2006年1月の不定期日記 戻る 
不定期日記

■ 2006.1.31   一服

 早く桜の園の感想書かないと忘れちゃうとか早く寒中見舞い整理しないと季節外れもいいところとかどっこも盛り上がってない(涙)から局所的にショスタコ祭りでも自前でやりたいなあとか思いつつ、今日も一回休み。

 その代わりに現実逃避もとい気分転換に2chクラシック板に入り浸ってみたり。驚くべきことに、私の楽器のスレがあったのですよ。しかもレスが400もついてる! やっぱり楽器のキャラクターかそれほど大荒れもせずほのぼのした雰囲気なのが(2ちゃんなのに!)微笑ましいですね。2ちゃんでなごむなんて〜。


■ 2006.1.29   連日

 遊ぶのは良くないですね。感想が追いつかない。

 まずは、ゲルギエフ指揮/マリインスキー歌劇場管弦楽団、ミューザ川崎公演(1/27)

 うざ長くてすみません。そのうち倉庫に整理します。→こちらに移動しました。

 今日の『桜の園』の感想はまた今度。


■ 2006.1.28   アカシア

 の蜂蜜を貰いました。甘ーい。美味ーい。

 今週末はイベント目白押し。今日は職場の同僚の新居に押し掛け、明日は別の同僚の舞台を観に行きます。

 昨日のゲルギー&マリインスキー in ミューザ川崎(すんばらしかった!!!)の感動も叫びたくて仕方ないんですが、今日は一回休みということで。<今日に限らず休んでるじゃないか。

 いい加減ぼろぼろになっていた台所のラックの新品がやっと到着。これから出かけるまでに組み立てられるかな。


■ 2006.1.26   大人は信用できない

 と、子供の時分から頑なに思ってましたけど、大人になった今、さらにその思いが強固になりましたよ。だって、こんなんが大人ですから。ドーント・トラスト・オーヴァー・サーティーズ。

 というわけで、十の位が一つ繰り上がった記念すべき誕生日でした。やはり今年も忘れてました。ここ数年、毎年忘れてるなあ……と思って過去の日記を確認してみると、少なくとも2002年からこっち毎年忘れてました。時期が悪いよ。毎年この季節忙しいんだもんさ。大学4年のときなんざ、卒論の提出締め切りと重なっていたような記憶が。何人かの方からおめでとうメッセージやプレゼントをいただきました。ありがとうありがとう! っていうか覚えていてくれたっていうのが凄い。私なんか両親の誕生日でさえもよく間違えて覚えてるのに…(問題外)

 今日やっといろいろ溜まっていた作業が片付いて、そこそこ人間らしい時間に会社を出たら、駅前でストリートライブやってました。Jabber Loopっていう、えーと、貰ったチラシによればハイブリッドジャズバンドだそうですが、こういうのフュージョンって言うんじゃないのかな。DJが入るから? さすがにCDも出ているバンドらしく、そこらのストリートバンドとは桁違いに上手い。特にドラムスが抜群に上手い。切れ味といいパンチといい、気持ちいいくらいの叩きっぷりですね。トランペットとサックスがソロを取ってるんですが、音色は文句なし。二人ともいい意味でジャズバンドらしくない、むしろ育ちのいいキレイな音で、欲を言えばもうちょっと音量とパンチが欲しいところ。ドラムとベースがかなりヘヴィーなので、パワーバランスがちょい悪い感じですな。ともあれ、しばらく気持ちよく聴かせて貰いました。この寒いのにお疲れっ。

 久々にごった煮スープ。白菜と袋茸と長葱と大蒜とベーコンと卵とマカロニ。鶏ガラスープの素と料理酒を使った後に大さじ1杯くらいのバルサミコ酢を入れると、ほとんど塩を足さなくても済むことを発見。それにしても中華風なのかイタリアンなのかわからん代物だな。


■ 2006.1.24   いつでも音楽祭

 現実逃避にコンサートのチケットを取ることしか頭にないですよ。

 ところで今思い出しましたが、今年はショスタコーヴィチの生誕100年ですよ! この機会にいろんな方面でタコ祭りをやってくれることを期待してます。レコード界はばんばん便乗していろんな録音蔵出しして欲しいし紹介もして欲しい。オケ界は勿論、一週間耐久ショスタコ交響曲マラソンとかやって欲しい。(ベートーベンとかよくやってるじゃん? でもベトみたいに一日じゃ到底終わらないね。どう頑張っても一日1〜2曲ペース) とか言ってる間に早速コンセルトヘボウ管&ヤンソンスの北米ショスタコ・ツアーなんてのを見つけて身悶えしてます。(さすがにアメリカまで追っ掛けはできん。日本には来てくれないらしい。一昨年NHKホールでヤな思いしたからかな。すん…) それに比べ日本はイマイチ盛り上がってないなあ。見つけたのは都響の<作家の肖像シリーズ>のタコさん特集と交響曲第八番くらいか。タコさん特集は五番でこれまた定番。この際、あまり演奏されない曲をやってくれればいいのに。十三番とか。(おおっとぉー……客入らないだろうな)

 東フィル&小山実稚恵のピアノ協奏曲第一番なんてのも見つけてぐらぐら来たけど、東フィルは去年、文字通りスリリングな『運命』を聴かせてくれたから、どうも二の足踏んでしまうな。ちなみに東フィル&アムランのショパンのピアコン(二番だったかな)なんてのにもドキドキぐらぐら。そして結局、バッハ・コレギウム・ジャパンの『マタイ受難曲』なぞを取ってしまったり。いや、せっかく予習が出来てるんで、生で聴いてみたいなあ……なんて。

 ま、今週手始めにゲルギー&マリインスキーで五番聴いてくるし。


■ 2006.1.23   首都を制すに

 ミサイルは要らない。ただ10cmの雪を降らせればいい。

 土日で関東の雪による怪我人700人超って、ハア? しかも記事を見るに、道路で滑って転倒(骨折)とか階段から滑って転倒(骨折)とか雪かきしてて転倒(骨折)とか、どう考えてもどうしても出かけなければならないような必要性のない人々がわざわざ出歩いて怪我をしているとしか思えないんですが。なんであんな日に出歩くんだ? 犬の散歩ってあんな日にしなくてもいいじゃん。雪かきするほどの雪積もってないじゃん。(高々10cm) 何だかなあ。こういうのと本当に積雪が被害になるような土地での雪による犠牲者と一緒にしてもらいたくないよなあ……と、屋根の雪下ろししてて軒下の雪山に落っこちたことのある人間は思ったり。


■ 2006.1.22   試運転

 体調不良が胃に来ているようで、昨日の晩御飯の白菜チゲうどん、食べた直後に戻してしまった。汚い話で申し訳ない。しかし勿体ないー。(問題にするところが違うか…)

 そゆわけで、今日は昨日大量生産したスイートポテトをちょっとずつかじりつつ、スープで生きてます。白菜と筍と鶏のスープ。昨日の卵白が余ってたので投入。生姜湯かってくらい生姜を効かせる。卵がふわふわで美味い。お腹を壊したとかじゃないようなので、胃がびっくりしないようにちょっとずつ食べれば問題ないようで。

 午前中には目覚まし代わりにショスタコーヴィチのピアノ協奏曲(これほんとに楽しくって元気出る)、午後からはお絵かきのBGMにヴィヴァルディの弦楽合奏のための協奏曲集とフラウト・トラヴェルソ協奏曲集を掛けっぱなしにしてました。ヴィヴァルディって決して思考の邪魔をせず、それでいて一緒に鼻歌も歌える程度に自然に耳にも入ってきてくれる絶妙な匙加減で、BGMには最適。


■ 2006.1.21   法則

 世の中ヘンな法則がいろいろあるようで。

 センター試験日には雪が降るというジンクスを今年も更新しましたね。もー横浜も真っ白。

 今週はテンパってたなあ。でも半分は私のせいじゃないと思うな。どうして前工程の上がりが遅れるときって手持ちの案件が一斉に遅れるんだろう。案件同士、担当者も全く違うし相互に何の関係も影響もないはずなのに。

 で、原因の残り半分は、仕事を放り出して都響のメシアン・別宮プログラムに行ってきたことです。(1/19) サントリーホール。もう予定入っちゃってたんだからしょうがないよ。(出た開き直り) でも眠くてうつらうつらしてしまったのが勿体なかった。別宮さんの音楽は玉虫色のキレイさでバーバーと似た系統の気持ちよさがある。もともと都響は管楽器がかなり上手いオケだと思うんだけど、若杉氏が振るとさらによく鳴る気がする。とにかく全部の楽器の音が全部よく聞こえる。へくったのもわかる。(笑/まあ誤差範囲だったし) 曲とかホールにもよるんでしょうけど、若杉氏もあまり管楽器を抑圧しない指揮者なのかも。しかしこのプログラムのトランペットは大変だったね。よく吹き切った。お疲れっす!

 焼き芋にも飽きてきたので、スイートポテトに挑戦。計量がいい加減でもできそうだし(笑)  ネットで見つけたレシピを例によって我が家の在庫と設備と気分によって適当に変えてます。ざっくりした分量とレシピ。

 薩摩芋:大2本、グラニュ糖:50g弱(元のレシピでは50g)、マーガリン:約大さじ1(元のレシピではバター30g)、卵黄:2個、ベイリーズ:大さじ1(今回最大の邪道。元のレシピでは牛乳か生クリーム:大さじ2、コンデンスミルクを入れるバージョンもあるようですが、この場合は大さじ2では多いでしょうね)

1.薩摩芋を2cmくらいの輪切りにしてしばらく水にさらしてから柔らかくなるまで茹でる。
2.茹であがったら皮を剥いて潰しながら熱いうちに砂糖、マーガリンを混ぜる。次いで卵黄を、焼く前に表面に塗る分をちょっと残して混ぜ、最後にベイリーズを投入。
3.適当な銀カップに入れて、表面に卵黄を塗り、オーブントースターで約5〜7分焼く。最初、表面の卵黄が固まるくらいまではそのまま焼いて、焦げないようにアルミホイルをかぶせ、最後にちょっと焼き色をつけるためにホイルを外す。

この分量で、写真の大きさのが9個できた。多いっての!(笑) でも出来上がりを一気に三つも食った私。初めてにしてはまあまあスイートポテトらしいものが出来上がったので嬉しい。

 反省点。ベイリーズが甘いので砂糖を少なめにしたのですが、もっと少なくても良かったかも。あと牛乳も省略したんですが、ちょっと入れたほうがもっと滑らかになったと思われる。何が大変って、芋を潰すのが一番大変ですね。あとよく混ぜること。食べてると部分的にえらく酒の味が強い部分に当たったりする(笑) 本当に滑らかにしたいなら裏ごししたほうがいいらしいけど、私のは粒がごろごろ入っているワイルドバージョン。酒はブランデーとかラム酒とか入れてもいいらしい。バニラエッセンスやシナモンもいいね。オーブンで焼くのが本式ですが、その場合、180〜200℃で20〜30分だそうです。

 さてさて、実はこれのために砂糖を初めて買ったんですが(さすがにみりんを入れるわけにはいかん)、あとどうやって消費したらいいかな……。


■ 2006.1.16   奈良

 を忘れてた……。東京・京都・奈良・九州の4つですね国立博物館は。失礼しました。訂正。関西に住んでた頃よく行ったのに。新しく出来た九州にもそのうち遠征せねば。

 おからが投売りされていたので、卯の花を作ってみました。人参と長葱と突き蒟蒻。例によって味を薄くしすぎたので、壱岐土産のちりめんひじきを混ぜ込んで調整。素朴で美味いね。しかしどんぶり一杯できてしまったので、しばらく卯の花三昧です。ついでに余っていた酒粕を投入して似非粕汁(酒粕風味の味噌汁)。昔は白味噌なんかも嫌いだったのに、ほんと最近甘みの許容範囲が広がってるな。

 にしても最近味覚が純和風になってきた。日本が嫌になっても亡命できない身体になりつつある。


■ 2006.1.15   ぽかぽか

 暖かい日曜日でしたね。ポケットから手も出せないような冬日が続いてましたからね。

 久々に東京国立博物館に行ってきました。ついにパスポート購入。だって3000円で、東京・京都・奈良・九州の四博物館の平常展入り放題、特別展も六つまで入れるんだからお得ですよ。平均して特別展に年二回くらいは行っているので十分に元が取れると思われ。

 書にさして興味はないので今回は特別展はパス。平常展だけ見てきました。ちょうど松林図屏風と洛中洛外図・舟木本が出ていたので十分儲けもの。前に本館に入ったのは一年近く前だと思うんだけど、特別展示以外はあまり展示物が替わってなくて(特に一階)、それはそれで安心感を覚える。曹源寺の十二神将像(これ大好き)なんか「よっ、久しぶり」って感じ。 二階は結構変わっていて、百済観音のレプリカが増えてましたね。前に本物が来たときに作ったのかな。あと伊藤若冲と円山応挙がちょこちょこ出ていたのが嬉しい。特に応挙のスケッチ帳には感動。凄い観察力と画力。小さく書き込まれたメモも面白い。北斎と広重も出てました。富嶽三十六景の「程ヶ谷」が出てて、昔は保土ヶ谷から富士山見えたんだーと感心。そして広重にはつい自動的に永谷園のお茶漬けを連想してしまう……。

 借りている『のだめ』を読んでます。最高! 最高! 何がツボってのだめのあの廃人な部屋。ものっそいデジャ・ヴュが!(笑) いやもう全く申し開きできませんね。ホルン奏者以上に、オーボエ奏者やファゴット奏者も「小さく」と言われるとムカつきます。大変だから!


■ 2006.1.14   天気が悪い

 と家から出なくなる典型的な出不精。あ、最近はこういうの引きこもりって言うのか。

 とは言え冷蔵庫が空なので買出しに行ったら鰤アラが安かったので、いつも遊びに行っているサイトさんで紹介されていた鰤アラの粕汁をやってみました。例によってレシピ逸脱気味なので、邪道を働いた部分だけメモっておきます。

 鍋の大きさと消費者の頭数から分量をかなり縮小。鰤アラ:半パック、大根:約4分の1、人参:小1本、突き蒟蒻:約3分の1パック、椎茸:省略(あんまり好きでない)、油揚:省略(4枚入り150円しかなかった。そんなに消費できるか)、長葱:適量、大根の葉:適量、甘酒の素:250g入りの約半パック(甘味料抜きのやつ。酒粕には違いない)、だし:適量、味噌:適量、料理酒:適量、醤油:若干。……この後半の適量の嵐。それに野菜とその他の分量比がおかしいですかね。

 手順はほぼレシピ準拠。鰤アラを霜降りして野菜と一緒に煮込む→火を止めて酒粕と味噌を溶く→さらに煮込む→鍋止め→ちょっと暖めて食う。以上。問題は水分調整とか言って酒をどぼどぼ入れてたことですか(爆) 酒粕入れるのに! あと私の場合、味噌の比率高めです。元々酒粕そのものだけの味はあまり好きでないので、粕汁というより酒粕入り味噌汁という感じ。でも美味いでーす! 鰤と野菜の出汁がこたえられませーん! ほぼ1食で食い尽くす勢い。御飯なくてもお腹一杯になりますね!(そりゃ明らかに食い過ぎだから) 素敵レシピありがとうございました。

 鰤アラと酒粕が半分残っているからもう1回粕汁を作ろうか今度は鰤大根にしようか迷い中。

 結局、鰤大根にしました。味付け薄くしすぎた。汁が飲めちゃいますよ。明日にはもうちょい煮詰まってしっかり味がつくはず。


■ 2006.1.13   冬眠

 状態です。頭が。

 『ホワイトライト』 ルーディ・ラッカー/黒丸尚 訳(ハヤカワ文庫)(1/12)
 通勤時に読んでたらえらく時間がかかってしまった。数学理論とオカルト色の強いSF版不思議の国のアリスと言った感。身のこなしの軽い荒唐無稽さとナンセンスさ。「いつでも満室のヒルベルト・ホテル」における空室の作り方なんか無茶苦茶アリスっぽいし、実際ドードー鳥のレースなんかも出てくるし。しかし筋立て丸ごとを無限に関する数学理論をベースにしているようですが、肝心の理論部分は数学音痴な私では解説を読んでもちんぷんかんぷんでした。骨の髄まで文系人間にはハードルが高かった模様。(がくっ)

 キャベツ約4分の1とじゃが芋とソーセージを鍋にぶち込んで塩と鶏ガラスープでひたすら煮る。本当に冷蔵庫に食材がこれしかなかったのだ。当然ビールを開けるだろう。ドイツの田舎暮らしを心身ともに味わいました。たまに食べると美味しいんだけど、これが毎日はつらいな……。その後は頂き物の静岡土産、鰻の骨のから揚げをぱりぽり齧りながらジンをちびちび。


■ 2006.1.10   枯れススキ

 こんな辺境のページビュー/日が50を超えた日にはどこぞにURLでも晒されたかとドキドキするチキンハートなあたくしですが、何のことはない、自分で編集中に繋ぎっぱだった……。もうここのカウンタ外しちゃおうかな。

 禁断症状に半日も耐えられなかったのでコーヒーフィルタを買ってきた。ハンズをうろうろしてるといろいろ欲しいものが目に入ってきて身体に悪いです。コーヒーミル欲しいなあ。軽くてコンパクトで割れなくて丸洗いできて挽いた粉をそのまま保管できるやつないかなあ。(注文多すぎ)


■ 2006.1.9   三連休

 結局ごろごろして終わったな……。まあ最近遊びすぎだったのでひさびさにゆっくり出来てよかったですが。三連休で細めの大根1本を食い切りました。寒い日の鶏大根は美味いね。

 暴走列車で宣伝しておりますが、『フーコーの振り子』ハードカバー版を、送料のみでお譲りします。ご希望の方いらっしゃいましたら、是非ご一報くださいませ。

 コーヒーフィルタが切れた! 禁断症状で手が震える!


■ 2006.1.7   新年早々

 羽目を外し過ぎた……。正月の大移動だとかぐずり続ける風邪だとかで消耗気味だったとは言え、ビールだけで気持ち悪くなるなんて弱りすぎ。空きっ腹に4本も飲んだのも拙かったのか。

 英国ファンタジー二連発。

 『魔法使いハウルと火の悪魔』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/西村醇子(徳間書店)(12/31)
 荷造りしながら斜め読みし終わってたのを思い出した。宮崎駿の『ハウル』はストーリーはともかく、キャラクター的に(登場人物ではなく、登場人物の人格的に)は原作にかなり忠実に作ってたんですね。特にハウル。あの映画の通りの、いやむしろ映画以上のナルなヘタレでした。ヘタレ萌えするにはナル属性が邪魔だ。負け犬なソフィーのサクセスストーリーとして読もうにも、どうもソフィーにも感情移入しにくい(全般的に描写がぎこちないのは翻訳のせいもあるかも)。というわけで、映画見てなければ読まなかった本でしょうな。ストーリーがどれだけオヨヨでも、あの動く城の映像だけで映画には価値がある。それが映像の凄いところですよね。そして何より、あの映像をこの原作から生み出した想像力が凄いと思います(城の描写なんかほとんどない)。映画のほうが原作より良いと思った稀有な例。

 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 上・下』 J.K.ローリング/松岡佑子 訳(静山社)
 双子炸裂! いつかはやってくれると思っていたけど、いやもう華々しい大活躍でした。もう完全に主人公そっちのけですな。このシリーズ、絶対ウィーズリー家で保ってますよ。正直ハリーくんの反抗期にも初恋にも恐るべき予言にもさして興味のない私なのでした。大体、初対面でルーナの良さがわからんガキはお呼びでないわよ。ところで、本文中のフォント変更や書体の強調など、原作でもこの通りなんですかねえ。巻を追うごとに矢鱈に目立つようになってきた気がするんですが。登場人物の心の声まで太字で強調してくれんで十分だがね。一昔前のテキストサイトみたいでちょっとうざいと思ってしまった。

 というわけで、どちらも長らく借りっぱなしで申し訳ありませんでした。速やかに返却しますです。


■ 2006.1.5   トリノと文学賞

 オリンピックにはあまり熱中するほうではないんですけど、冬季は種目が圧倒的に面白いので比較的チェックします。今回の話題はフィギュア一色ですが、私はどちらかと言うとホッケーとアルペン大回転のほうが好きでして。銀盤ならアイス・ダンス。フィギュアはどうも体育会なスポ魂全開であまり見た目で楽しめないんですよねえ。エギジビションは結構面白くて好きなんですけど。その点アイス・ダンスは遊び心があって好きです。ジャンプよりステップ。お色気度が高いのもなお良し。正月旅行中も宿でアイス・ダンスの特集番組をかぶりつきで眺めて、きれーいスタイルいいー足ながーいおっしゃれーと叫びまくってました。その割りに選手の名前を覚えない私。見た中でお気に入りはカルメンをやったアメリカのペア(女性がエキゾチックな超美人!)、そしてイスラエルのペア(これまた女性が超可愛い! 赤毛美人に弱いのだ)。

 ついでに話題のフィギュアのほうもチェック。日本勢の中では私は荒川選手が好きかな。プルシェンコはあれですね、ハウルですね。私はわりにイロモノなキャンデロロとか大好きだったんですけど。(もう古いか) それにしてもフランスのペアはどうして出てきた瞬間に「フランスだ」とわかるくらい何もかもがフランス的なんだろう。黒と紫の衣装をシックに着こなせる国民性には感心しきり。そして中国のペアはどうしても雑技団に見える。だってあの投げるリフト(技の名前がわからない…)なんかもう、飛距離も高さも群を抜いてましたよ。そういえばフィギュアでヴォーカル曲を使っちゃいけないって初めて知りました。歌詞がわかるわからないに採点が左右されるからだって。でもそれ言ったら曲自体のバックグラウンドをどの程度知っているかなんかにも左右されそうだけどなあ。

 芥川賞と直木賞の候補作発表。芥川賞はここしばらく受賞作が全く趣味に合わないのでチェックするのをやめてたんだけど、今回は松尾スズキが入ってるのが凄い! 新人かどうかは微妙だけどなあ。直木賞はもはや全く新人賞ではなくなったようで、どれもこれもどこかで見たような名前ばかりだけど、姫野カオルコが入っているのが嬉しい。獲れるといいなあ。


■ 2006.1.4   帰還

 無事豪雪地帯から帰還しました。ここ数年、ほぼ正月恒例になっている温泉旅館でごろごろ食い倒れ友の会の会合です。大晦日の23時半東京発の超格安夜行バスで金沢まで。そこからさらに高山行きのバスで約1時間半で白川郷着。1日の10時頃、幸運なことに数日雪が降らなかったらしく路面も良く、快晴でバスはほぼ遅れなし。

 白川郷は真っ白な雪景色で大層美しかったです。その一方でやはり寒さは厳しい。合掌造りの中は本当に寒い。晴れている日なら外のほうが日差しが当たって暖かいと聞いたけど、これ本当。夏涼しく過ごすために作られた構造なので冬は隙間風が酷いらしい。暖を取れるのは囲炉裏だけで、しかしこの囲炉裏の煙で家が内側から燻されて防虫や黴除けになるそうです。でも今は昔ながらの囲炉裏で燻しをしている家は数えるほどで、家の寿命は確実に短くなっているだろうとのこと。その後、タクシーで展望台に寄ってもらって全景を眺める。ほんと深い谷間の小さな集落で日本昔話の世界。その展望台付近のお土産屋さんで新年恒例の七福神踊りを見物。村の人持ち回りで七福神に扮して家々を言祝ぎして回るらしく、タクシーの運ちゃんも数年前に出たそうだ。

 地元のお寺の方やタクシーの運ちゃん、スキー場のレストランの方(こちらは翌日ですが)などとお話して(というかあまりの寒さに囲炉裏やらストーブの前に根が生えていた私たちにお話してくださった)昔の姿を維持していく難しさをひしひしと感じました。世界遺産世界遺産と騒ぐのは簡単ですが、もっときちんとグランドデザインをしてお金を出すところを考えたほうがいいと思います。

 ともあれ神妙になったのも束の間。平瀬温泉の宿に移動した途端、いつもの面子のいつものまったり加減全開。まだ夕食前なのに勝手に布団を引き出してごろごろしながらテレビを見る。夕食は飛騨牛のしゃぶしゃぶ。美味い美味いと言って苦もなく完食。食後は部屋で白川郷で買ってきたどぶろく(タクシーの運ちゃん曰く「にせもの」らしい。本物は神社でしか作らないそうだ)をちびちび。

 翌日は近くのスキー場に行ったものの、霙混じり重量級の雪で東京もんどもには歯が立たず。早々に宿に戻って食う→風呂に入る→寝るの無限ループに突入。この面子が集まるとこれしか話題がないのかと言うくらいまたしても好きな俳優談義。何故か気に入るアーティストやら俳優やらスポーツ選手やらが片っ端からゲイだと判明するY嬢は、最近は自らそのテの話題を積極的に振るせいか続々情報が集まりもはやデータベース化している模様。夢見る少女(似非)なH嬢は八犬伝のたっきーがいたくお気に入りで是非武侠映画に出て欲しいと力説。勿論「義経」も欠かさずチェックしていたそうだ。曰く、コスプレが見たいのであって普通の格好をしているたっきーは見たくない、らしい。私はと言えば八犬伝はキャストが徹底的に気に入らなかったのでフテ酒。たっきーの信乃はともかく、現八は浅野忠信、旦毛野は松田龍平にやってもらいたかった。あ、これ『御法度』コンビか。そして去年に引き続き渡部篤郎に大ブーイング。コスプレが駄目というよりロンゲが駄目だという結論で三人合意する。

 三日目は夜半からの雪でバスが大遅延。それでも昼くらいに高山に辿り着いて、ここで食い倒れを敢行。駅に荷物を放り込んで、町並み保存地区に辿り着くまでに五平餅を食べ、みたらし団子を食べ、飛騨牛コロッケを食べ、高山中華そばを食べ、町並み保存地区で牛串焼きを食べ、全く町並みを見ない三人。そうこうする間に列車の時間がやってきて、これから九州まで大旅行をするH嬢とお別れ。正月恒例食い倒れ友の会はここで解散。東京に帰るY嬢と実家に寄る私は名古屋でお別れ。

 というわけで実家に顔を出して帰ってきました。バス旅行もなかなか良いもんでした。あー明日の仕事初め、社会復帰できん。






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