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指輪マラソンの軌跡。
足掛け3年。
結局、映画とおんなじだけの時間かけてうろうろ寄り道してました。
あちこちにばらばらと散っていたのをかき集め。(2004.4.3)
 →さらにかき集め(2004.4.18)
 →これでいったん終了。シルマリルはまた機会があったら。(2004.4.24)


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■ 2004.4.24  (日記抜粋)

 『指輪物語 追補編』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 読了。
 索引部分を時間かけて、ちびちびと、ぼへーと読んでました。なんかこのときが一番幸せだったような。無人島に持っていくなら、辞書です。それも国語辞典ではなく、漢和辞典。なるべくでかくて分厚いやつ。百科事典を全巻持っていっていいならそれもいいけど。


■ 2004.4.14  (日記抜粋)

 相変わらず『追補』をゆるゆると読んでます。やっと何のことだかわかった固有名詞がいっぱい。言語学パロディはやっぱり大マジでちょっとびびりました。


■ 2004.4.10  (日記抜粋)

 本日の指輪
 『追補』楽しいです。執政家がポイント高いです。私がだらだらと日記に呟いてた印象がばっちり書かれてました。弟は文系、兄貴は体育会系。ゴンドールの代表としてファラミアがロリアンに行ってたら全く違う話になりそうです。アラゴルンやっぱり二つ名多すぎです。エステルにソロンギル? もう勘弁してくれ。最初から『追補』を手元に置いて本編を読めばよかった。今ドゥリンの一族のとこを読んでますが、この先の言語学パロディを実は楽しみにしてます。いや、パロディだと思いたいけど、ぱらぱら読んだ感じでは結構本気くさい。物語のなかだけにとどまっているからいいんですけど。文字や言語を作りたいという欲求は、究極的には世界を自分のものにしたいってことなんじゃないかと思います。それが空想の世界にとどまればいいけど、現実世界を侵蝕しはじめると大変不気味です。日本の神代文字とかエスペラントとかを胡散臭く感じるのは、このせいなんだよな。


■ 2004.4.6  (日記)

 『指輪物語 王の帰還・下』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 読了。
 みんなみんなおつかれー! やっぱり終いはこれで結んでしまう私。『二つの塔』下巻からこっち、サムがむちゃくちゃ名台詞吐きまくりです。「めでたしめでたしというのは、家に戻って来て、そして何も変わりがないってことを見つけるこってすからね」(『二つの塔・下』) だからまだ旅は続くんだよねきっと。

 ちょろっとしか出てきてませんが、ロージーいいキャラです。映画のロージーも可愛かったな。女優さんの名前見損ねてしまった。

 なんとなーくゴンドーリアンをローマ人、ロヒアリムをケルト人ぽく想像してましたが、田中明子さんの訳者あとがきを読んだら、あながち見当外れな印象でもなかったようです。映画に出てこなかったキャラのキャスティングをいろいろ考えて遊んでいるのですが、ベレゴンドは昨日決まったものの、イムラヒル公が決まりません。キラキラ金髪の美中年なんてそういるもんじゃないです。ちょっと地味めだけど、いまのとこコリン・ファースが一押しかな。ハルバラドは誰だろう。ローハンの騎士がお子ちゃまに見える威厳と落ち着き。ショーン・コネリーではちょっと人間が丸すぎるかな。

 『追補』を読み始めているんですが……何ですかこれは一体。ここまでくるとマニアック通り越してオタッキーです教授。でも聖書でも創世記が実は好きだった私は完全に同じ穴の狢で、嬉しがって固有名詞の海に溺れております。てゆうか、これ読まないとあちこちの細かいエピソードがわからないですよね。でもそうするとまたいちいちそのエピソードを確かめたくなるし、世界観が掴めたところでもう一回読むとまた違いそうだし……って、フルマラソン? も、も一回?


■ 2004.4.5  (日記抜粋)

 『指輪物語 王の帰還・下』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 読み中。
 フロドとサムの道行きに涙。オークからのフロド救出劇、よれよれの状態での最後の山登り、今にも振り切れそうに天秤の上を揺れ動くフロドの精神、指輪とゴクリの最期。映画を見ていたのがプラスに働いているとは言え、怒涛のようなドラマに胸が熱くなりました。ホビットが出てくるシーンは、これまで実はちょっと退屈してました。第一部の『旅の仲間』が最たるもので、ヤツらの能天気さ軽薄さ、田舎くささにいらいらしたりもしてましたが、『二つの塔』下巻から一気に巻き返し。しかし、この期におよんでゴンドール連合軍が黒門を攻める必然性が実はよくわかっていません。きっとどこかを読み飛ばしたんだろうな。あとで要巻き戻し。それより、こんな危急存亡のときに、留守居役のファラミアがエオウィンを口説いています! おいおい。それはいいけど、あまりの理路整然たる口説きに口あんぐり。ぐうの音も出ません。認識を改めましたよファラミアさん。そして案外あっさりオーケーするエオウィン。……エオウィンとボロミアって、タイプ似てるかもしれませんね。ボロミア(がもし生きてて)とくっついたら、世にも恐ろしいイケイケなカップルが出来上がりそうです。こんな二人、止める人がいません。ファラミアで良かった。

 ……いつにも増して阿呆な感想ですみません。でもファラミアとエオウィンのエピソードには、ボロボロになって命がけで指輪を始末したフロドとサムの感動が危うく吹っ飛びそうでした。

 映画『carmen.』を観てきました。イギリス人てどこにいても一発でイギリス人とわかりますね。全体に白い衣装とか乗馬ズボンとか、眼鏡とか。そういう典型的なイメージをあえて出しているのかしら。パス・ヴェガとペネロペ・クルスは黙って立っていれば黒髪黒い目に面長と結構共通点はあるのに、パスのほうが圧倒的にカルメンなんでした。レオナルド・スバラグリアが美男子かどうかは意見が分かれるところですが、きっと横顔の人が良さそうなところが抜擢のポイントだったんだろうと勝手に想像。ベレゴンドを演らせるなら彼だ!とさらに勝手に一人で盛り上がってました。……どこまでも本編と関係ない感想。フロドと同じくらい指輪に蝕まれてます。


■ 2004.4.4  (日記)

 『指輪物語 王の帰還・上』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 読了。
 ベレゴンド! いい奴です。この人、映画にも出してほしかったな。脇だけど、ゴンドール一般人を代表するようなとても重要なキャラだと思います。イムラヒル公といい、脇役の書き込みがすごく丁寧で一人一人個性があって面白い! 誰一人として物語をもっていない登場人物はいないのだという風です。エオウィンが何故自分が一緒に行ってはいけないのかとアラゴルンに食い下がるところ。そうだそうだエオウィン! もっと言え! しかし寺島さんの絵は中世ヨーロッパ絵画やイコンのようなタッチで雰囲気あるとは思うんですが、やっぱり映画を見た後だとギャップが大きいです。ナズグルを斬るエオウィンの勇姿にくらくら。その後、アラゴルンに癒されるファラミアの図に第二回目のショック。うう、罪作りだ映画。でも逆にストーリーの厚みから言えば、原作のほうが映画より遥かに濃いですね。ボリュームが全然違うから当然か。映画には時間という制約があるから仕方ないと思うし、あのボリュームのエピソードを全部映像にしたら、見るほうもかなり混乱しそうだ。というわけで別に映画が薄かったとは思わないし、あれはあれで表現方法が違うんだと。

 ところでゴンドール人て原作では黒髪に灰色の眼なんですね。映画の執政兄弟のあのキラキラの金髪は一体……役柄的にはそれぞれぴったりの役者さんだったと思いますが。体育会系単純思考、父上至上主義の兄と、父も兄も愛しているけれども自分は愛されないことを深く自覚している屈折した影のある弟。キャスティング上手いです。ああだめだ。『二つの塔』から映画もう一回見たいです。『王の帰還』はまだ行けるけど、『二つの塔』はやっぱりDVDしかないのか。

 昨日の日記で、指輪世界の民族の描写について書いたときに、どこかで似たような意見を読んだなーとぼんやり思ってましたが、思い出しました。作家・佐藤亜紀さんのサイト("大蟻食の生活と意見"の「原作殺し」)でした。似たようなどころか、酷評されてました。たはは。全然憶えてなかったよ私。鳥頭。佐藤さんの言う「すこぶるアングロサクソン的な無邪気さ」ってのには、全くの同感です。他にも納得できる部分もそうでない部分もありますが、あえて反論させてもらうなら、原作を全部読んでいなくて(第一部でさえも)、どうして映画に原作への批評精神が全くないと言い切れるんでしょう。佐藤さんは文中で指輪物語原作を最後まで読んでいないことを明言してますが、批評をするならそれはエクスキューズにはならないと思うな。うう。苦し紛れ。それでも私は佐藤さんのファンだったりするので、今日書店で『雲雀』を見つけて買ってしまったりしてたんでした。あーあ。先月に引き続き火の車。


■ 2004.4.3  (日記抜粋)

 『指輪物語 王の帰還・上』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 読み中。
 デネソール登場! 堂に入った悪人っぷりに惚れ惚れ! 映画のデネソールはヒドい人っぷりより息子を亡くした老人の狂気と悲哀が勝ってましたが、原作版では、全くの正気、明晰な判断力を持った上で、それを鞭打ち焚きつける狂気にくらくら。強烈な自負と誇りとエゴイズム、それを支える冷徹な判断力、洞察力と精神力。素敵すぎる! やっぱりこういう人がいないと歴史は面白くない。デネソールがボロミアを可愛がるのは、彼が良い意味で単純馬鹿だからです。逆にファラミアは自分に似過ぎてて同族嫌悪。です。きっと! 彼はリア王ではなくてマクベスです。それも、マクベス夫人の存在なんか必要ない、強靭な野心家。これまで出てきた登場人物のなかで最も陰影のあるキャラクターだと思う。

 ところで、自分でも自分の映画や原作の感動に水を差す感想だとは思うんですが、ゴンドール人やロヒアリムなど、善玉キャラがあからさまに西洋人風の容姿で、黒の陣営につく民族、ハラドとか東夷なんかがあからさまに非西洋人を想像させる描写なのが気になります。そういう意図がないにしても、不快に思う人いないのかな。欧米人の先入観というか固定観念って強固なんだなーと改めて思います。


■ 2004.3.30  (日記抜粋)

  <本日の指輪物語>
 『指輪物語 二つの塔・上2』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫)
 『指輪物語 二つの塔・下』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫)
 飛行機の中で読了。アラゴルン、二つ名が多すぎて、頭悪い私は大混乱です。いきなり登場人物が増えたのかとびくびくします。地名も山のように出てきて何がなんだか。もうキャパシティいっぱいなんじゃ。カタカナ名は弱いのよ。エオウィンは原作のほうが断然いいです! 映画の繊細で優しそうなエオウィンとは別人です。硬派体育会系のクールビューティー。原作エオウィンは全然繊細じゃないと思います。骨がらみの軍隊育ち。とてつもなく従順に躾られた猟犬のような感じ。相変わらす爺がいかした物語です。蛇の舌をオルサンクに追いやる木の髭ってば人が悪い。さらにガンダルフ、口が悪い。「トゥックの阿呆息子!」(笑) ピピンの呼び名はこれに決定です。下巻のサムとフロドの逃避行(?)は苦痛そのものでした。なにがってゴクリ/スメアゴルの存在が。サムとフロドが味わった疲労とうんざり感をそのまんま追体験。もう勘弁してえぇ…ってところで、颯爽とファラミア登場。上手いよ。しかし映画を見たあとで、下巻のファラミアの挿絵は衝撃的ですね。なんかめちゃくちゃ悪人に見えるんですが。ところでシルマリルとか出てきてそわそわしてるんですが、そっちも読めということですか。お、終わらないぞ。ほんとに。

 なんか、どんどん壊れた感想になってますね。すみません……


■ 2004.3.29  (日記抜粋)

 『指輪物語 二つの塔・上1』J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫)読了。
 途中まで読んでしばらく放っていたら、それまでの話をすっかり忘れていて、結局最初から読み直しました(阿呆)。エントの決起に心震えました! ガンダルフがバージョンアップして帰ってきました! 第一部より加速度的に面白くなってきています。次はいよいよ血沸き肉躍るローハンだ!


■ 2004.3.7  映画(王の帰還)に行って来た!(日記抜粋)

 すでに何箇所かで叫んでますが、昨日、指輪映画『王の帰還』を観てきました。素晴らしかった! 3.5時間、かぶりつき。夕方からの回に行ったら、もう比較的空いてて、ゆったり観られました。原作予習は今回も間に合わず。でも十分楽しめました。原作読んでから行ったら、もっと楽しめたんでしょうけど。以下、少々ネタバレ気味の感想。

 サム! まずはサムに尽きます。最高に格好よいです。いい男です。男前です。ああいう、最後まで普通の感覚で動ける人が、結局一番強いんですね。ガンダルフ、ひょっとして結構大雑把ですか? デネソールの最期はあれ、どうかと思いましたが。結構行き当たりばったりですか。いや、そういうとこも好きです。つーか最前線に出すぎです。戦いすぎ! 強すぎ! じーちゃん最高だ! 私はガンダルフファンだと再認識しました。ミナス・ティリスの城砦はラピュタ風でした。最上層なんか、ヘリとか発着しそうな。あの中を移動するには原チャリが必要です。あ、だから皆馬に乗るんですね。白い白い城壁が悲愴感と絶望感をよく現してます。群集の映し方が巧い。微動だにせず目を伏せたカップルとか、赤ん坊を抱きしめる女性とかの一瞬のショットがもう堪らないです。出陣する兵に花を投げる習慣って、本当にあるんでしょうか? 普通、帰ってきたときならありそうですよね。ああもうこの悲愴感。デネソールとファラミアの確執は、たったあれだけの描写で根深いところまで想像(妄想?)できるのがすごいです。病み疲れたゴンドール。内からも外からも破滅の足音をひしひしと感じながらも、どうすることもできない絶望感。ファラミアの役者さんは、そういえば『ダスト』に出ていた人ですね。一言も発しなくても、もの問いたげな孤独感の漂う、雰囲気ある役者さんです。素敵だ。これからもっと活躍するといいな。狼煙リレーのロングショットが素晴らしい。呼応する、ということが、それが遠ければ遠いほど感動的なのは、たとえすぐ側にいる人とでも疎通するのは本当に難しいことを知っているからだ。ピピンの歌とそれに重なる出陣のシーンが物悲しい。エオウィンの白い肌が痛々しい。アラゴルン、最後にしてちょっと影薄くなってしまいましたね。そういえば亡霊って西洋ではどうして半透明緑色で表現するんだろう。ホーンテットマンションとかパイレーツ・オブ・カリビアンとか連想したの、私だけじゃないよね。そして、ガラドリエル様(何故突然「様」づけ)が全編通じて一番怖かったのも私だけじゃないですよね。歳経りたモノは怖いのです。あの三日月の目の笑顔で手を差し出されたら。モルドールに行くより怖いって。フロドが正気にも返ろうってものです。とにかく皆お疲れ! 良かった! また会いたいね! 私はこれからまたせっせと原作読みます。(あちこち浮気しすぎで『二つの塔』からぜーんぜん進んでないのです) 読み終わったら、また観に行きたいな。


またも大休止。引越しのどさくさで買い込んでいた原作本が行方不明に。スメアゴルに川の底から拾われるまで約1年。

■ 2003.5.4  映画(二つの塔)に行って来た!(日記抜粋)

 今日やっと『二つの塔』観てきました。今回は予習が追いつかず。予備知識なしに観ることになりましたが、それはともかく、まずは申し上げねばなるまい。お帰りなさい、ガンダルフ!!! これ以上はネタバレになるかと思いますので自粛します。(これだけでも十分ネタバレか……) 戦闘シーン、迫力でした。アラゴルン、惚れ直しました。メリーとピピン、よくがんばりました。私もがんばって原作読みます。そんな私が帰って一番にしたことと言えば、
『ロード・オブ・ザ・リング』公式サイトから壁紙ダウンロードの嵐。これだけはネット落ち前に絶対に入手しておこうと思いまして。馬鹿です。もっと他にすることがあるだろう。

 それにしても、映画館に行くと、コーラが飲みたくなるのはなぜだろう。

ここで大休止。給水所でダベリすぎ。

■ 2002.4.7  
映画(旅の仲間)に行って来た!

■ 2002.3.6  (日記)

◇今日の『指輪物語』………第一部読了。脳裏のスクリーンいっぱいに、TO BE CONTINUED という文字が浮かんだ私は、救いがたくRPGゲームに毒されています。ああサムってば、ほんとにいい奴だ〜

 なんだか、大河のようなお話です。陳腐な表現ですが、他にうまく表現する語彙が見つかりません。
 いろんな細かいことはなぎ倒して、とにもかくにもお話は進んでいってしまうという感じ。当事者たちにはもっと深刻な悩みも確執も悲しみもあるのでしょうが、筆致がひどく淡々としていて、懇切丁寧な心理描写や情景描写の小説を読み慣れた人間には、正直言って、え、え、このエピソードこれで終わりなの? これ、このままにして行っちゃうの? それで解決なの? と右往左往しきりです。特に私のように枝葉末節に脱線するのが好きな、重箱の隅をほじくり返すタイプ(過去の今日の『指輪物語』を読み返してもありありとわかるなあ、この性癖……どうでもいいことばっかり(笑))には、読んでいる最中、ちょっと足の裏が痒い感じがしてなりませんでした。

 ただ、それって逆に言うと、作品の世界がそれだけ深いっていうことなのかも、とも思います。だいたい小説で書かれるような綺麗なオチは、現実の世界にはそうないですし。出来事は一瞬一瞬で、起こったときにはもう過去に流れていて、そのとき何を感じたかも一瞬で流れてしまうことがほとんどです。そういえばあれはどうなったんだろう、あのとき会った人はどうしてるんだろうと思い返すことがあっても、概ねそれを踏み潰して日々生活している。現実の世界に、予定調和はない。あるとすれば、それはあとからつけた理屈に違いない。

 であればこそ、『指輪』を読んでいて、あれほど彼らと一緒に旅をしている気分になれるのだろうと思います。オチがつかずに中途半端になっているところも、きっとどこかで同時進行しているに違いないという気になります。
 語りは騙りであるのだし。こういう騙しかたをしてくれるお話は素敵です。大好きです。存分にトリップさせてくれる。

 というわけで、これで心おきなく、映画を観に行けるぞおぉ〜(心の叫び)

■ 2002.3.2  (日記抜粋)

◇今日の『指輪物語』………女王様登場。それにしても、ガンダルフはどうなっちゃうんでしょうか。復活の呪文はないのでしょうか。

■ 2002.2.27  (日記抜粋)

◇今日の『指輪物語』………ガンダルフ、手当たり次第に呪文を試す辺り、ナイスな爺さんです。ちゅうか、ちょっと仲悪そうな大の男二人が窮地に及んで団結し、決死の覚悟で吹雪のなか偵察に出たというのに、出発までの経緯を見ていたくせに、「でも、私こういうとこちょろいんだよね実は」って感じで後から出発して先行二人をさくさく追い抜かしていくエルフとか(君それ早く言ってあげなよ。男二人怒るよ)、古井戸なんか見つけちゃってついつい石投げ込んでみて怒られるホビットのぼうやとか(とりあえず石を投げてみるって、それ子供だって)、かなり親近感わくんですけど。このパーティー。

■ 2002.2.26  (日記)

◇今日の『指輪物語』………

「では、この指輪を力によって長くかれらから隠しきれぬとすれば」と、グロールフィンデルがいいました。「われらにできることは二つしかありません。これを大海の向こうに送るか、破壊するかです。」
「しかし、ガンダルフが説明したように、これを破壊することは、現在われらが持っている技や力では、及ばぬことなのだ。」と、エルロンドがいいました。「また、大海のかなたに住む者は、これを受け取ろうとはしないだろう。善きにつけ、悪しきにつけ、これは中つ国に属するものなのだ。これを処分するのは、今なおここに住むわれらの仕事だ。」
(J.R.R.トールキン『指輪物語 第一部・旅の仲間 下1』)

 全巻読み終わってから、ちゃんとした感想を書こうと思っていたのですが、あまりに長いし読むの時間かかるし、その間に忘れそうだし、ということで、思いついたときにちょこちょこ書いていこうと思います。

 上の引用部分。あまり書くとネタバレになってしまいますが、エルフの館での会議の一節です。これ以外にも会議のシーンは、全編にわたって、今の私たちにも実にいろいろと思い当たるふしのある議論が交わされます。このお話が第ニ次世界大戦中に書かれたということを考えると、指輪が意味するものは、さらに意味深ではあります。(もっとも、トールキン先生自身は、そういった比喩を許していないようですが)大戦後に発表されて、アメリカに一大ムーブメントを巻き起こしたというのも、さもありなん。

 自分で始末できないようなものは、つくっちゃいかんのです。ましてや、他人に押しつけるなど。
 自分のケツは自分で拭けってことです。<あれ、どうして私が表現すると、こんな非文学的修辞に(汗)

■ 2002.2.25  (日記抜粋)

◇今日の『指輪物語』………エルロンドの館の宴会、むっちゃ出たいんですけど(涎)そして、会議。みんな語る語る。でもこんな会議だったら、面白くて眠くなんかならないかも。いや、面白いなんて言ったら悪いか……

■ 2002.2.19  (日記抜粋)

◇今日の『指輪物語』………ついに怪我人が出ました。ああ早く、早く裂け谷に着くと良いね。

■ 2002.2.17  (日記抜粋)

◇今日の『指輪物語』………馳夫、本名発覚。というわけで、映画ではきっと本名のほうでいくんでしょうな。字幕に馳夫とか出てきたらかなりシュールだと思っていたもので。

■ 2002.2.15  (日記抜粋)

◇今日の『指輪物語』………馳夫登場。おおこれが噂の。どれどれと人為を研究する前に阿鼻叫喚の東海道線@朝のラッシュ時の奔流に巻き込まれ成果が途絶えております。なめくじのような歩みです。

■ 2002.2.11  (日記)

 映画の予習をせねば、ということで、この連休から『指輪物語』を読んでいます。
 三連休、家で風邪療養と称してごろごろしていたわりには、いまだ第一部旅の仲間・上の2(要するに、2巻目)をふらふらしています。
 自分ではファンタジー好きだと思っていたわりには、『指輪』をはじめ古典的な正統派ファンタジーは全然読んでいなかったことが、この期に及んで発覚。入り浸っていた小中学校の図書室には確かに『指輪』も『ナルニア国物語』も『ゲド戦記』もありました。ちゃんとあったという記憶すらも残っているにもかかわらず、私はその隣の棚のホームズやらルパンやら三銃士シリーズやら明智少年物などに走っていて、すでに今の本の趣味の片鱗どころか、そのまんま今の嗜好に繋がっているところがなんとも言えません。

 で、翻訳物を読んだのは最近では『ハリー・ポッター』以外では久しぶりなのですが、翻訳特有のちょっとした言い回しとかの引っ掛かり云々より、「ですます」体で書かれているってところにちょっと戦きました。あと展開がわりにゆっくりだなあ、と思いつつ、これはRPGなんだしこれでいいのだ、と納得しつつ。そういえば、私がドラクエ挫折したのは、あの展開が遅いところがネックだったんだよなあ、と思い出しつつ。

 なんて書いてますが、実際『指輪』はかなり楽しんで読んでます。
 ただいまパーティーはめでたく仲間が揃って古森の中を進行中。怖くないように歌を歌ってます。
 しばらくこの調子で『指輪』日記になりそうです(汗)



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