2004年9月の不定期日記 戻る 
不定期日記

■ 2004.9.30    駄目探偵登場

 というわけで、『黒い仏』 殊能将之(講談社文庫)読了。
 抱腹絶倒の推理小説パロディだと思うんですけど、違いますか。極めつけは最後の二行。大爆笑ですよ。引用文献に挙げられている文献はほとんと読んだことがないのばかりなので、勿論全部の裏を読みきれてはいないと思うけど、全編冗談だという気概でもって読めば十分楽しめます。引用文献も全部押さえればもっと楽しいんだろうけど、並大抵の量じゃないので、まあ暇で暇でしようがないときに思い出しでもすれば当たってみることにしよう。親切なことに著者ご本人のサイトに必要最低限の基礎知識は解説されていて、私のような面倒くさがりには大変ありがたい。そもそも私は謎解きに興味がないので、トリックとか裏の真相なんか(割と)どうでも良いし。でも最後の二行で大笑いするためにも、読み終わってから見ましょうね。

 ちなみに殊能センセーの本は『ハサミ男』、『美濃牛』と一応代表作を読んだことがあるはずで、しかし『美濃牛』はわりと記憶にある(読了本リストにもあるし)けれど、『ハサミ男』の記憶が全くないのは毎度のことながらどうしたことであろうか。

 さらに言えば、殊能センセーの音楽の守備範囲はディープ過ぎて全くついていけません。つーか、これだけ自分とかぶるところが全くないというのも珍しいです。


■ 2004.9.29    お茶とアイス

 暑いんだか寒いんだかよくわからなくて服装に困る。

 職場での水分補給をボルビックからお茶に切り替え。グレープフルーツティーの他、緑碧水仙とあんず茶を持っていきました。今日は緑碧水仙。癖のない烏龍茶って感じです。1日2パックのペースで消費しているので、すぐに紅茶に移行することになりそうだ。

 最近、アイスの食べ比べをしていて、ハーゲンダッツとそれ以外の違いがわかりました。それは、柔らかさ。どんなに冷凍庫に放りっぱなしにしても、すうっとプラスチックのスプーンが通るのがすごいです。大体安いのほどスプーンが刺さって取れなくなるくらい固くなるようだ。要するに脂肪分含有率の違いなんでしょうけど。ちょっと前に出てた季節限定のオレンジは美味しかった。キャラメルもなかなか。これまた季節限定のカスタードプリンを買ってきた。そういえば最近ヨーグルトを見かけないな。好きだったのに。今日は『食後のアイス』のキャラメルコーヒー。ちょっとスプーンが刺さりましたが、味はハーゲンダッツと遜色ないような。量的にはこれくらいがちょうどいいんだけど。

 駄目男もとい『ボートの三人男』 J.K.ジェローム/丸谷才一 訳(中公文庫)読了。
 すがすがしいまでの駄目っぷりでした。さすがは紳士の国イギリス本家。堂に入っている。大体紳士なんてのは滑稽だと決まっているのだ。これに比べると『我輩は猫である』なんかまだまだ真面目に見えますね。


■ 2004.9.28    残業癖

 がついてきていかん。18時過ぎると人気がなくなるのがいいとか思い始めるのが何よりいけない。

 ちょっと重いなーと思いつつこれより軽いのにすると何故か顎のラインだけ鮫肌になってしまうので、何となくORIGINSのクリームを使い続けているんだけど、最近サンプルを貰った新製品の香りは何かに似ていると思ったら、昔駄菓子屋さんで買ったラムネの匂いだった。フルーツカクテルってホンマかい。感触は悪くないんだけど、匂いが安っぽいのう。

 フルーツはフルーツでも、ちょっと前に貰った緑碧茶園のグレープフルーツティー(緑茶です)は意外に美味しい。緑茶に柑橘類って半信半疑でしたけど、きっぱり偏見でした。煎茶系なんだけど、あまり濃く出過ぎないのがすっきりして良いみたい。職場のなごみアイテムです。…って、なごんでまた長居してしまうではないか。

 ふと思いついて我が家のお茶ストックを点検。えらいことになっている。

 ・伊藤園 水出し麦茶パック(ただいま消費中。一夏で54袋入りの2つ目。半分くらい残っている)
 ・蕎麦茶(いま茶筒に入っている。残量恐らく70gくらい)
 ・AHMAD:English Afternoon(ポット用ティーバッグ。いわゆるお徳用パック、開封済み八割方残っている)
 ・CARAVAN:Nuwara Eliya(120g、未開封)
 ・L'EPICIER:Earl Gray(50g、未開封)
 ・L'EPICIER:Birthday(50g、未開封)
 ・Regend Garden Tea:Earl Gray(50g、ティーバッグ、未開封)
 ・Twinings:Lady Gray(42g、ティーバッグ、未開封)
 ・モルジプ土産のシナモンティー(50g、未開封)
 ・緑碧茶園 名間翠玉(50g、未開封)
 ・緑碧茶園 緑碧水仙(15g、ティーバッグ、未開封)
 ・緑碧茶園 あんず(15g、ティーバッグ、未開封)
 ・むらい萬香堂 伊賀緑茶白鳳城(100g、未開封)
 ・結婚式のお土産の工夫茶(6個、未開封)
 ・平等院のお土産 光源氏(20g、未開封、てん茶なぞ私にどうしろと…)

 自分で買ったのは麦茶だけだ。どうして私の周りの人間は土産と言えばお茶をくれるんだろうか。日本茶や中国茶はともかく、紅茶はティーバッグじゃないとなかなか減らないんだよな。そもそも私は紅茶党じゃないのだ。私の嗜好品順位は、コーヒー > 番茶・焙じ茶系 > 青茶系中国茶 > 煎茶 > アールグレイ > 柑橘系フレーバーティー(紅茶) > それ以外の普通の紅茶 > 柑橘系以外のフレーバーティー(紅茶) > ハーブティー。ちなみにハーブティーはお茶の一種だから一応順位に載ってるというだけで、実際は駄目です。飲めません。柑橘系以外のフレーバーティーも苦手です。好きこのんで飲みません。酒が入ってないって? それは別格です。とにかく、当面自分でお茶を買ってはいけないな。そうなると買いたくなるんだけど。


■ 2004.9.26    日曜の夜は出たくない

 だらだらして一日終わってしまった。

 牛蒡と豚肉のゆずぽん炒め。長葱とにんにく入り。最近、炒め物の味付けをゆずぽんでするのにはまってます。意外といけるんですよこれが。ちょっと酸味があるのが今時分の蒸し暑さにちょうどいい。少し前に土付き牛蒡を買ったので集中的に消費していたんだけど、そのせいかここ数日頗る胃腸の調子が良い。ヨーグルトより効くよこれ。

 ついでの作り溜めで、明日の朝御飯用のじゃがいもとキャベツと玉葱のホワイトシチュー邪道編。大昔に実家から送られてきたコーンポタージュの缶が発見されたので投入してみたあたりが神をも恐れぬ邪道。市販のレトルトカレーを数種混ぜ合わせるっていう主婦の裏技を聞いたので応用してみたのだ。考えなしですね。でも美味かったので結果オーライ。


■ 2004.9.25    ボートの駄目男三人

 法事で日帰り大阪。

 ついでに妹その2からハリー・ポッター新刊をげっと。妹その1には『上司は思いつきでものを言う』とリコメンドしておく。新幹線の中で『ボートの三人男』(J.K.ジェローム/丸谷才一 訳)を読んでたんですが、これめちゃくちゃ面白い。イギリス人のこういう大真面目で得々と理屈をこねながらお馬鹿なノリは大好きです。

 大阪も横浜も不快指数高いですな。湿気がひどい。

 やってくれるぜ神奈川県。
 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20040925k0000e040051000c.html
 地方税踏み倒してやりたくなるのはこういうときだ。それにしても毎日新聞しか記事が出てないのは「違法と断言できない」から?


■ 2004.9.23    中日

 だらけ放題。起きたら13時だった。

 髪切ってきました。マッサージ担当のおねえさんがむちゃくちゃ上手くて至福のひとときでした。「かなり疲れてますねー」なんて言ってちょっとサービスしてくれたっぽいおねえさんサンクス!

 気づいたら秋物が全然ないんだけど、巷に売っているのはこの暑いのにもうニットだったりして、いまいち購買意欲が湧かない。とはいえ朝夕冷えだしてきたので、さくっと羽織れる薄手のニットを入手。黄緑のBenetton。

 似非芋煮。里芋と人参と牛蒡と長葱と油揚げとこんにゃく。みりんの代わりに蜂蜜を入れたら、加減がわからなくて甘くなりすぎた。


■ 2004.9.22    ワインと法螺話

 久々にそこそこのお店でワインを飲んだのですが、2000円ちょいのボトルで思ってもみないくらい美味しかったのでした。(でも銘柄は忘れた。これだから……) 料理もそれなりに頼んでおなかいっぱいになるボリュームで。お昼ご飯2.5回分くらいの値段で十分美味しいものにありつけるんだから酒にお金はケチるまいよ。でもスーパーのチープなやつにも意外と掘り出し物があって侮れないのだ。

 『レ・コスミコミケ』 イタロ・カルヴィーノ/米川良夫 訳(早川書房)読了。
 ここ2週間くらいかけて通勤時間に読んでました。ちょうど行き帰りで一篇読めるくらいのちょうどよい長さで。『柔らかい月』の抽象的な概念と戯れるシャープで洗練された感じと対照的に、民話調とSF風味が混在している。妙に時代がかった台詞回しとかが気になるときもあったけど(むしろこれは翻訳者の個性かな)、これはこれで私は好きです。Qfwfqじいちゃんのほら話は疲れた頭にいい息抜きになる。発表順からいけば、『柔らかい月』のほうが『レ・コスミコミケ』の続編にあたるそうな。そう考えると、回が進むにつれてQfwfqの人間らしさがだんだんと蒸留されて彼の存在自体も希薄になっていき、理論のコアだけが残っていく流れは、科学が臨床から抽象の世界へと突き進む過程を見るよう。神話的な『月の距離』、『無色の世界』の美しい荒涼、失われた系譜の孤独と悲しみを描く『恐龍族』の三篇が特に好きです。番外で『いくら賭ける?』と『光と年月』。「見タゾ」ってね(笑) こんなことばっかり考えてくらせるなら1億年生きても毎日退屈しないだろう。

 ここに入っていないシリーズ短編があと2つ、『磁気嵐』と『月の娘たち』。こうなったらコンプリートあるのみ。


■ 2004.9.20    残暑へたばり中

 超久しぶりに炊飯器のスイッチオン。うまく動くかな。

 そういえばこの炊飯器ももう5年選手です。そもそも我が家の電化製品は年代物が多い。多分一番古いのは電話で、父親から譲ってもらったのでおそらく10年は超えている。当然のことながら2000年対応できてないので、日付表示は1994年になってます。これは今年夏の落雷でついに留守電機能がご昇天。通常の通話には使えるのでそのまま置いてあるけど、そろそろ買い換えないと。冷蔵庫は学生時代に買ったので8年超だけど、全く問題なくご健在。一番新しいのは携帯でしょうな。3年くらいだけど、そろそろバッテリーの寿命がやばそう。でも固定電話と携帯同時に買うなんてアホみたいだなあ……。忘れていた。洗濯機、こいつが一番新しい。まだ2年経ってない。我が家で一番カシコイ電化製品で、蓋を開けっ放しだとスタートボタンが効かない(洗濯物が回ってるの見るの好きなのに…)とか、一時停止ボタンを押さないと死んでも蓋が開かない(無理やり開けようとして開かず、危うくサポートセンターに電話するところだった。恥。)など、アナログな二漕式で長年育った主人をせいざい弄んでくれる。(その前に取説を読めという話)

 『新教養主義宣言』 山形浩生(晶文社)読了。
 これも長くなってしまったのでこっちに。そういえば『クルーグマン教授の経済入門』も積読中でした。


■ 2004.9.19    中だるみ中

 なかだるみちゅう、と訓んでください。変換してびっくりですよ。

 トマトのカレー。最近野菜カレーブームです。なんか肉を食べたい気分にならない。鶏ガラスープの素だけでコンソメを使っていないせいもあるけど、肉を入れないとかなりトマトの味が前面に出てくるな。トマト水煮缶を1缶使ったので、ほとんどトマト煮込みかろうじてカレー風味って感じだ。おまけにじゃがいもが多すぎた。鍋がかき混ぜられないくらいの量が沈んでいる。キドニービーンズを入れれば良かった。トマトと豆って合いますよね。

 BGM>> 『HAPPENSTANCE』 Rachael Yamagata(BMG)
 フィオナ・アップルから狂気スレスレのテンションを抜いて少しノスタルジックにして初期のリッキー・リー・ジョーンズと初期のシェリル・クロウを足した感じ。このテの声が好きなんだよなー。


■ 2004.9.17    終わった……!

 というわけで、チリワイン(白)で祝杯。(近所の西○特売980円也)

 ……うう、もうちょっと高いの買っておけば良かったぜ。


■ 2004.9.12    似非ポトフ

 じゃがいもと人参とキャベツと玉葱とベーコンと中華鶏ガラスープの素で似非ポトフ。しかもワインじゃなくて日本酒投入。それでもそれなりの味になるところが煮込み料理のいいところ。つーか野菜スープですねこれ。調子に乗ってマカロニまで投入。

 『上司は思いつきでものを言う』 橋本治(集英社新書)読了。
 タイトルからしてハートを鷲掴みですよ。でも前の職場にいたときならともかく、今の職場はちょっと特殊で上司はいるにしても一般的なピラミッド構造の組織じゃないもので、もはやあまり切実じゃない。ということで、前の職場の知人に進呈しようと思います。きっと「そうそうそうそう」ってすごい勢いで膝を打って、会社のデスクに魔除け代わりに鎮座させてくれるであろう。


■ 2004.9.11    秋味

 はビールで、秋生は発泡酒なのですね。で、今日は秋味。ややアルコール度数が高いですな。空きっ腹に飲み始めたら覿面に回りましたよ。

 久々に煮炊きをしました。私の作る肉じゃがは、一般的な肉じゃがらしい醤油の色と味があまりしないです。何故なら、みりんとめんつゆを使うから。実家で母が作るのはきっちり醤油味で、それも好きなんですけど、みりんを使うようになってから、甘めのが好きになりましてね。しかも今日のは肉がなくて代わりにベーコン投入しましたし。さらに、余りもの人参があるからって人参まで投入されてますし。人に見せられない料理だよなあ。

 それにしても、涼しくなりましたね。


■ 2004.9.9    Pina Colada

 でビタミン剤を飲むのはどうかと思うが麦茶が切れたから仕方ない。

 『スズキさんの休息と遍歴』 矢作俊彦(新潮文庫)読了。(9/5)
 感想は隔離しました。読み終わった直後にじかに感想を聞かされた友人曰く、「血も涙もない感想」らしいので。でもさ、この話はいわば内輪ウケネタなわけだから、内輪じゃない私がさっぱり理解できなくてもしょうがないと思うんだけど。


■ 2004.9.5    やればできるじゃん

 洗濯して、直しに出してたパンツを取りに行って、ポーギー&ベス観に行って、帰ってきて宿題の続きをコンプリートしました。スミノフ・ブラックアイスで乾杯。ほんと、やればできるんじゃんって、自分で感心しました。問題はただひとつ。滅多にやる気にならないってことだ。

 で、『ポーギー&ベス』(ニューヨーク・ハーレム・シアター)。意外に登場人物が多くて一見さん(まさに私)にはわかりにくいオペラでした。コミカルなのかと思ってたら、結構重たいテーマで。ストーリーなんかはきっと他にもっときちんと紹介しているサイトがあるだろうから、もしご興味あれば探してみてくださいませ。さすがにオケ引き連れてきているだけあって、音楽はとてもノリが良かった。ガーシュイン好きにはお薦めです。彼があちこちで使っているフレーズが山ほど出てきます。

 12月のワルシャワ歌劇場の『魔笛』を予約してきてしまった。ほんとは『フィガロの結婚』に行きたいんだけど、日程的に無理そう。レニングラード・バレエの『ドン・キホーテ』と『海賊』もなー。残念至極。日程さえ合えばなー。っていうか、いかん。オペラとバレエにハマったら最後だと思っていたのに。


■ 2004.9.4    似非在宅ワーカー

 家で仕事できない体質なので、近所の喫茶店にて四人掛けのテーブルを占拠。終わらなかったのに今日はもうビールを開けてしまった。これだから私は在宅ワーカーはできないのだ。

 3年ぶりくらいにカップラーメンを食しました。学生の頃は学内にカップ麺の自販機があって、三時のラーメン休憩が習慣になってたもんですが、ここしばらく買う習慣がなくなっていたもので。たまに食べると美味いですね。いかにも化学調味料てんこ盛りな味わいがたまらん。

 最近、疲れが取れにくいので、家にあったビタミン剤でドーピングしてます。気のせいかもしれないけど、疲れると覿面に発生していた吹き出物があまり出なくなったような気がする。でもこのビタミン剤、使用期限が2004年8月って書いてあるのは速やかに見なかったことにしました。

 BGM >> Bach:The Art of the Fugue - Glenn Gould(organ/pf)(Sony Classical)
 フーガの技法がバッハの遺作だったことをつい最近まで知らなかった似非バッハファン。このCDには、オルガンでの演奏とピアノでの演奏の両バージョンが収録されていて、私はオルガンバージョンのほうが好き。オルガンのほうは集中的に録音したものみたいだけど、ピアノのほうはあちこちの録音を寄せ集めてきたらしい。録音状態が曲ごとに違って、通しで聴くとちょっと違和感がある。グールド氏は実はオルガンのほうが向いているんじゃないかって気がする。減衰しない響きも、音色的にも(ストップで音色が自在に変えられるところが)ピアノより重層的な表現が可能だと思う。オルガンで聴くバッハは、まさに建築物だ。大伽藍が組み立てられ解体される様子を俯瞰するような趣きがある。


■ 2004.9.3    例えるなら

 アイガー北壁。

 何がって、今週の切羽詰りようが。今日まで乗り切った自分に乾杯。でも『秋生』は好みに合わなかった。やっぱ発泡酒は駄目なのかも。もう諦めて明日はギネスでも買ってこよう。こんなときの一杯くらい、美味しいのを飲みたいもんだ。

 アイガー北壁は実はまだ登り切っていなくて、それどころか中腹にも達していないと思われ、そんなわけで今週末はとうとう仕事を持ち帰りました。前の職場でさえ、滅多になかったよこんなヤバさ。でも日曜にはもうポーギー&ベスが入ってしまっている。明日勝負ですな。






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