読了本リスト(時系列)
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【2005年】
『魔法使いハウルと火の悪魔』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/西村醇子 訳(徳間書店) 2005.12.31 ……映画のほうが原作より良いと思った稀有な例。
『パーク・ライフ』 吉田修一(文藝春秋社) 2005.12.30 ……この生活感のなさと地に足のつかない感じが逆説的に都市生活のリアルなの…か?(スポーツ紙風)
『フーコーの振り子 上・下』 ウンベルト・エーコ/藤村昌昭 訳(文春文庫) 2005.12.9 ……一流の碩学による一流のトンデモ。
『動物化するポストモダン オタクからみた日本社会』 東浩紀(講談社現代新書) 2005.11.29 ……面白かったけど、相変わらず「ポストモダン」の定義がわからない。
『華氏451度』 レイ・ブラッドベリ/宇野利康 訳(ハヤカワ文庫) 2005.11.24 ……再読。ここに描かれている世界が今となっては全く彼岸の世界でないことが恐ろしい。
『虎よ、虎よ!』 アルフレッド・ベスター/中田耕治 訳(ハヤカワ書房・世界SF全集18) 2005.11.18 ……最後でフォイルがピカデリー・サーカスのエロス像の頂上で叫ぶ演説は圧巻。
『山伏地蔵坊の放浪』 有栖川有栖(創元推理文庫) 2005.11.14 ……小説としての部分があまりに疎か。
『コカイン・ナイト』 J.G.バラード/山田和子 訳(新潮社) 2005.11.3 ……最初から最後までいまいちぴんと来ない話だった。
『ライオンと魔女』 C.S.ルイス/瀬田貞二・訳(岩波少年文庫) 2005.10.31 ……これ異世界物ファンタジーのはしりなんでしょうね。
『医者にウツは治せない』 織田淳太郎(光文社新書) 2005.10.30 ……いろいろ紹介されている治療法に関しては眉唾じゃないかと思ってしまうもの多々だけど、薬漬け医療に対する批判はそのとおりだと思う。
『Charlie and the Chocolate Factory』 Roald Dahl/Quentin Blake(PUFFIN BOOKS) 2005.10.29 ……ウォンカさんが一人また一人とクソガキとその親どもを陥れていくさまをサディスティックに楽しんでしまった。
『マークスの山 上・下』 高村薫(講談社文庫) 2005.10.23 ……すごく面白かったんだけど、最後までぴんと来なかったのは犯人像と加納検事のポジション。
『よもつひらさか往還』 倉橋由美子(講談社文庫) 2005.10.18 ……倉橋由美子はいつもさらりとグロい。
『宇宙の果てのレストラン』 ダグラス・アダムス/安原和見 訳(河出文庫) 2005.10.11 ……ここまで思いきりよく次回に続くなのも。
『怪物がめざめる夜』 小林信彦(新潮文庫) 2005.10.2 ……今読むとありふれた話のように思われるけど、93年の発刊当時にはネットの書き込みひとつで殺人が起きたりするような事態は普通の人には想像つかなかっただろうな。
『甘粕大尉』 角田房子(ちくま文庫) 2005.9.26 ……こういう人間を作り上げるような教育を二度としちゃいけないと思うんだが、なんだか先行きは不穏。
『渚にて』 ネビル・シュート/井上勇 訳(創元SF文庫) 2005.9.22 ……高い確率であり得る人類最後の日。
『銀河ヒッチハイク・ガイド』 ダグラス・アダムス/安原和見 訳(河出文庫) 2005.9.16 ……小説としてより映像作品のほうが面白いと思う。
『風雅の虎の巻』 橋本治(ちくま文庫) 2005.9.12 ……わかりやすーく書いているようで、最後にぽんと難解な本質部分に読者を放り出すのがこの人だ。
『芥川龍之介と太宰治』 福田恒存(レグルス文庫) 2005.9.6 ……芥川はともかく太宰はほとんど読んでないのでコメント不能……。
『花の下にて春死なむ』 北森鴻(講談社文庫) 2005.8.17 ……通常のミステリにエキサイティングできない身体になってきた。
『終戦のローレライ 1〜4』 福井晴敏(講談社文庫) 2005.8.12 ……冒険小説というよりユートピア小説だと思う。
『月は無慈悲な夜の女王』 ロバート・A・ハインライン/矢野徹 訳(ハヤカワ文庫) 2005.8.9 ……アメリカ独立戦争宇宙版。先住民の虐殺がない理想バージョン。
『私の幸福論』 福田恒存(ちくま文庫) 2005.7.29 ……ぎりぎりまで綺麗事を排した理想論。
『よるねこ』 姫野カオルコ(集英社文庫) 2005.7.10 ……現代の作家に稀な凄腕技巧派。
『グッドラック 戦闘妖精・雪風』 神林長平(ハヤカワ文庫) 2005.7.8 ……今回の主人公は鋼のように強靭なクーリィ准将。何故だか往時のサッチャー英国首相のイメージが重なる。
『13日間 キューバ危機回顧録』 ロバート・ケネディ/毎日新聞社外信部 訳(中公文庫) 2005.6.21 ……タカ派アメリカの苦悩。
『<超>読書法』 小林信彦(文春文庫) 2005.6.18 ……こういう人に自分の好きな作家や作品が褒められていると飛び上がるほど嬉しい。
『本は寝ころんで』 小林信彦(文春文庫) 2005.6.18 ……翻訳小説、特にミステリの紹介がとんでもなく幅広くて詳しい。
『夜光曲』 田中芳樹(祥伝社) 2005.6.13 ……二作続けて大型ゴミを海に投棄したのには感心しない。
『黒蜘蛛島』 田中芳樹(講談社) 2005.6.12 ……涼子ちゃんがどんどん可愛くなってきた。
『クレオパトラの葬送』 田中芳樹(講談社) 2005.6.10 ……涼子ちゃん今回は妙に殊勝。
『バルト海の復讐』 田中芳樹(光文社) 2005.6.9 ……これはちょっと酷い。金を取って読ませるレベルじゃない。
『パイド・パイパー』 ネビル・シュート/池央耿 訳(創元推理文庫) 2005.6.8 ……第二次世界大戦下のヨーロッパのディティールが徹底的にリアル。
『石の中の蜘蛛』 浅暮三文(集英社文庫) 2005.6.6 ……何より音の表現、描写が凄い。素晴らしい。
『七都市物語』 田中芳樹(ハヤカワ文庫) 2005.6.2 ……銀英伝の世界から徹底的に甘さを抜いた感じ。
『実録・外道の条件』 町田康(角川文庫) 2005.5.30 ……猫萌え。
『夏の夜の夢・あらし』 シェイクスピア/福田恒存 訳(新潮文庫) 2005.5.24 ……主従関係萌え。
『戦闘妖精・雪風<改>』 神林長平(ハヤカワ文庫) 2005.5.23 ……人間がコンピュータに感じる根源的な不信と恐怖を描いていると思う。自分で考えなくなる恐怖。
『ヴァージニア・ウルフ短編集』 ヴァージニア・ウルフ/西崎憲 編訳(ちくま文庫) 2005.5.17 ……読むほうの意識が作品の「意識の流れ」と合わないとちっとも良くないような。
『黙示録論』 D.H.ロレンス/福田恒存 訳(ちくま文庫) 2005.5.13 ……ここまで激しい西洋人によるキリスト教否定は初めて目にしました。
『敵は海賊・猫たちの饗宴』 神林長平(ハヤカワ文庫) 2005.4.25 ……一家に一隻ラジェンドラ。是非とも欲しい。
『敵は海賊・海賊版』 神林長平(ハヤカワ文庫) 2005.4.22 ……この文章の飛躍がいいんだよね。
『あらし』 シェイクスピア/豊田実 訳(岩波文庫) 2005.4.19 ……エアリアルとプロスペローの関係がすごく切ない。
『でも私は幽霊が怖い』 佐藤亜紀(四谷ラウンド) 2005.4.14 ……ひさびさの過激派エッセイ。
『架空の王国』 高野史緒(中央公論社) 2005.4.12 ……いろいろあるけど最終的には王道なシンデレラストーリー(いや逆シンデレラストーリー?)
『少年トレチア』 津原泰水(集英社文庫) 2005.4.7 ……容赦なくグロテスク。
『創竜伝13』 田中芳樹(講談社) 2005.4.5 ……終君三枚目化歯止めがかからず。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』 フィリップ・K・ディック/浅倉久志 訳(ハヤカワ文庫) 2005.4.4 ……みんなが声を揃えて傑作だと言うのにさっぱり面白くなかった……。
『フロベールの鸚鵡』 ジュリアン・バーンズ/斎藤昌三 訳(白水社) 2005.3.31 ……読むことそのものの愉悦を知っている人の小説。
『詩人 シルヴィア・プラスの生涯』 アン・スティーブンソン/風呂本惇子 訳(晶文社) 2005.3.30 ……実に容赦のない評伝。その代わり実に読ませる。
『イタリア民話集 上』 イタロ・カルヴィーノ/河島英昭 編訳(岩波文庫) 2005.3.28 ……何個読んでも読み飽きないのすごい。
『ニューロマンサー』 ウィリアム・ギブスン/黒丸尚 訳(ハヤカワ文庫) 2005.3.16 ……イメージとコードの奔流を疾走する感覚。
『たそがれに還る』 光瀬龍(ハルキ文庫) 2005.3.12 ……夢も希望もなく、ただ無常感だけが残る、しかし星屑のように美しい小説。
『山椒魚戦争』 カレル・チャペック/栗栖継 訳(岩波文庫) 2005.3.9 ……殿堂入り。これはユートピア小説でもSFでもなく、痛烈な諷刺小説です。
『山椒魚戦争』 カレル・チャペック/小林恭二・大森望(小学館) 2005.2.18 ……抜粋版だった……。痛恨の買い間違い。
『富豪刑事』 筒井康隆(新潮文庫) 2005.2.7 ……案外王道な推理小説。
『くだんのはは』 小松左京(ハルキ文庫) 2005.1.31 ……件の由来が気になる。
『優しいサヨクのための嬉遊曲』 島田雅彦(新潮文庫) 2005.1.25 ……なんでそんなにペニスにこだわるの?
『煙か土か食い物』 舞城王太郎(講談社文庫) 2005.1.24 ……奈津川トンデモ四兄弟大暴れ。
『ドグラ・マグラ 上・下』 夢野久作(角川文庫) 2005.1.21 ……スゴイ! とは思っても、手放しで好きだとは言えないタイプの小説。
『ブロディーの報告書』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス/鼓直 訳(白水Uブックス) 2005.1.14 ……ボルヘスっぽくないボルヘスの短編集。
『時間のかかる彫刻』 シオドア・スタージョン/大村美根子 訳(創元SF文庫) 2005.1.7 ……どの作品も「上手いねえ旦那」と言いたくなるんだけど、小説家って「上手い」と思わせちゃいけないんじゃないかと。