イゼルローンのタコ部屋。

銀河歌声喫茶 Vol.1

Company

あなたのことを鮮明すぎるほど思い出す
だけどまた一日を何とか生きていける
ともにすべき会話
そこに誰もいなくたって
あなたが何を言うだろうって想像できる

また別の人生で会いましょう
夢の中にあなたを解放して
だけど銀河の彼方に辿りついたとき
あなたが傍らにいないのが堪らない

親友[Company]……
ともにある親友を探している
あたりを見回して、耳をすまして
いつでも
そうすればいつの日かあなたも
私が求める声を聴くかもしれない

今あなたは、あなたの人生を送るために去ろうとしている
またこれからも会えるだろうなんて、あなたは言う
だけどこれまでと同じでなんかいられない
もうこんなチャンスは二度とないだろうと私は知っている
二度と、二度とあなたのような

だから、また別の人生で会いましょう
夢の中にあなたを解放して
だけど銀河の彼方に辿りついたとき
あなたが傍らにいないのが堪らない

親友[Company]……
ともにある親友を探している
あたりを見回して、耳をすまして
いつでも
そうすればいつの日かあなたも
私が求める声を聴くかもしれない

(Rickie Lee Jones & Alfred Johnson/訳:巽堂)
"RICKIE LEE JONES" Rickie Lee Jones(Warner Bros. Records Inc.,1979)

これは失恋アッテンボローの歌です。

曲はリッキー・リー・ジョーンズの不滅のラブソング、バラードの傑作です。今井美樹がカバーしたことがあるそうですね。ちなみに上のアルバムは邦題『浪漫』で発売されているようで、いったいどこから出てきたんだそんな単語。リッキーは訛りがきついのと英語を崩して歌うので、私にはほとんど歌詞が聞き取れません。それで歌詞の内容をよく知らないまま漫然と「良いよなあ…」と聴いていたんですが、今回たまたま歌詞カードを眺めていて、引っ叩かれたようなショックを受けました。すごく切ない、しめつけられるような詞です。内容わかった上でこのバラードを聴いていると泣きたくなります。ああーこの訳の下手糞さ加減も泣きたい……。

Companyというのが何ともぐっとくる言葉です。friendでもbetterhalfでもなく、仲間として、片割れとして、ともに肩を組んで歩いていく相手。アッテンボローとヤンの関係にまさにふさわしいと思うのです。うまい日本語訳が思いつかなくて「親友」としてしまったけど、ぶっちゃけ「伴侶」でもいいくらいです。※原曲はおそらく「伴侶」の意味で歌っていると思います。でも詞にすると語呂が悪いし、ここは腐れ視点なので(笑) 

「また別の人生で会いましょう」がまた切ない。もうこの人生はあなたと重なることはないという諦念、でも次にまた巡りあいましょうという悲しくも切ない前向きさ。「また別の人生」はanother lifeの訳なので、今生ではありません。くぅぅ……。

そして決定打。「だけど銀河の彼方に辿りついたとき」で妄想大爆発。もうこれは傷心のアッテンボロー以外にない、と思いましたね。原詞では、"But when I reach across the galaxy / I will miss your company" ほんといい詞です。シチュエーションとしてはヤンの結婚のときとも、死後とも解釈できますが、死後と考えると「あなたが傍らにいないのが堪らない」がホント堪らない……。ひさびさに涙腺決壊寸前。

リッキー・リー・ジョーンズの歌詞サイト発見!(英文です)
こんなオタクサイトからリンクするのも気が引けるのでURLのみ。英語が苦にならない方でしたら是非原詞を読んでみてくださいませ。
http://www.alwaysontherun.net/rickie.htm

(2005.5.9)



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