訳(音楽之友社)。探した限りじゃ和書でラフマニノフの伝記や評伝ってこれくらいしかないんですよね。伝記なのに語り口が微妙に物語調なのが嘘くさくてちょっと気になるんですけど、まあ興味が先に立ってますので結構ハイペースで読み進んでます。

 それにしてもロシア人はファーストネーム+父称の組み合わせで人を呼ぶので大混乱です。ただでさえロシア人の名前に慣れてないのに。全員フルネームを覚えないと、簡単に誰が誰だかわからなくなる。(いやいっそのことフルネームで書いてくれれば姓で見分けるのに。日本人て基本的に姓で個人を認識しますよね。)その上、勝手に愛称で呼び出したりするからもう手に負えない。さらにその上同じ名前が二人も三人も出てくる。西洋人はファーストネームにバリエーションがないのがいかん。だから父称なんてものが必要になるんでしょうな。で、誰がアレクサンドル・イリイチでニコライ・セルゲーエヴィチでワシーリー・アルカジエヴィチだって? ワーニャにサーシャにナターシャ? 唯一わかるのはピョートル・イリイチ。例のチャイコフスキーさんです。ラフマニノフって若い頃に生チャイコフスキーに会ってるんですね! すごい! ドラマチック! っていうか羨ましい! その頃のモスクワ音楽院にモグりたい!

 それにしても、私はロシア語は逆立ちしても出来ないということがよくわかりました。名前が活用するような言語には歯が立たんよ。


■ 2005.3.17   貧乏暇なし

 ちょっと遊びすぎたんでこれくらい忙しいほうが無駄遣いしなくていいかなと思っていたら、今日給料明細を貰った。ダメだこんなもの手にしちゃ。

 『ニューロマンサー』 ウィリアム・ギブスン/黒丸尚 訳(ハヤカワ文庫)読了。(3/16)
 感想はこっちに移動しました。

 最近の自画自賛。
 牛蒡のキムチ炒め(一昨日の晩飯)。ささがき牛蒡を大蒜たっぷりとベーコンとキムチで炒める。キムチを心持ち少なめにして、仕上げにオイスターソースを少々。ご飯進む。浅蜊と小松菜のフォー(今日の晩飯)。といってもスープはフォーの素を使わない。浅蜊に火を通した出汁にこれまた大蒜をたっぷり入れ、酒少々。あとは塩と醤油ほんの少しとヌックナム。そのまんま潮汁の要領です。フォーはスープが薄味でもOKなので、潮汁フォー入りって感じで美味い。しかし見るからにありあわせ。大蒜はでかいの4個100円だったのを買ってしまったので、集中消費中。最近私、大蒜臭いかも。


■ 2005.3.15   ラフマニノフ馬鹿

 ちらほらと評判を耳にしていた、ラン・ランのラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番のCDを手に入れました。可愛い名前ですけど、男性です。中国人の若手ピアニスト。オケがゲルギエフ指揮・マリインスキー歌劇場オーケストラ(キーロフ歌劇場管弦楽団)ときたら、もう買えと言われているようなもんです。それにもかかわらず、試聴コーナーで聴いてみて、正直ピアコン2番だけならどうしようかなと思ったんですが、カップリングの『パガニーニの主題による狂詩曲』で落とされました。

 このピアニスト、全般的にテンポがゆっくりめなのだ。テクニックは確かだし、ゆったりと息長く繋がるフレーズ感も気持ちいい。低音がパワフルということになっているけど、聞く限りそういう売り文句から想像される爆演系とは全く違い、確かに低音は効かせつつも悪趣味にならないバランス感があって、全体的なタッチも実に丁寧。そう、若いわりに丁寧なんですね。やたらに力任せに鍵盤を叩いて出すffじゃなくて、しっかり奥まで腕の重みで押さえて出してる音だ。ポップに「まだ荒いところも…」なんて書かれてたけど、もっとベテランピアニストでもっと荒っぽい演奏いくらでもあるよ。そういうわけで、若いのに実に安定した落ち着いたピアコン2番で、爆演……でなくてもわりと快速好み(と言えば聞こえはいいがただの邪道好き)の私には少々スリルが足りないなあと思っていたのですが、パガニーニで印象一変。こちらもわりとゆっくりめのテンポ設定だと思うんだけど、それでも決して迫力は損なわれてないというのが凄い。その上、全部の音が聞こえるんです。曲の全部が見える。ここで木管こんなことやってたんだ、とか、こんなとこでトライアングルが、とか。ピアノもオケも、皆がどこで何をやっているのかはっきりとわかる、この見晴らしのよさ。ダイナミックな演奏は多いけど、その分音量や速さに押し流されてわからなかった細部がくっきり浮き出てくる気持ちよさ。このクリアさとダイナミックさの合わせ技で、まさに万華鏡のようなカラフルな印象の演奏なのです。それでいて第18変奏 Andante cantabile ときたらもう堪らないですよあの感動的なベースの効かせよう! 今まで知らなかったパガニーニ。いやあ音楽って素晴らしい(@水野晴朗)。ゲルギーの古巣マリインスキーオーケストラも低弦の残響をめいっぱいブイブイ言わせたいわずもがなな演奏。ロシアものはこうでなくちゃ。グッジョブ、ランラン! グッジョブ、ゲルギー!

 でも全くどうでもいい話なんだけど、ラン・ランはえなりくんに似ているような気がするんだな……。

 『Rachmaninow:KlavierKonzert Nr.2/Paganini-Rhapsodie』 Lang Lang(pf)/Valery Geegiev/Orchestra of the Mariinsky Theatre (Deutsche Grammophone)


■ 2005.3.14   専守防衛

 昨日深夜からメイン回線が落ちてしまい、かるーくブルーになったのですが、どうせ何もできないならいい機会とばかりに何気にイベントログを見て、ぞっとしました。アタックの痕跡が山ほど。adminとかuserとかありそうなユーザーIDでログオンを試みたと思われるレコードが延々記録されている上にANONYMOUS LOGONの記録が! 畜生! これだからWindowsは嫌いだ! とはいえ、売られた喧嘩は(勝てそうなら)買う私。全身全霊でセキュリティ総チェックですよ。HomeEdition使ったことなーいなんて言ってる場合じゃなかった。レジストリエディタなんて久々に見ましたよ。そしてWindowsUpdateの嵐(と言ってもナロードバンドなもんで恐ろしく地道……)。これでどれだけブロックできるようになったか、しばらく様子見です。でもあちこち調べた限り、やはりXPHomeEditionでは防禦に限界があるような。セキュリティポリシーの設定パネルすらそもそもないし。あまりの恐ろしさに常時接続計画が億劫になってきたよ。っていうかProにアップグレードしようかな……。

 ちなみに匿名ログオン(ANONYMOUS LOGON)を制限する方法。
 http://www.ipa.go.jp/security/fy10/contents/crack/research/windowsnt/19.htm
 http://www.port139.co.jp/ntsec_null.htm
 でもこのパッチを当てないと意味ないようです。
 http://hotfix.jp/archives/alert/2005/ms05-007.html

 そういえば、バレンタインデーにチョコあげてないのに、ホワイトデーにお菓子をもらってしまいました。ありがとうありがとう。でもいまや時代は義理ホワイトデーが習慣化するところまで進んでいるんだろうか。


■ 2005.3.12   土曜大工

 大人数でも普段からさして親しくないメンバーが沢山混ざっていても居心地のいい飲み会ってのが存在するんだとわかりました。みんな適当に友達連れてくるし、初対面の人でもそのまま混じって何の違和感もないし。極端な内輪受けに走らない、悪口陰口を言わない、自分が話したら次は人の話を聞く。要はその場にいる全員のホスピタリティの問題なんですね。今の職場の飲みメンバー、すごくつきあいやすくて嬉しい。

 それに引き換え、いくら同報メールを出しても別々に個人宛てメールがパラで返ってくるうちの家族……。前に全員に返信の仕方、教えたはずなのに。バラバラに調整するの面倒なので同報で返してねって返信したら、「了解」という一行メールが同報で流れました。こういうメールコミュニケーション特有のお約束とか、どういう連絡形態をとるのがベストかの判断力って、やっぱり使って鍛えないと身につかないよね。放っておいてもいいんだけど、もともとが連絡の悪いうちの家族皆が下手に携帯なぞ持ち始めて、伝言ゲーム状態の行き違いに拍車がかかり、あまりに面倒くさいことになってきたので実家ITスキル向上計画。思うんだけど、IT化によって組織の意思決定が早くなるとすれば、それはもともと意思決定が早い組織で、ただ伝達スピードがボトルネックだったって場合であって、もともと意思決定が遅い組織をいくらIT化したって何にも変わらないよね。(ああ古傷が痛む……)

 今日やっと部屋の蛍光灯の交換が終わりました。一体いつの話題だ。いや蛍光灯は前々に買ってたんだけど、問題はそれだけでなくて点灯管のほうにもあるとわかり、そいつを買ってきたのが今日。交換自体はサクサク済んだけど、蛍光灯のカバーを嵌める段で変な嵌め方して外れなくなって焦りました。最近の私の休日、すごく日曜大工っぽいな。つなぎの作業服が欲しいよ。

 『たそがれに還る』 光瀬龍(ハルキ文庫)読了。
 なんかすごい無常感を味わわされるエンディングだった。夢も希望もない。でもそういえばSFで無邪気な希望を描いた作品なんてみたことないな。どんな未来を描いていても、そこには郷愁が漂っている。読者(特にいわゆるSFファンと言われる層)もきっと夢や希望をSFに求めてないような。不思議。まあ私もそうなんですけど。

 私が生まれる前に書かれた小説で、かなり現実的な科学ネタ満載なのに、その科学ネタが全く古くないのがすごい。ひょっとして科学って当時からあまり進歩してないんじゃないのかな。さもなければ理論はほとんどもう出尽くしていて、あとは実用化の問題なのか。でもちょっと時代を感じたのは、金星都市エレクトラ・バーグの電子頭脳をハックしたシロウズが計算結果の出力先にパンチ・カードを指定するくだり。パンチ・カードなんて聞いたら、年配のプログラマさんやシステム技術者上がりの管理職クラスには涙ぐむ人もいるんじゃないですかね。パンチ・カードのコードをそのまま読めるとか紙テープでデバッグできるとかって人は、いまやこういう層にしかいないに違いない。私も実は実物は見たことないし。他にもソ連が崩壊してないとか、コルホーズとか。微妙に懐かしい。

 光瀬龍ネタを探している間にこんなところを見つけました。秀逸なネタの数々。


■ 2005.3.10   辛くない

 おとついのカレー(挽肉とじゃがいもと玉葱とキドニービーンズ)の残りでカレーうどん。なんか数年ぶりに食べるよカレーうどん。美味い。

 最終チェック待ちの案件が、もう上つ方で一週間も止まってるんですけど。早めに出せと言われて期限の二週間前に仕上げた私の立場って一体。あと間違いを認めない人ってのは面倒くさいなーと。まあこちらの言い分は通ったからいいんですけど。あんなあからさまなミス、体面取り繕って居直るより、「あちゃー間違えちゃったよ」で笑って誤魔化したほうが、お互い遥かにすっきり治まると思うんだが。あー愚痴ばかりですみません……


■ 2005.3.9   甘くない

 『山椒魚戦争』 カレル・チャペック/栗栖継 訳(岩波文庫) 読了。
 殿堂入り。なので近々暴走列車に感想と臆面皆無の推薦文書きます。今日は飲んでしまったので無理……。

 甘ったるくないあんず酒は美味いです。最近甘さの許容範囲が広がってきた。昔はスピリッツ系しか飲まなかったのに。これって普通、年取るにつれて逆なんじゃないかなあ。お店で銘柄聞くの忘れてしまった。痛恨。一般に、地方で出会う、地元でしか売っていない果実酒は美味いのが多い。和歌山の梅酒、山形のさくらんぼ酒。特に山形のさくらんぼ酒は、ワンカップ大関みたいなガラスコップに入ってリーズナブルな値段で売ってるんですが、これがすっきりしてそれなりに度数も効いてて美味い。全国展開してほしいような気もするけど、きっとそうしたら不味くなるんだろうなあ。


■ 2005.3.7   ブラームス2連発

 土曜のオケの練習で引き続きブラームスの3番があまりにも惨憺たる出来だったので、同じパートの方からイメトレ用にCDを貸していただきました。ブラームスの交響曲2番と3番が入ったの。エンドレスループで掛けまくってます。曲吹いている間はまわりを気にする余裕皆無で全然気づいていなかったんだけど、この3番、すっごい好きかも……。1番には敵わないけど、2番や4番よりは遥かに好きかも。短調で湿っぽいメロディックな旋律、中低音中心の分厚い響き。これでもかと私好みです。なんとなくチャイコフスキーの5番あたりを思わせる甘いメロディてんこ盛り。

 2楽章と3楽章が特に好きです。2楽章なんて吹いててもすごい気持ちいい。目立つ1本だけのソロはほとんどないんですが、ほぼ全部の木管ソロの裏メロディをずっとやっているのですファゴットは。これ、伴奏楽器にはしびれるように嬉しい采配です。ブラームスはフルートやオーボエだけを単独でたくさん使うことはあまりなくて、ファゴットやクラリネットを重ねることが多い。特にクラリネット。ブラームスと言えばクラリネット。ブラームスの曲をやっていると、本当にクラリネットが愛されているのがわかります。絶対に中低音好きですよこの人。どっちかというと中音寄りの。ヴィオラとかクラリネットソナタにも傑作が多いもの。

 ちなみに貸してもらったのはこれ。結構好きなので買っちゃおうかな。
『ブラームス/交響曲第2番&第3番』 カルロ・マリア・ジュリーニ/フィルハーモニア管弦楽団(EMI Classics Eternity)

 ちなみにファゴットは間違いなくチャイコフスキーとストラヴィンスキーに愛されているけど、愛ゆえに酷使される……。サディストどもめ。


■ 2005.3.6   さて正解は

 キーボードに道後ビールを引っ掛けて駄目にした、でした。

 ほんとに大馬鹿過ぎて涙が出てくる。どのみちそろそろご老体のVAIOちゃんは買い換えるつもりだったけど、HDDは全く健在だからLinuxでも突っ込んで遊ぼうかと思っていたのに。キーボードが使えないといかに何もできないかがこの数日でよくわかりました。メモリが足りないだけだったのに勿体ないことしたなあ。

 新しいLavieちゃんが今日来たんですが、いろいろいろいろあって設定に丸一日。ここから後は自分への戒めとして書いておこうと思うんですが、読まれる方には相当ウザい長さになると思われるので、興味がなければ飛ばしてくださいませ。単にアホの上塗りの記録です。

 まず午前中に配達を待っているときに新聞屋がやってくるというケチがつく。普段は心当たりのないインターホンが鳴っても居留守を使うのに、配達だと思ってうっかり応対に出てしまった。紛らわしいんじゃ。これがまたしつこくて職場でもうほぼ強制的に新聞を取らされていると言うと「それやめるわけにいかないんですかねえ」とか言う。何抜かす。と言いたかったけど穏便に「そんなことできるわけないでしょ」と追い返す。それでなくても貴様のとこの新聞は金輪際取らんと今心に決めた。勧誘が完全に逆効果を奏しているんだから世話はない。

 そうこうするうちに13時ごろ待望の新機到着。可及的速やかにデータ移行しなければならないのでMacなどを選ぶ余裕はなく、またWinのノート。こうやってゲイツ君との腐れ縁は続いてしまうわけですね。MSが儲かるはずだ。さすがに新しいのは画面サイズがほぼ同じでも遥かに薄くて軽い。インストール設定もさらに簡単になっていて、もはやセットアップCDなぞついておらず、HDDにすべて格納されているらしい。マニュアルどおりにクリッククリックすれば全部設定できるんだから大したもんです。と思いきや、標準設定でインストールしたらHDD容量約80GBのうちシステムドライブ(C)に約72GB、ユーザー領域(D)に8GBなどという凄まじい割り当てにされてしまう。ふざけんな!とドライブ割り当てができる再セットアップ方式でインストールし直し、ここですでに2時間経過。

 XPを使うのは初めてだけど、2000とかなり似ているのでそれほど困らない。ただ、HomeEditionには2000Proにあったようなユーザーセキュリティ設定がほとんどなくてちょっと落ち着かない。いらんサービスとプレインストールソフトを整理して、画面と電源の設定。一通りOS系設定が終わって次はデータ移行。

 新しいLavieちゃんにはデータトラベリングという便利な移行ツールがあるのを購入時にチェックしていたので、すでにもう半分以上終わった気になっている私。PC同士を繋ぐクロスケーブルが必要なのに今日まで買っていないあたり、まさに慢心の現れ。散歩がてらにおもむろにヨ○バシカメラに買いに行き、帰ってきて衝撃の事実が発覚する。VAIOちゃんにはLANポートがない! ……買ったのがあまりにも昔過ぎて(丸四年前)すっかり忘れていた。最近のノートPCには普通についているけど、ちょっと前はほとんどダイヤルアップ前提だったから、ない機種も多かった。自宅LAN構築計画なんて今でさえも微塵もない私は当然のようにLANボードのないやつを選んでいたのだ。一気に「燃え尽きちまった……真っ白に」な気分。

 ここらへんで午前中からかけっぱなしだったクイケン・バンドのモーツァルト『レクイエム』古楽カルテット編曲版が切なくなってきて、シンディ・ローパー『At Last』に切り替え。気分だけでもアッパーにしないとさ。で、LANポートはないわCDドライブは壊れているわなこのVAIOちゃんから1GB近いデータをどうやって移行するか。一昔前なら筐体引っぺがしにかかるんでしょうが、幸い現代はUSBメモリという便利なものがある。と言ってもうちにはないけどね。というわけでUSBメモリを買いにまたしてもヨド○シカメラに。レジのお兄さんが1回目と同じなのが切ない。この時点で19時。

 あとはFDの要領でコピっては移し、移してはコピるの繰り返し。地道にやるのが結局一番なんですね。データトラベリングが使えればインターネット接続も移行できるはずだったので、ネットワークの設定も入れていなかったから、まずはそこから。メールはソフトごとコピって移行できたから悩まずにすんだけど、FTP設定がやたらに面倒くさい。IDやらパスワードやらどこに保存したのか探すところから始まり、おまけに自サイト以外にボランティアで管理しているサイトやらバックアップ用旧サイトやら接続先が多すぎる! 1個どうしてもパスワードが見つからないのがあるけど、今使ってないサイトだから今日のところはペンディング(でもそのうちペンディングしていること自体を忘れそう)。それから必要なソフトのインストール。設定。数がそう多くないのと、今回は購入時にメモリ追加しておいたおかげでマシンが早いので、ここらへんはサクサク動く。快適で嬉しいんだが、やることが多すぎて嬉しさに浸ってもいられないのが悲しい。面倒なのがWinとOfficeのユーザ登録。あとウイルス対策ソフトのダウンロード。Cookieオフにしてたおかげでこれが3回失敗。その他にも、IEの接続設定とか、各種ソフトの細かい設定なんかが意外と面倒くさい。

 あれやこれや終わって、22時。終わったー!と雄たけびをあげるものの、部屋の中は机の上からベッドの上まで、広げられる限りの場所にダンボールやら部品やらマニュアル類、それらの抜け殻、ケーブルやらインストールCDやら説明書やら設定メモやらが散らかり、足の踏み場どころか寝る場所もない状態に。

 今日これを片付ける気力はないので、適当に隅っこに寄せてもう寝ることにします。こういうことをやるから備品類が全く整理されずに次にまた苦労するってわかってるんだけど。


■ 2005.3.1   PCクラッシュ中

 だというのに何をやっているのか。いえ、使えないのはキーボードだけなので、サイト巡りはできるのですよ。(そしてこれはぷちぷちマウスで打ってるわけですけど……<馬鹿)

というわけで、銀英キャラ占い。

tatsumiさんは ラインハルト・フォン・ローエングラム です!

● ラインハルト・フォン・ローエングラムさんは、プライドが高く、常に高みを目指しているタイプです。自分をより価値のある存在にしていくために、日々の努力を怠りません。リーダーシップを取るのも得意で、いったんグループの中心になったら、周囲の人々に細やかな配慮を示します。リーダーの座に納まってワガママを言うのではなく、リーダーとしての責任を十分に果たし、グループ全体をさらに良い状態へと導いていける人なのです。こういった性格は職場でも良く生かされ、あなたはどんな困難にも負けず、着実にキャリアを積み重ねていくことでしょう。また、感受性が強く、子供のような純真さも持っています。恋愛面でも、主導権はあなたのほうに。自分たちがもっと親しくなれるように、みずから二人の関係をリードしていくはずです。
ラッキーカラー:金色 ラッキーアイテム:銀のアクセサリ

● tatsumiさんの隠れた趣味は、のぞきです!

何故だ! 私はアッテンボロー好きなのに! 帝国なんか辛気臭くて趣味じゃないのに! しかものぞきって何だ!(爆笑)

ちなみに今日の運勢は12人中11位。ブービーです。さらにちなみに最下位は不幸コンボ炸裂のヤン。

 ……ほんと碌なことしないな、テンション低下期間中って。早く復活できるよう鋭意努力する次第。






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