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【2004年】

『仁義なき英国タブロイド伝説』 山本浩(新潮新書) 2004.12.31 ……ゴシップほど面白いものはない。
『ソラリスの陽のもとに』 スタニスワフ・レム/飯田規和 訳(ハヤカワ文庫) 2004.12.25 ……人間はどうして『接触』したがるのか。
『クロイツェル・ソナタ 悪魔』 トルストイ/原卓也 訳(新潮文庫) 2004.12.21 ……生れたときから特権を行使できる貴族階級の人に何があったらここまで極論に走れるのかすごく興味ある。
『バーナム博物館』 スティーブン・ミルハウザー/柴田元幸 訳(白水Uブックス) 2004.12.17 ……壺中天のような短編集。
『象られた力』 飛浩隆(ハヤカワ文庫) 2004.12.2 ……精緻で洗練された正統派SF。
『マルタの鷹』 ダシール・ハメット/村上啓夫(創元推理文庫) 2004.11.29 ……男のドリーム小説。
『砂漠の思想』 安部公房(講談社文芸文庫) 2004.11.25 ……文学的解剖あるいは精神分析。
『優雅な生活が最高の復讐である』 カルヴィン・トムキンズ/青山南 訳(新潮文庫) 2004.11.3 ……タレント本とかセレブ本のはしり。
『狂骨の夢』 京極夏彦(講談社) 2004.10.31 ……再読。未読だと思ってたら学生時代に読んでました。伊佐間さんが出てきたところで太古の記憶が甦った。
『らんぼう』 大沢在昌(新潮文庫) 2004.10.21 ……日本語がらんぼう。
『悪魔物語・運命の卵』 ブルガーコフ/水野忠夫 訳(岩波文庫) 2004.10.19 ……『運命の卵』は是非映画化を!
『樒/榁』 殊能将之(講談社)  2004.10.18 ……名探偵ヘアヌード写真集、迷探偵のぞき疑惑。<まるで週刊誌ネタ。
『鏡の中は日曜日』 殊能将之(講談社) 2004.10.17 ……白眉は何と言ってもマラルメ先生のファッションチェック。しかし鮎井郁介って平たく言えばストーカーというヤツでは?
『日蝕』 平野啓一郎(新潮文庫) 2004.10.11 ……男性版長野まゆみ?
『きみの血を』 シオドア・スタージョン/山本光伸 訳(ハヤカワ文庫) 2004.10.4 ……この読後感を生理的に嫌う人もいそう。私は平気だけど、その分格別の感動もない。ただ上手いなあと思う。
『キマイラの新しい城』 殊能将之(講談社) 2004.10.1 ……地獄の泥、ポスロリ、そしてロポンギルス。この謎を知りたくば是非に頁を繰られよ。稲妻卿もお待ちかね。
『黒い仏』 殊能将之(講談社文庫) 2004.9.30 ……一読してお怒りになった方もいらっしゃったそうですがパロディなので致し方ないと申せましょう。作者は確信犯なので、その手に乗ってはいけません。
『ボートの三人男』 J.K.ジェローム/丸谷才一 訳(中公文庫) 2004.9.29 ……ボートの駄目男あるいはイギリス紳士の生態。
『レ・コスミコミケ』 イタロ・カルヴィーノ/米川良夫 訳(早川書房) 2004.9.22 ……Qfwfqじいちゃん絶好調。
『新教養主義宣言』 山形浩生(晶文社) 2004.9.20 ……啓蒙書というより、むしろ面白リンク集みたいな感じ。面白そうだったらここをトバ口にして深入りすればいいし、面白くなければ他をあたるといい。
『上司は思いつきでものを言う』 橋本治(集英社新書) 2004.9.12 ……内容そのものよりもサラリーマン経験ゼロなのにここまで会社員の生態を理解してるってのが凄い。
『スズキさんの休息と遍歴』 矢作俊彦(新潮文庫) 2004.9.5 ……そもそも『ドン・キホーテ』に萌えられないので。
『ケルベロス第五の首』 ジーン・ウルフ/柳下毅一郎 訳(国書刊行会) 2004.8.28 ……諸手を挙げて今年の殿堂入り。
『ダブ(エ)ストン街道』 浅暮三文(講談社文庫)  2004.8.23 ……で結局ダブエストンなのかダベストンなのかダブェストンなのかダベーストンなのかわからないのでした。
『呪文字』 倉阪鬼一郎(光文社文庫)  2004.8.21 ……久々に金返せと思った。
『空中ブランコ』 奥田英朗(文藝春秋)  2004.8.13 ……おーい、マユミちゃーん!
『日本絵日記』 バーナード・リーチ/柳宗悦 水尾比呂志 訳(講談社学術文庫)  2004.8.5 ……本文よりリーチのイラストがすごく良い。
『永遠の歴史』 J.L.ボルヘス/土岐恒ニ 訳(ちくま学芸文庫)  2004.8.3 ……まったく歯が立たずKO負け。
『魯迅評論集』 竹内好 編訳(岩波文庫)  2004.7.30 ……真の罵倒とはかくあるべし。
『柔かい月』 イタロ・カルヴィーノ/脇功 訳(河出文庫)  2004.7.27 ……ダーウィンと二重螺旋と兎と亀のパラドクスとアインシュタインの相対性理論が寓話になり得るということ。
『宿命の交わる城』 イタロ・カルヴィーノ/河島英昭 訳(河出文庫)  2004.7.20 ……ゴブラン織りの物語の迷宮。
『暗行御史霊遊記』 中内かなみ(角川書店)  2004.7.19 ……なんか筋書きだけのドラマの脚本を読んでいる感じ。
『雨の温州蜜柑姫』 橋本治(講談社文庫)  2004.7.17 ……何はさておき醒井涼子。
『不思議のひと触れ』 シオドア・スタージョン/大森望 編(河出書房新社)  2004.7.12 ……夜。海。空。そして孤独。
『ヴァニナ・ヴァニニ』 スタンダール/生島遼一 訳(岩波文庫)  2004.6.29 ……昼メロはこういうのやったら面白いんじゃないだろうか。
『二十世紀の十大小説』 篠田一士(新潮文庫)  2004.6.27 ……ボルヘスを日本に紹介した偉大な人。
『モオツァルト・無常という事』 小林秀雄(新潮文庫) 2004.6.22 ……彼が書くと、どんな題材でも、今まで何の関心もなかったような物でも、とてつもなく格好良さげに、無闇にドラマチックに感じられる。
『どくろ杯』 金子光晴(中公文庫) 2004.6.16 ……生々しい退廃。怖いもの見たさ。
『運命綺譚』 カーレン・ブリクセン/渡辺洋美 訳(ちくま文庫) 2004.6.7 ……難解。寓意に満ちていることはわかるけど、実際何のことだかさっぱり。でも『指輪』には深淵を見る思い。
『ロンドン』 小池滋(文春文庫) 2004.6.3 ……行った気になれるロンドン。
『心』 ラフカディオ・ハーン/平井呈一 訳(岩波文庫) 2004.5.31 ……そういえばハーンは日本に来る前はジャーナリストだったんでしたっけ?
『自由死刑』 島田雅彦(集英社文庫) 2004.5.30 ……連載時のオペラ形式で読んでみたかったかも。
『どくとるマンボウ青春記』 北杜夫(新潮文庫) 2004.5.17 ……旧制高校って楽しそう。
『スティル・ライフ』 池澤夏樹(中公文庫) 2004.5.15 ……池澤さんの感覚はどことなく母性的ですね。
『陽気なギャングが地球を回す』 伊坂幸太郎(祥伝社) 2004.5.14 ……陽気な銀行強盗のワンスタイル。
『私の「漱石」と「龍之介」』 内田百閨iちくま文庫) 2004.5.14 ……うごうご。
『福田恒存文芸論集』 福田恒存/坪内祐三 編(講談社文芸文庫) 2004.5.12 ……文学ゴロは耳かっぽじって聞け。
『斗南先生、南島譚』 中島敦(新潮文庫) 2004.5.7 ……この人こそ仙人みたいだ。
『女王の百年密室』 森博嗣(新潮文庫) 2004.5.5 ……でもロイディの性格設定は秀逸だった。
『シカゴ育ち』 スチュアート・ダイベック/柴田元幸 訳(白水社) 2004.5.4 ……レッツ荒廃地域!
『小泉八雲集』 小泉八雲/上田和夫 訳(新潮文庫) 2004.5.2 ……『門付け』と『焼津にて』だけ。それだけでいい。
『鬼の橋』 伊藤遊(福音館書店) 2004.4.29 ……普通の小説としてとても良かったし面白かった。子供でも読めるだろうけど、決して子供向きというわけじゃないと思う。なんか児童文学とかいって本の対象年齢を固定してしまうのはやだな。でも、児童書の、本が大きくて丈夫で字が読みやすいのは、とてもいいと思う。大人にとってもすごく親切。
『指輪物語 追補編』 J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 2004.4.24 ……フルコース後のエスプレッソ。
『指輪物語 王の帰還・下』 J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 2004.4.6 ……おつかレンバス!(馬鹿)
『指輪物語 王の帰還・上』 J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 2004.4.4 ……本編そっちのけで挿絵に一喜一憂してました。罪作りだ映画。
『指輪物語 二つの塔・下』 J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 2004.3.30 ……ここまで心底うんざり感を味わえるゴクリ/スメアゴルの描写ってすごい。反動でファラミアの好感度が必要以上に上昇。
『指輪物語 二つの塔・上2』 J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 2004.3.30 ……エオウィン! 蛇の舌なんか一撃のもとに張り倒しそうですが。
『指輪物語 二つの塔・上1』 J.R.R.トールキン/瀬田貞ニ・田中明子 訳(評論社文庫) 2004.3.28 ……エント! ガンダルフ!
『波の上の魔術師』 石田衣良(文春文庫) 2004.3.25 ……株式取引のお勉強にはなります。
『ハードボイルド・エッグ』 荻原浩(双葉文庫) 2004.3.21 ……こういうパロディに青筋立てて怒るような生粋のハードボイルダーってまだ生息してるのかな。
『君主論』 マキァヴェリ/池田廉 訳(中公文庫) 2004.3.14 ……よく言われる権謀術数なんて微塵もなくて、ごく真っ当な観察の結果をすっきり書いてあると思う。まあえてして、そのまんまを書くと身も蓋もなくて拒絶反応起こされるってことですか。
『神様がくれた指』 佐藤多佳子(新潮社) 2004.3.11 ……ジェットコースター級エンタテイメント。
『子供より古書が大事と思いたい』 鹿島茂(文春文庫) 2004.3.8 ……博士の異常な愛情〜あるいはいかにして私は心配するのをやめて古書を愛するようになったか。
『小川未明童話集』 小川未明(新潮文庫) 2004.3.6 ……優しいような素っ気ないようなリアリスティックなようなロマンティックなような。
『僕はどうやってバカになったか』 マルタン・パージュ/大野朗子 訳(青土社)  2004.2.13 ……面白かったけど、再読する気にはならない。
『市民の日本語』 加藤哲夫(ひつじ書房) 2004.2.11 ……声の小さな人も発言できるコミュニケーションとは何かということ。
『飛ぶのが怖い』 エリカ・ジョング/柳瀬尚紀 訳(新潮文庫) 2004.2.11 ……爽快で、滑稽で、懲りない、ただでは起きない女の話。
『倫敦塔・幻影の盾』 夏目漱石(新潮文庫) 2004.2.7 ……英文学者の面目躍如。夏目漱石にシェークスピアあたり訳して欲しかった。きっととてつもなくスリリングなマクベスやリア王、リチャード三世が日本語で読めただろう。
『地下室の手記』 ドストエフスキー/江川卓 訳(新潮文庫) 2004.1.21 ……そういえばアダムとイヴを楽園から追放したのも自意識だった。
『見えない都市』 イタロ・カルヴィーノ/米川良夫 訳(河出文庫) 2004.1.14 ……千一夜にして禅問答。呪詛にして言祝ぎ。

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